umbrella 16周年記念ワンマン【超アマヤドリ】OSAKA MUSE公演 ライブレポート

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2026年3月13日。

春の気配が滲みはじめた夜、心斎橋にあるOSAKA MUSEにて、umbrellaの結成16周年を記念したワンマンライブ「超アマヤドリ」が開催された。

umbrella 16周年記念ワンマン「超アマヤドリ」OSAKA MUSE公演 ライブレポート

フロアに足を踏み入れると、後方まで多くの観客たち。

どこか落ち着いた空気が漂っているのは、このバンドと長く時間を共にしてきたファン“傘人”だからだろう。

中に大きく「16」とプリントされた、記念グッズの黒パーカーを身に纏う姿も多くみられた。

目次

1曲目「軽薄ナヒト」→2曲目「リビドー」→3曲目「五月雨」

場内が暗転する。

歓声よりも先に広がったのは、拍手だった。

そしてメンバーが一人ずつステージに現れるたび、名前を呼ぶ声が飛ぶ。

ストリングスのイントロが静かに流れ出し、そこに重なるのは、囁くように柔らかいの歌声。

ボブヘアに中性的なメイク。

比較的カジュアルな装いのメンバーの中で、足首まで隠れるロングワンピースがひときわ目を引く。

アンニュイで、どこか湿度を含んだ空気の中、「軽薄ナヒト」が幕を開けた。

サビに入ると一気にバンドサウンドが押し寄せる。

繊細さの中に潜んでいた力強さが輪郭を持ち、フロアの意識を一気に引き込んだ。

続く「リビドー」では空気が一変。

仄暗い色気から、より濃度の高い“暗さ”と“激しさ”へ。

ベース・の音は、どこかイタズラっぽく笑うようなニュアンスを含みながらも、楽曲の芯を確実に支えている。

ナチュラルなメイクにロングヘア。

ワイルドさを感じさせる佇まいとは裏腹に、そのプレイは緻密で、時に鋭く心臓に刺さる。

長いネックのベースが振り下ろされるたび、その軌道はまるで刀のようにも見えた。

3曲目「五月雨」。

キャッチーで耳馴染みの良い展開の中に、切なさが差し込まれる。

サビでは、唯の歌声がまるで泣いているかのように揺れる。

4曲目「傘はいらない。」→5曲目「anima」→6曲目「管」

五月雨」から続く流れのまま、4曲目「傘はいらない。」へ。

バンド名とも重なる、雨や傘にまつわる2曲が続く。

愛する人とともに、苦しみさえ通り雨のようなものとして受け止め、凌いでいく。

そんな切なくもどこかあたたかい物語が、力強くも優しいサウンドに乗ってフロアに染み渡った。

続く「anima」。

ピッチカートの音色に、電話のツーツー音のような無機質な響きが重なり、そこへドラムが静かに積み上がっていく。

将のドラムはしっかりとした芯のある音でありながら、重たくなりすぎない。

軽やかさと柔らかさを残したまま、楽曲の奥行きを作り出していく。

そして6曲目「」では空気が一度深く沈む。

幾重に重ねた生命の回路図は
限りある数え歌 奏でる心音
愛とは不思議です 一つになれる事
か弱く静かに【管】を繋ぐでしょう

umbrella「管」より

“繋ぐ”という行為。

人と人、バンドと観客。

この場にある様々な関係性に重なっていく。

7曲目「群」→8曲目「Frontier」→9曲目「非『情』階段」→10曲目「orbit」

7曲目「」へ。

一音目のギターで空気が変わる。

のリフは低く重く、ヘヴィな質感でフロアを一気に引き締める。

それに対して唯は、地の底から響くような低い声域で応える。

続く「Frontier」では、身体を揺らすようなダンサブルなリズムへ。

9曲目「非『情』階段」は、普段のライブではなかなか聴く機会の少ないレア曲で、傘人たちも一音一音を確かめるように受け取る。

そして10曲目「orbit」。

アップテンポで疾走感のある展開の中、かけがえのない命に気付かされる、メッセージ性の高い一曲だ。

11曲目「dilemma」→12曲目「レッドシグナルデイ」→13曲目「レヴ」→14曲目「HALO」

11曲目「dilemma」イントロのギターリフは、軽やかでオルタナティブロックを感じさせるサウンド。

ここまでの流れに新しい質感を加えていく。

続く「レッドシグナルデイ」では、フロアの空気が一気に張り詰めた。

鮮烈な赤の照明が、視覚的にも不穏さを強め、楽曲の持つ緊張感がそのまま空間に広がる。

そして13曲目「レヴ」。

