
秋の気配が深まり始めた、2026年10月8日。
大阪・心斎橋にあるライブハウス、心斎橋CLAPPERにて、マキナ 東名阪コンセプトワンマン『White out』が開催された。

Vo.星羅、Gt.ヰ瞑うに、Ba.想羽汰、Dr.宮田の4人からなるマキナ。
開演時刻が近づくにつれ、フロアには次第に緊張感が漂い始める。
それまで聞こえていた話し声も少しずつ静まり、ステージへ視線を向けるファンたち。
果たして、この日マキナが描き出す「白」の世界とは、どのようなものなのか。
期待と緊張が入り混じる中、開演の時が迫っていた。
入場〜開演
開演時刻を迎えると、心斎橋CLAPPERに響き始めたのは、哀愁を帯びながらも激しさを孕んだ入場SE。
そしてステージに姿を現した、マキナのメンバーたち。
まるで二次元の世界から抜け出してきたかのような、端正で華やかな容姿。
その美しい佇まいとは裏腹に、ボーカル・星羅がフロアへ向かって荒々しく叫ぶ。
「声聞かせろ、大阪!」
1曲目|白昼夢
イントロが鳴り始めると、ファンたちは一斉に力強く拳を振り上げる。
「こんなにも別れが辛いのなら
出会わなければよかったのかなんて
無意味な自問自答繰り返した
だけどまだ君と見た夢だけは確かにここに」──マキナ『白昼夢』より
星羅が響かせるのは、艶やかで透明感あふれるハイトーンボイス。
先ほどの叫びとは打って変わり、透き通るような高音が、切ない詞世界を鮮やかに描く。
繊細でありながらも芯のあるその歌声は、激しいバンドサウンドの中でも埋もれることがない。
間奏では、ギター・ヰ瞑うにが静かに目を伏せ、落ち着いた佇まいでソロを奏でる。
2曲目|人間アレルギー
上手へ、下手へと激しいモッシュが巻き起こる。
「信じろなんて 今更ねえ?
情が不浄か 斑に咲いた
人間アレルギー」──マキナ『人間アレルギー』より
緩急自在なバンドサウンドに身を委ね、ファンたちは拳ヘドバン。
ドラム・宮田のバスドラムの重低音は凄まじく、腹の底まで響くような一打が、楽曲の勢いを一気に加速させる。

「もう汚れすぎた心では
全部嫌になっちゃった
独りになりたいはずなのに」──マキナ『人間アレルギー』より
凶暴なサウンドの中心で、孤独や哀しみを滲ませながら歌う星羅。
ベース・想羽汰は髪を振り乱しながら、表情豊かに低音を響かせる。
3曲目|幽霊少女
「顔を隠し 揃えた前髪との隙間に
霞んだ世界を覗けば
独りぼっちの虚しさがよく沁みて
痛い痛い痛い」──マキナ『幽霊少女』より
星羅は抑揚をつけながら、一言一言を噛み締めるように歌い上げる。
ファンたちが勢いよく身体を折り曲げ、髪を振り乱す姿がフロアいっぱいに広がる。
上手から下手へ、そしてフロアの前方から後方へと、観客一人一人の姿を確かめるように視線を巡らせた。
曲を終えると、星羅がフロアへ向かって告げる。
「どうもありがとう!」
その言葉に、観客たちから温かな拍手が送られた。
MC
「マキナです、よろしくお願いします!」
激しい演奏から一転、穏やかな口調で挨拶をする星羅。
「ホワイトアウト大阪編、ご来場ありがとうございます。
今、この場所を選んでくれたあなたと、特別な時間を過ごせるようにやっていきたいと思います!」
真っ直ぐな言葉からは、観客たちとステージを共に創り上げようとする想いが感じられた。
そして、星羅は再び力強い声を張り上げる。
「じゃあ、初っ端から飛ばしていくぞ!!」
4曲目|禁断ショコラ
「大きな声をここまで聞かせろ!」
星羅の煽りに応じて、ますます大きくなる声。
想羽汰もファンたちと共に声を上げ、ヰ瞑うには舌を出して茶目っ気たっぷりの表情を見せる。
「覚めない現実にlose
孤独から逃げ 手を染めました」──マキナ『禁断ショコラ』より
星羅はクールで艶やかな声から、どこかあどけなさを感じさせる歌声まで、自在に使い分けていく。
「灰になったって生まれ変わって
可愛い君を味わいたい」──マキナ『禁断ショコラ』より
サビではファンたちが両手をくるくると回し、頭上でハートを作る。
しかし、甘美な空気は突如として一変。
凄まじい勢いで押し寄せる、ヘヴィなバンドサウンドが牙を剥く。
5曲目|ねえ、僕が
宮田の重厚なキックを土台に、次々と表情を変えていくサウンド。
「相思相愛 妄想劇
頭がぐちゃぐちゃ掻き混ざる
可愛いよ 愛しいよ 僕だけのシンデレラ」──マキナ『ねえ、僕が』より
硬質で歯切れのよい想羽汰のベースソロが耳を惹く。

