【V系バンド紹介】アルルカンとは?メンバー・ライブの見どころを解説

  • URLをコピーしました!

アルルカン(ΛrlequiΩ)は、激しさと切なさを同時に鳴らす独自の音楽性と、視覚表現にまで及ぶ徹底した美学で知られるヴィジュアル系バンドだ。

2013年の結成以来、嘘のない感情を音に刻み、痛みや孤独さえも美として昇華してきた。

本記事では、アルルカンの音楽的ルーツ、リリックに込められた思想、そしてヴィジュアルとライブ演出に宿る美学をひもとき、その表現の進化を追う。

目次

結成背景と音楽的ルーツ

アルルカン(ΛrlequiΩ)は2013年に結成された日本のヴィジュアル系バンドだ。

アルルカンのメンバー
  • Vocal:暁(あき)
  • Guitar:來堵(くると)
  • Guitar:奈緒(なお)
  • Bass:祥平(しょうへい)

バンド名「アルルカン」はフランス語で道化師(ピエロ)を意味する。

次世代名古屋系」をコンセプトにスタートし、結成当初から「激しさ」と「切なさ」の融合を追求してきた。

インディーズでありながら積極的にメディア露出し、活動開始からわずか1年で渋谷公会堂ワンマンライブを成功させたことは当時大きな注目を浴びた。

独自の音楽性|激しさと切なさの融合

アルルカンの最大の特徴は、荒々しい攻撃性と胸を締め付ける哀愁とが同居するサウンドにある。

音楽的ルーツが各メンバーで異なることも相まって、ジャンルにとらわれない多彩さがバンドの魅力を形づくってきた。

彼らの楽曲には、ヘヴィなラウドロックやメタル的な攻撃性から、ポップスの要素、時に電子音やバラードまで、幅広い音楽要素が混在する。

近年はますます意欲的な音楽的冒険に踏み出しており、新機軸のサウンドにも積極的に挑戦している。

たとえばシングル「怒り」(2020年)では、ストレートで怒涛のヘヴィサウンドを叩きつけ、アルバム『MONSTER』(2022年)では攻撃性を前面に出しながらも緻密なアレンジを聴かせた。

さらに2023年のアルバム『δυσ-τόπος Dystopia』では、疾走感あふれる鋭い楽曲を中心に据えつつ、一曲だけピアノバラード「ねがい」を配置するなど、尖らせた作品世界を展開している。

リリックと世界観の深化

アルルカンの歌詞世界は、人間の内面や社会への鋭い洞察に満ちている。

ボーカル暁が描く言葉は、綺麗事ではない生々しい感情の発露であり、自己の葛藤や弱さ、日常や社会への鬱屈を赤裸々に表現している。

代表曲「ダメ人間」(2017年)では〈僕達、ダメ人間〉と自嘲的に歌いながらも、共感を誘う人間味あふれるメッセージを放つ。

初期の「Eclipse」「ステラ」では漆黒の絶望の中にも一筋の光を求める詩情が漂い、中期の「PARANOIA」(2016年)では狂気と現実逃避をテーマに据えるなど、作品ごとに異なる物語性を帯びている。

近年の「世界の終わりと夜明け前」(2021年)や「消えていくオレンジの空へ」(2024年)といった楽曲タイトルからは、終末と希望、生と死といったスケールの大きなテーマへの踏み込みが見られた。

こうした独自の世界観が、聴き手を物語の登場人物にさせるような深い没入感を与える。

ヴィジュアル面へのこだわりとライブ演出

アルルカンは音だけでなく、視覚的な表現にも強いこだわりを持つバンドだ。

暁(Vo)のトレードマークだった“つの耳”ヘアスタイル(頭上で角のように髪を立てた独創的ヘア)など、そのビジュアルはデビュー当初から強烈な印象を与えてきた。

バンド名に込めた「ピエロ(道化師)の毒々しさ・不思議さ」のイメージ通り、派手さとダークさを併せ持つビジュアルコンセプトを追求している。

過去には「嘘と影-自分を保つ為の2つの顔-」と題したコンセプチュアルワンマンを行い、ステージ上で“赤”と“黒”の二面性を表現する試みもあった。

赤と黒に分けたセットリストや照明演出によって、バンドの持つ二面性(激情と陰影)を視覚化し、ファンに強い印象を残した。

そして最新曲「ARTIST」では、無機質な空間の中でメンバーそれぞれの個性が際立つアートワークを展開。

余白と光を効果的に使ったミニマルな映像表現により、アルルカンという存在そのもの作品として提示するかのような美学を感じさせる。

2025年「言葉の通じぬ獣」から2026年「DAWN」「imagine」へ続く進化

2025年夏、アルルカンは全国ツアー「言葉の通じぬ獣」を開催した。

8月2日の周南LIVE rise SHUNAN(山口県)を皮切りに、9月27日の名古屋Electric LadyLandまで全12公演を実施。

岡、千葉、横浜、埼玉、水戸、盛岡、仙台、神戸、京都、大阪、名古屋と各地を巡り、真夏から初秋にかけて全国を熱狂で包み込んだ。

ライブハウス規模の会場を中心に展開された今回のツアーは、ステージと観客の距離が極めて近く、暁がSNSで「記憶に残る夏を紡ぎましょう」と語っていたように、ファンと共に作り上げた物語として刻まれた。

そして今、アルルカンはすでに次なる展開へと動き出した。

2026年1月からは東名阪ツアー「DAWN」を開催。

3月1日にはEX THEATER ROPPONGIで、自主企画イベント「束の世界 -SONOSEKAI- 2026」を控えている。

この公演では、MUCC、キズ、DEZERT、甘い暴力と共演し、世代と表現を超えた共鳴が期待されている。

さらに4月からは全国26公演のワンマンツアーが始まり、ツアーファイナルは9月6日、Zepp Haneda(TOKYO)で開催予定だ。

おわりに

アルルカンは結成以来、音と言葉、そして視覚による極限の表現を追い求めてきた。

激しさと切なさという相反する感情を同時に鳴らし、痛みすら美しさに変えていくその音楽は、ヴィジュアル系という枠を超えた独自の芸術へと昇華されている。

彼らのライブは、単なる演奏ではない。

怒りや哀しみ、孤独や希望といった人間の内側を剥き出しにし、ステージ全体で一つの物語を描く。

その物語の続きを、この先のステージで見届けてほしい。

彼らの放つエネルギーと、美しくも痛烈な生の証明が、きっとあなたの心に爪痕を残すはずだ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次