直前の緊張感を一気に引きずり込み、フロアは激しいヘドバンへ。

曲終わり、唯が叫ぶ。

「全員で来い!」

続く14曲目「HALO」で、フロア全体がジャンプで応え、一体感と共に自然と笑顔が広がっていった。

MC→15曲目「アラン」

ここでMC。

「16歳になりました、umbrellaです」

先ほどまでの迫力ある歌声とは裏腹に穏やかな、唯の声。

続いて春が、周年ワンマンについて触れる。

「普段のライブとはちょっと違うセットリストになるんやけど…」

これまで積み重ねてきた楽曲は、すでに70〜80曲ほど。

その中から選ばれているという事実だけでも、この日のセトリに込められた意味が見えてくる。

「この曲やってほしいって言われて、“あ、そういえば”ってなることもあるよね」

ファンの言葉によって思い出される曲があるという話からは、バンドと傘人の関係性の近さが自然と滲んだ。

柊は空気を少し崩すように話す。

「そういえば、将のお父さんからお小遣いもらったんよ。16周年にして初めてメンバーの親からお金もらったわ」

まさかのエピソードに、傘人たちからも笑いが起き、フロアに穏やかで温かい時間が流れた。

そして本編最後を飾る「アラン」へ。

唯がタクトを高く振り、シンガロングが広がる。

開放感あふれるいきいきとした音の中、本編は幕を閉じた。

アンコール

アンコールで再びステージに現れたメンバーたち。

ステージに出てくるなり、

「声、すごいね!ライブのたびに大きくなってる」

と、驚きつつも嬉しそうにフロアを見渡す。

「さっきの声の大きさで呼んでみてよ!いくよ?」

と唯が促すと、

「唯ー!!」フロアから一斉に名前が響く。

「おお〜!もう一回!」

そのやり取りをきっかけに、メンバー一人ひとりの名前が呼ばれていく。

思わず笑みが溢れるやり取り。

会場全体がにぎやかな空気に包まれた。

ここで唯から告げられる。

「Xでもポストしたけど、お知らせがあります。良いお知らせです!」

2026年6月23日、BIG CATでの主催公演「路地裏サーチライト」の開催が発表された。

ドラムロールが鳴り、ひとつずつ対バン相手の名前が呼ばれていく。

ザアザア、メリー、有村竜太朗。

発表のたびに、フロアからは大きな歓声が上がる。

親交の深いアーティストが一堂に会し、それぞれの世界がぶつかり合い混ざり合う、濃密な夜になりそうだ。

その熱気のまま、アンコール1曲目「夕立」へ。

夕暮れの帰り道が目に浮かぶ、ノスタルジックな空気。

本編の余韻を引き継ぎながら、どこか静かな時間が流れていく。

続く「」では穏やかな流れを保ちながらもテンポを上げ、フロアの空気を整えていくような展開。

そして「アメイジング」では一転して激しく、狂うようなサウンド。

フロアの熱が一気に引き上げられていく。

ラストは「Witch?」。

サビでは唯がステージ上でくるくると回る。

そのたびにロングワンピースの裾が大きく広がり、まるで傘が回っているかのよう。

声はややかすれながらも、最後までそのままの熱量で響き続ける。

ベースの春は激しく頭を縦に振り、身体ごと音に乗る。

ステージとフロアの熱が噛み合いながら、この日の終わりへと一気に駆け抜けていった。

まとめ|傘人たちとともに、17年目へ

16周年という節目のこの公演を、傘人たちの大きな歓声に包まれながら見事に成功させたumbrella

長い時間を丁寧に重ねてきたバンドらしく、演奏の安定感や精度の高さはいうまでもない。

そのうえで強く印象に残るのは、柔らかさと鋭さが交互に訪れる構成だ。

静かに沈み込むような展開から、鋭く突き刺さるような音へ。

そしてまたほどけるようにやわらいでいく。

その流れが、寄せては返す波のように繰り返されることで、最後まで引き込まれ続ける。

この先、何を歌い、奏で、どんな景色を見せてくれるのか。

umbrellaがこれから描いていく世界を、傘人たちと共に見届けていきたい。

umbrella

公式サイト:https://xxumbrellaxx.com

X:@umbrella_DATA

Instagram:@umbrella_official_

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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