そして3拍子へと移り変わるパートでは、色とりどりの照明がステージを華やかに彩った。
ヰ瞑うにのギターソロは、深く歪みながらも広がりのある音色で、どこか儚げな響き。
そして楽器隊の轟音が和らぐと、潤みを帯びた星羅の歌声が涙を誘う。
6曲目|Period
目まぐるしい展開から一転、ゆったりとしたミドルテンポのバラードへ。
4人それぞれの音が際立つ、広がりのあるアンサンブル。
激しく頭を振り、拳を突き上げていたファンたちも動きを止め、静かにステージへと聴き入る。
「色褪せて眠る空
涙は枯れたかい?」──マキナ『Period』より
星羅が伸びやかに歌い上げるサビでは、まるで大きなホールで演奏しているかのような、壮大な音の世界が広がっていく。

「与えられた僅かな時間で
伝えるのに言葉じゃ
届かないから」──マキナ『Period』より
ヰ瞑うにもギターを奏でながら、歌詞をそっと口ずさむ姿も。
7曲目|white loop
想羽汰のベースに合わせ、ファンたちが元気よくジャンプ。
両手を大きく広げて咲く姿がフロアいっぱいに広がり、空気が再び華やいでいく。
「これは毒じゃないの、僕ら助かる魔法なの
だけどそうじゃない事知ってるよ」──マキナ『white loop』より
星羅はフロアへ真っ直ぐに視線を向け、訴えかけるように歌う。
その背後では、ヰ瞑うにのギターが次々と音色を変化させ、複雑に揺れ動いた。

「くらくらくらくら 甘い蜜は罰の味
きらきらきらきら 全部嘘でも愛してね」──マキナ『white loop』より
やがて、不安定に揺らぐテンポのSEが流れ始める。
「大阪!やれるか!!」
星羅の鋭い煽りが飛び、CLAPPERの空気が再び張り詰めていった。
8曲目|愛噛ユーフォリア
再び激烈なバンドサウンドが襲いかかる。
4人の息がぴったりと合った、凄まじい音圧。
「ねえもっともっと甘い甘い
溶けちゃうような夢を見せてよ」──マキナ『愛噛ユーフォリア』より
そんな重厚な楽器隊にも一歩も引けを取らない、星羅の歌声が際立つ。
「祈れ大阪!」
星羅が叫ぶと、ファンたちは両手を組み、祈りを捧げるような姿勢のまま激しく折りたたみヘドバン。
想羽汰のベースは、まるで心の浮き沈みをなぞるかのように、うねりながら音を紡いでいく。

9曲目|スーサイドスキップ
「剥き出し痛みを遮断 ねえteacher
存在価値測る鳥籠」──マキナ『スーサイドスキップ』より
ファンたちが両手の中指を高く突き立て、挑発的な歌詞に呼応するような振り付け。
ステージ上では、想羽汰も激しく身体を折りたたみながらベースを掻き鳴らす。
その音色は、まるで鋭い牙を剥き出しにして噛みつくかのよう。
「最低なんだ何もかも
最初から全部溺れそうで
ゴミ箱の中みたいな世界」──マキナ『スーサイドスキップ』より
星羅が力強く歌声を張り上げ、凄まじいスタミナでステージを牽引していく。

