【インタビュー】モザヰクとは|関西はまだ終わっていない。唯一無二のヴィジュアル系ミクスチャーロックバンドが挑む未来

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関西ヴィジュアル系シーンで独自の存在感を放つ、モザヰク。

ハイトーンボイス、ラップ、シャウトを自在に行き来するボーカルワークに、ブラックミュージックやロックを取り入れたミクスチャーサウンド。

そして人の心の奥にある感情を切り取ったリアルな歌詞が特徴だ。

2026年8月12日・13日には、自ら企画・主催する大型イベント「関西集結」の開催も控えている。

今回はメンバー4人に、モザヰク結成の経緯や楽曲制作のこだわり、ライブへの想い、そして目指す未来について話を聞いた。

目次

モザヰクとは|辛辣な歌詞で幅広い楽曲をやっている、唯一無二のヴィジュアル系ミクスチャーロックバンド

——モザヰクとは、どんなバンドなのでしょう。初めて知る方に向けて教えてください。

アスカ:辛辣な歌詞で、幅広い楽曲をやっている唯一無二のヴィジュアル系ミクスチャーロックバンドです。

——完成されたキャッチコピーですね。

アスカ:今考えました(笑)。

——「辛辣な歌詞」という言葉が印象的ですが、そこにはどんな意味があるのでしょう。

アスカ:例えば汚い言葉やったり、誰にも見せへん感情やったり。僕自身もうまくいかないこととかいっぱいあったんで、そういう部分を歌詞にすることが多いです。多分そういう人って結構いると思うんですよ。

——確かにモザヰクさんの歌詞からは、「暗い」「病んでいる」といった言葉だけでは言い表せない、もっと生々しいものを感じます。また、幅広い楽曲をやっているとのことですが、楽曲制作はアスカさんとしょーごさんが中心なんですよね。

アスカ:はい。僕としょーごで作っています。僕はブラックミュージックが好きなので、その影響は結構ありますね。

曲作りはサビのメロディーから作ることが多いです。サビが決まらなかったら、多分その曲は表に出ないです。

——しょーごさんは曲作りでどのようなことを意識していますか。

犬飼しょーご:僕が意識するのはライブですね。サビはキャッチーにして、その後はお客さんをどう動かすかを考えます。

——例えばAメロは手拍子で、Bメロは折りたたみで、みたいな。

犬飼しょーご:そうですね。

アスカ:しょーごの曲はデモの段階で「あ、ここ頭振らせたいんやな」とか「ここ折りたたみやな」とか分かるんですよ。逆に僕が作る曲はリズムがちょっと歪だったりするので、「ここジャンプさせた方がいいかな」とか、しょーごに相談することもあります。

だからライブのノリに関しては、もしかしたらしょーごが作ってると言っても過言じゃないかもしれないです。

——お二人が作った曲に対して、一朗さんや将什さんがアレンジを加えたりすることもあるのですか。

一朗:曲自体は変えないですね。ドラムのフレーズは一応コピーするんですけど、ライブでは基本変えます。「こっちの方がライブっぽいな」とか、「こっちの方が歌いやすいんちゃうかな」とか。

そもそも僕、ライブで毎回同じもの叩いてないんで。同じ曲でも、その日のテンションで変わります。

——面白いですね。ツアーを追いかけているファンの方からすると、「今日ちょっと違うな」みたいなこともあるんですか。

一朗:気付く人は気付くし、気付かない人は気付かないです(笑)。

——それもライブの楽しみですね。将什さんはどうですか。

将什:僕は大きく変えることはあまりないですね。結構デモの段階で完成された楽曲が上がってくることが多いんですよ。それを崩したくないんです。やっぱり作曲者がイメージしているものがあると思うし。

ライブやとパフォーマンスもあるので、「この音は別に必要ないかな」とか、そういう部分は考えていますね。

唯一無二の理由|ハイトーン、ラップ、シャウト、そして“裏アカのつぶやき”

——最初にお話しいただいた「唯一無二」という言葉も気になっています。具体的にはどういうことなのでしょうか。

アスカ:例えばなんですけど、ヴィジュアル系ってハイトーンボイスのバンドは結構多いと思うんですよ。でも、そういうハイトーンボイスでラップやシャウトを曲中に織り交ぜながらやるバンドって、あんまりいないイメージなんです。

