【V系バンド紹介】My Lonely Vacationとは?楽曲の魅力を解説

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My Lonely Vacationは、関西を拠点に活動するヴィジュアル系バンドだ。

2023年に始動し、2025年の再始動を機にスタイルを大きく進化させた。都会的でエモーショナルなメロディと、攻撃的かつ洗練されたサウンドを掛け合わせた独自の音楽性は、“Neo Visual City Loud”というコンセプトに集約されている。

この記事では、My Lonely Vacationの活動初期から現在に至るまでの進化をたどり、彼らの音楽、ビジュアル、ライブパフォーマンスの魅力を多角的に読み解いていく。

目次

My Lonely Vacation結成と再始動|“Neo Visual City Loud”誕生の軌跡

My Lonely Vacation(マイ・ロンリー・バケーション)は2023年に結成されたバンドだ。

My Lonely Vacationのメンバー
  • Vocal:Takahiro
  • Guitar:Lise
  • Bass:Yu-ga
  • Drums:Rino

当初は“Neo Japanese City Rock Band”として活動を開始し、シティポップの流れを汲む都会的なメロディを特徴としていた。だが、2025年、彼らは“Neo Visual City Loud”を掲げ、より視覚表現とラウドなサウンドを押し出したスタイルで再始動を果たす。

再始動にあたっては、音楽性の進化だけでなく、視覚的な方向性も大きく変化した。従来の洗練されたシティロックに加え、攻撃性とダークな世界観を融合させたことで、ヴィジュアル系としての独自の立ち位置を確立しつつある。

My Lonely Vacation初期の楽曲|爽やかな夏の海とエモーショナルな旋律

結成初期の楽曲群には、夏の海や夕暮れの街を想起させる情景描写が多く見られた。タイトルからして「Kissing Summer」「Seaside Mellow」など、開放感や切なさが入り混じる叙情的なイメージが中心で、バンドの根底にはエモーショナルな美意識が息づいていた。

当時の音像は、柔らかなコード進行とタイトなリズム、そして透明感のあるメロディを軸にしたもので、聴く者を包み込むような優しさがあった。これらの楽曲は、爽快でありながらどこか陰影も帯びており、「都市に生きる感傷」を見事に音に落とし込んでいたと言える。

My Lonely Vacationの現在のスタイル|進化するヴィジュアル表現

メイクと衣装の変遷

2025年の再始動以降、彼らの外見はより明確にヴィジュアル系としての方向性を打ち出している。メンバーそれぞれの個性を引き立てつつ、全体としてはモノトーンを基調とした統一感のあるビジュアルに。

メイクもナチュラルだった頃から一変し、目元や口元にドラマ性を帯びたラインと色彩が加わり、楽曲の世界観を視覚面から補完している。

衣装は、鋲やレザーなどハードな質感を取り入れつつも、線の細いシルエットや装飾的なアクセントで耽美性を損なうことなく構成されている。いわば、洗練された都会的美学と、ヴィジュアル系の非現実的な美意識とが融合したスタイルだ。

サウンド面での進化

再始動後の楽曲は、よりラウドで骨太なサウンドにシフトしている。激しさと美しさが同居する構成はそのままに、ギターリフには重みが加わり、ドラムはダイナミックに、ベースはうねるように楽曲を牽引する。

それでいてメロディラインは一切崩れず、かえって印象的に際立つように設計されている。従来の都会的なコード感を保ちつつ、アグレッシブな音作りを実現した点に、今の彼らの成熟と野心が感じられる。

My Lonely Vacationのパフォーマンス|最新ライブ映像に見る演出

再始動後のライブでは、「Lazurite」が中心曲として据えられている。イントロでは切なげなピアノの旋律が静かに立ち上がり、そこに重厚なバンドサウンドが重なっていく構成は、まるで彼ら自身の再出発を象徴しているかのようだ。

静けさの中に宿る決意、その余韻を切り裂くように、哀愁と情熱を帯びたTakahiroの歌声が差し込む。

ライブ映像では、青を基調とした照明がステージ全体を包み込み、幻想的な空間が演出されており、視覚・聴覚の両面から楽曲のスケール感が伝わってくる。

『Syndrome』『Valentine Kill』では、バンドの攻撃的な側面がより強く押し出されている。

うねるベースラインと歪んだギターが絡み合い、ドラムの疾走感あるリズムが激しく楽曲を牽引する中、Takahiroは時折シャウトを交えながら観客を煽る。

強烈なフラッシュ、ステージを切り裂くような赤いライト。そうした照明演出も、サウンドとシンクロしながら空間全体に緊張感と高揚をもたらしている。

演奏の正確さとパフォーマンスの迫力が高い次元で融合しており、ライブバンドとしての実力がいかんなく発揮されているのが映像からも読み取れる。

まとめ|ライブで体感する、My Lonely Vacationという物語

My Lonely Vacationのライブでは、楽曲が始まれば音の波に身を投げ込み、思いきり暴れることができる。フロアで飛び跳ね、頭を振り、拳を突き上げる高揚感はまさにヴィジュアル系ライブの醍醐味だ。

しかし、彼らの魅力はそれだけでは終わらない。ステージ上でメンバーが見せる表情、仕草。それらが視覚的な刺激として観る者に焼き付く。激しい演奏の中にあっても、どこか静謐な美が同居しているのだ。

暴れるのも、楽しむのも、そして見惚れるのも――すべてが等しく許され、共存する世界。彼らの“Neo Visual City Loud”というスタイルは、感性と衝動を刺激する表現手段として進化し続けている。

その旅路に、今後も目が離せない。

My Lonely Vacation

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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