間奏では、ヰ瞑うにのギターソロが炸裂。
荒削りな質感を残した、刺々しいフレーズを奏でる。
ステージを染め上げる、鮮烈な赤色の光の中で、メンバーたちの白い衣装がくっきりと浮かび上がった。
『White out』というコンセプトのもと、マキナの持つ凶暴さと美しさが露わになっていた。
そして星羅が、フロアへ向かって叫ぶ。
「ラスト、一緒にぶっ潰れてくれるか!」
10曲目|DADADAMARE
星羅の威勢のよい煽りから、本編ラストへ。
ファンたちは上手へ、下手へと激しくモッシュ。
CLAPPERは再び熱狂の渦に包まれる。
「あーあーうっせえな
耳障りだ 全然ノーセンキュー
あーあーうっせえな
いいから今すぐ黙れ」──マキナ『DADADAMARE』より
星羅が大きく身を乗り出し、フロアへ言葉を叩きつけるように歌う。
その挑発的な姿に呼応するように、ヰ瞑うにと想羽汰もステージ上を縦横無尽に移動。

「ほっといてくれよ いいから
ほっといてくれよ いいから
誰の人生 誰のもんだ
お前はお呼びじゃない」──マキナ『DADADAMARE』より
ファンたちは拳を高く掲げ、勢いよくジャンプ。
宮田の歯切れのよいスネアに合わせ、無数の拳がリズミカルに振り上げられた。
「マキナでした、どうもありがとう!!」
星羅が感謝の言葉を告げると、フロアからは大きな拍手が巻き起こる。
演奏を終えたステージには、深く歪んだギターの音が、叫び声のような余韻を残す。
一瞬たりとも飽きさせることのない、濃密な本編が幕を閉じた。
アンコール|MC
本編を終えても、ファンたちの熱は冷めやらない。
アンコールを求める声がCLAPPERに響く中、突如としてギターの音が鳴り響く。
再び姿を現したマキナのメンバーたち。
まずはギター・ヰ瞑うにが口を開く。
「アンコールありがとうございます!
白いやつワンマンでーす。どうですかー? かっこいい? 可愛い?」
先ほどまでの激烈なステージとは打って変わり、和やかな雰囲気でMCが始まる。
「東京ずっと雨だったけど、大阪晴れてて嬉しい!」
と喜ぶヰ瞑うに。
すると想羽汰も、
「遠征してるけど、どこ行っても降ってたよ。」
と振り返る。
「俺ら雨男なんだよ(笑)」
どうやら、マキナの遠征には雨がつきものらしい。
そして話題は、前日の大阪での過ごし方へ。
「昨日、自分の気にいる焼肉屋の看板探して、めっちゃ歩いちゃった(笑)
ミノとハラミ、小ライス、ウーロン茶でフィニッシュ!」
と、ヰ瞑うにはこだわりの焼肉事情を披露。
一方、想羽汰は大阪へ向かう車中で、渋滞に巻き込まれながら考えていたことを明かす。
「車でくる時に道が混んでて、
『日本って野生動物何種類くらいいるんやろう?』って考えてた。」
するとヰ瞑うにが、
「大阪固有の動物っているの?」
と問いかける。
あまりに唐突な質問に、困惑するファンたち。
果たして、大阪固有の動物は存在するのだろうか。
そんな自由奔放なやり取りが続いたところで、星羅も改めて挨拶する。
「アンコールありがとうございます!
マキナ始まって1年ちょっとで、大阪で2回食中毒になったんだよね(笑)」
まさかの告白に、話題は再び大阪での思い出へ。
「嫌いになりそうだった。
でも、今日のライブ楽しくて、また大好きメーター戻りました!
ありがとう!」
思わぬ災難に見舞われながらも、この日のライブで大阪への愛情を取り戻したという星羅の言葉に、フロアからは拍手が送られた。
そして話題は、今後のマキナの活動へ。
「来月も黒い方のワンマンありますんで、よろしくお願いします!」
『White out』に続いて開催される、もうひとつのコンセプトワンマン。
「黒の方は、黒っぽい曲やりたいね!
この1ヶ月ちゃんと考えるんで、期待して来てくれよな!」
白と黒、それぞれ異なるコンセプトでどのようなステージを見せるのか、次回公演への期待も膨らむ。
さらに、
「今まで無料ワンマンずっとやってきたんですけど、来年からはやらなくなるかもしれないから。黒白、遊びに来てください!」
と、ファンたちへ呼びかけた。
ここで、ドラム・宮田が口を開く。
「新たな試み、やっていいですかみなさん!」

