【音源レビュー】DLESS『NUMB』

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DLESSが、1st EP『NUMB』を2026年10月1日にリリースした。

本作には、“PREGHIERA”、『Anulus』『Wasted』『ERODE』『IRON -666-』『刺繍』の全6曲を収録。

ヴィジュアル系百科が実施したインタビューで彼らは、本作について「全曲を通して、映画を観ている感覚で聴いてもらえたら」と語っていた。

神秘的な幕開けから、激しい衝動、愛への渇望、そして静かな余韻へ。

一枚を通してひとつの物語を描くように構成された『NUMB』を、全6曲のサウンドと歌詞から紐解いていく。

目次

1曲目|“PREGHIERA”

全身を包み込む、アンビエントなイントロダクション。

洞窟や長いトンネルの奥、あるいは光の届かない深海へ迷い込んだような感覚を覚える。

不穏でありながら神秘的。

“PREGHIERA”は、イタリア語で「祈り」や「祈願」を意味し、強く何かを願う「懇願」のニュアンスも持つ言葉だ。

やがて空気は少しずつ張り詰め、暗闇の奥からこちらを呼ぶように、じわじわとDLESSの世界へ引きずり込んでいく。

2曲目|Anulus

彼方から聴こえてくるイヴのデスボイス──そして、重厚なバンドサウンドが炸裂。

身体の奥まで響く-KouKi-のキックが緊張感を一気に高めていく。

「崩れ落ちたように

抜け殻は形をなぞって

鬱空に届かない声落としながら

ただ眺めている」──DLESS『Anulus』より

沁の奏でる不穏なギターリフ、そして綾の渋みを帯びたベースの響きが陰影を深める。

美しさと荒々しさが交錯し、孤独を残酷に描く一曲だ。

3曲目|Wasted

軽快に跳ねるスネアが、どこか不安定な高揚感を煽る。

「弱さを知る夜に震え

鈍る感覚に溺れて

視界が歪み快楽に

また私は崩れてゆく」──DLESS『Wasted』より

印象的なのは、自嘲や逃避を滲ませる歌詞とは対照的な、リズミカルな歌い回し。

そのアンバランスさが、かえって危うさを際立たせる。

束の間の静寂を挟んだ直後、サウンドは一気に爆発。

制御を失った感情が外へ噴き出すように、激しいアンサンブルが押し寄せる。

4曲目|ERODE

嵐のようなビートに乗せて、一気に加速する『ERODE』。

「絡み合い溶けてく

身も心も

貴方の中に

わたしの心が染まる

黒く黒く」──DLESS『ERODE』より

痛切な歌詞でありながら、鮮やかなメロディがキャッチーで耳に残る。

シンプルながらヘヴィなギター、ベースが楽曲を引き締め、切り裂くようなシンバルが熱量を上げていく。

絶望に染まった世界の中でも、もがきながら手を伸ばした先に、やがて夜明けが近づいてくる。

DLESSの持つ激しさと叙情性、そして暗闇を突破しようとする力強さが凝縮されたナンバー。

5曲目|IRON -666-

『ERODE』の余韻を引き継ぎながら、さらに速度を上げて突き進む『IRON -666-』。

「ぶっ壊せAll

何度も

ぶっ壊せAll

繰り返す

Beneath it all, we’re just animals」──DLESS『IRON -666-』より

間奏では歪んだギターの音色が、やがて空間を支配する壮大な響きへと変化する。

荒々しい破壊衝動を、そのまま前進する力へ変えていくパワフルな一曲。

マネキンたちが髪を振り乱しながら暴れる光景が目に浮かぶ。

6曲目|刺繍

記憶の中の霞んだ景色のように、ノスタルジックな音。

そして都会的で洗練されたタイトな音。

DLESSメンバーたちの奏でる豊かなサウンドが、繊細かつ力強くこの作品を締めくくる。

「”愛してる”の意味も

色褪せて枯れた

鮮やかな空がモノクロに見える

二人の季節は想い出へと変わる」──DLESS『刺繍』より

ブレスの混じる歌声が、痛みをより生々しく、近くに感じさせる。

最後はフェードアウトし、残る余韻。

『NUMB』という物語を、静かな喪失感の中で閉じるラストナンバーだ。

まとめ

DLESSの激しさやだけでなく、脆さ、願い、希望まで映し出した1st EP『NUMB』。

リリースを記念し、10月9日の心斎橋JUZAで開催される綾生誕2部制ワンマン「Nihil」を皮切りに、11月10日の大阪主催「Unite」、11月17日の東京主催「Misery」、12月24日の心斎橋CLAPPER公演とライブも続く。

各種音楽配信サービスで『NUMB』を聴き込んだうえで、音源の世界がライブでどう昇華されるのか、ぜひ会場でも体感してほしい。

DLESS
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この記事を書いた人

関西在住。2025年にWEBメディア「ヴィジュアル系百科」を開設。ライブレポ、インタビュー記事などを通して、ヴィジュアル系バンドの魅力を広く伝えている。毎月第一水曜日15時からFMおとくに(86.2MHz)にて放送中のラジオ番組「ヴィジュおん」パーソナリティーを務める。司会、タレントとしても活動中。

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