【V系バンド】蛾と蝶『操リ糸ハ嗤ウ』徹底解説!楽曲の構成・歌詞を考察

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ヴィジュアル系バンド蛾と蝶の最新シングル「操リ糸ハ嗤ウ」は、闇と哀切に彩られた劇的世界観をさらに深化させた一曲だ。

持ち前のダークな美学を一層際立たせつつ、妖しくも叙情的なメロディを絡めたサウンドが光る。

本記事では、「操リ糸ハ嗤ウ」のサウンド、歌詞、アレンジに注目しながら、その魅力を丁寧に解き明かしていこう。

目次

『操リ糸ハ嗤ウ』楽曲構成とサウンドの特徴

本作「操リ糸ハ嗤ウ」は、ミディアムテンポを基調に、重厚さと美しさを両立させたサウンドが展開する。

冒頭から唸るような低音のギターリフと薄暗いシンセが静かな狂気を孕み、リズム隊は有機的なグルーヴで楽曲に生命を吹き込む。

創真(Vo)の妖艶な歌声が低音域から高音域まで伸びやかに響き渡り、サビではメロディアスなフレーズが前面に浮かび上がる。

間奏では零(Gt)と楓(Gt)のツインギターが技巧的なソロと絡み合い、楽曲にドラマ性を付加。

静と動が交錯するダイナミックな展開は圧巻で、表面的な激しさにとどまらない深みを感じさせる。

『操リ糸ハ嗤ウ』歌詞の世界観とメッセージ

歌詞の面でも「操リ糸ハ嗤ウ」は強烈な印象を残す。

作詞はギターの零が手掛けており、冒頭のフレーズから退廃的な夜の情景が目に浮かぶようだ。

赤い口紅で嘘を描き
さぁ愛の押し付け
砕けたライトに滲む涙
届かぬ声が響く間に

 
蛾と蝶『操リ糸ハ嗤ウ』より(作詞:零)

やがて色とりどりの操り糸に心を踊らされ、「嗤え嗤え 喜劇の幕開けに」と嘲笑に彩られた喜劇は、叶わぬ願いの果てに虚しい慟哭へと変貌していく。

物語がクライマックスに達すると、仮面の下に隠された真実が露わになり、救いのない結末へと突き進んでいく。

嗚呼、赤い仮面を脱ぎ捨てて
このワルツで孤独を奏で
罪の雨に溶けていく

 
蛾と蝶『操リ糸ハ嗤ウ』より(作詞:零)

嘘にまみれた愛の劇は最終的に悲劇へと収束し、狂おしいまでの孤独と絶望が美しく表現されているのだ。

『操リ糸ハ嗤ウ』アレンジと楽曲構成

「操リ糸ハ嗤ウ」のアレンジは、歌詞の世界観と見事にシンクロしている。

イントロからアウトロまで途切れることのない緊張感を保ちつつ、各セクションで巧みに緩急をつけているのが特徴だ。

サビ部分では、歌詞に登場する「ワルツ」という言葉の通り三拍子風のリズムを取り入れ、揺蕩うような旋律が耳に残る。

中盤のブリッジでは一転してヘヴィなパートが炸裂し、楽曲に鮮烈なコントラストをもたらす。

緻密に計算されたアレンジによって、物語性と中毒性を兼ね備えた一曲に仕上がっている。

まとめ|闇に舞う糸と仮面、その先に見える未来

「操リ糸ハ嗤ウ」を通して改めて感じるのは、蛾と蝶というバンドの底知れぬ表現力と魔性の魅力だ。

嘘、孤独、狂気――そういったネガティブな要素をこれほど劇的かつ美しく音像化できるバンドは稀有である。

その独特な世界観と楽曲の完成度は、初めて蛾と蝶に触れる人にも強烈なインパクトを残すだろう。

彼らの奏でる闇と光の物語から、今後も目が離せない。

蛾と蝶

オフィシャルサイト:
 https://gatochou.bitfan.id
Instagram:
 @gatochou_official
X(旧Twitter):
 @gatochou

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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