「やれるか!」
星羅が煽ると、ファンたちから大きな声が返ってくる。
そして宮田のドラムソロへ。
力強いドラミングに加え、宮田自身も大きな声を上げ、ファンたちとの掛け合いを繰り広げる。
すると突然、星羅が、
「ちいかわ! ちいかわ!」
と叫び始める。
それに応じて宮田も、
「わァ……わァ……わァ……わァ……」
と、まさかの『ちいかわ』風の掛け声。
先ほどまでの迫力あるドラムソロからは想像もつかない展開に、フロアから笑いが起こる。
しかし、ここから再び空気が一変。
「女捨ててこいよ! カモン!」
星羅の煽りに合わせ、宮田のドラミングも次第に激しさを増していく。
「いくぞ大阪!」
その叫びを合図に、いよいよアンコールが幕を開ける。
アンコール1曲目|くびきりげんまん
再び激しいバンドサウンドがCLAPPERを揺さぶり、ファンたちは勢いよく上手へ、下手へとモッシュ。
ヰ瞑うにが拳を高く掲げると、その煽りに応え、元気よく拳を振り上げる観客たち。
「この恨み晴らさでおくべきか
ありがとう 生き甲斐をくれて」──マキナ『くびきりげんまん』より
どこか不穏さを感じさせる歌詞に重なる、重厚なバンドサウンド。
とりわけ想羽汰のベースは、胸を直接打つような深い音を響かせる。
アンコール2曲目|ザラザラ
「くすぐったいよ
シラフのままじゃ
綴れないから
乱してよ
僕の手のひらで」──マキナ『ザラザラ』より
星羅の歌声が伸びやかに響く。
軽快なサウンドがCLAPPERを彩っていくが、爽やかなままでは終わらせない。
突如として曲調が変わり、重く不穏な音が押し寄せ、二面性を一層鮮烈に描いた。
間奏では、想羽汰がお立ち台へと上がり、ベースソロを披露。
乾いた質感のサウンドが、小気味よく弾ける。
そして、鋭く引き締まった宮田のドラムには無駄がない。
星羅がフロアへ呼びかける。
「ラスト、ホワイトアウト!
真っ白になってもらうぞ、いいか?」
いよいよ『White out』はクライマックスへ。
アンコール3曲目|Rabbit Hole
「頭の中を真っ白にして!!」
星羅の叫びと共に、ヘヴィでありながらもダンサブルなバンドサウンドが炸裂。
重厚なリズムに身を委ね、楽しげに身体を揺らすファンたち。
本編から激しいヘドバンやモッシュを繰り返してきたにもかかわらず、最後までその勢いは衰えない。
「Rabbit Hole
夢見る少女は幻」──マキナ『Rabbit Hole』より
間奏では、ヰ瞑うにがギターソロを披露。
どこか儚げな雰囲気を漂わせながらも、確かな技巧でフレーズを奏で、弾き終えるとフロアへ向かってぺこりとお辞儀。
「大阪! バンギャ!」
星羅が力いっぱい叫ぶ。
その声に応えるように、ファンたちも最後の力を振り絞り、熱い声をステージへ届けた。
そして、4人の息の合った演奏が「Rabbit Hole」を締め括る。
「また来月よろしくお願いします。
マキナでした!!」
星羅が改めて感謝を伝えると、CLAPPERには大きなメンバーコールが響き渡った。
メンバー4人は全員ステージ前方へ。
フロアの一人一人と目を合わせるように、じっくりと観客たちを見渡す。
さまざまな表情を見せたマキナの東名阪コンセプトワンマン『White out』は、熱い余韻を残して幕を閉じた。
まとめ

純白の衣装を身にまとい、まるで二次元の世界から飛び出してきたかのような華やかなルックスのマキナ。
しかし、その佇まいからは想像もつかないほど、彼らのサウンドは重厚だ。
2026年11月25日(水)には、心斎橋CLAPPERにて東名阪コンセプトワンマン『Black out』が開催される。
『White out』とは対照的なテーマで、今度はどのような景色を描くのか。
美しく、そして残酷なマキナの「黒」の世界に、ぜひ足を踏み入れてみてほしい。
レポート:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子
Instagram:@machina87_official