僕の場合はラップもするし、シャウトもするし、サビではクリーンのハイトーンで歌うし。

——かなり絞られますね。

アスカ:はい。あと歌詞も、いわゆる「病み全振り」ではないんですよ。もっと現実的というか。女性目線の歌詞が多くて、いわゆる悪口日記というか、裏アカのつぶやきというか(笑)。

そういう歌詞とボーカルスタイルがあって、さらにミクスチャーロックのサウンドがあって。そこまで絞っていったら、もうモザヰクしかおらんやろって。

——確かに、本当に唯一無二だと思います。そこがモザヰクの大きな魅力ですね。

アスカ:ありがとうございます。

Vocal:アスカ

YouTuberから始まったモザヰク|ロックバンドを経てヴィジュアル系へ

——では少し時間を遡りまして、モザヰク結成の経緯や今の体制に至るまでを教えていただけますか。

アスカ:当初は僕ら、バンドじゃなくてYouTuberやったんですよ。

——えっ、そうなんですか。

アスカ:そうなんです(笑)。ちょうどコロナの時期と重なっていて、ライブハウスで音楽をするのが難しかったんで。

でも音楽はやりたいなという話になって、コピー動画を出したり、音楽系YouTuberみたいな感じで活動してました。

——どんな動画を出されていたんですか。

アスカ:コナンの主題歌のマッシュアップをやったり、Janne Da ArcとAcid Black Cherryを混ぜたり。本当にいろいろですね。

メイクもしてなかったですし。サラリーマンが着るようなスーツ着て、「社会人バンドです」みたいな感じでした。

——今のモザヰクからは想像つかないですね。

アスカ:全然違いますね(笑)。

それでコロナが落ち着いてきた頃に、「バンドやってみいひん?」って犬飼と一朗に声を掛けたんです。そこからロックバンドとして活動を始めました。

——その頃からオリジナル曲もやっていたんですか。

アスカ:やってました。『ザ・パニック』とか『猿』は、その頃からある曲ですね。

——じゃあ今もライブで聴ける曲が当時から残っているんですね。

アスカ:そうですね、逆にやってない曲もありますけど。

武道館ぐらいでできるようになったら熱いですよね(笑)。

——それは昔から応援しているファンの方が泣きますね…。ロックバンド時代と今では、お客さん層も違いますか。

アスカ:違いますね。ロックの頃は男のお客さんも結構いて。

僕、おじさんのファンに「兄貴!」って言われたことあります(笑)。熱い歌詞とか書いてたし、熱いこといっぱい言ってたからですかね。

——ロックバンドからヴィジュアル系に転向した理由についても教えてください。何かきっかけがあったのでしょうか。

アスカ:個人的には、表現者としてヴィジュアル系の方が合うなっていう感覚があったんです。

昔ヴィジュアル系をやっていたこともあったので、どういうカルチャーかは分かっていたんですけど、ロックバンドとして活動するのは初めてで。ずっと探り探りやってたんですよね。

ロックバンド時代もヴィジュアル系イベントに出させてもらうことがあったんですけど、それで改めて感じたのが、「やっぱり自分がライブでやりたいことはこっちやな」っていうことでした。

——それはどういう部分で感じたのですか。

アスカ:例えばロックって、盛り上げるにしても「みんな楽しんでいこうぜ」みたいな空気があるんです。でも僕、ライブになるとそうならないんですよ(笑)。「かかってこいよ」になっちゃうんです。ロックでそれやると、ちょっと引かれるんですよね。「なんでこの人怒ってんねん」みたいな。

でもヴィジュアル系やったら、「かかってこいよ!」って言えば暴れてくれるじゃないですか。「あ、やっぱここやな」って思いました。それでメンバーに「やっぱりヴィジュアル系でやりたい」って話をしたんです。

——そこから少し活動を止められたんですよね。

アスカ:そうですね、数ヶ月だけ活動休止して。

その間、僕は「無修正」っていうソロをヴィジュアル系でやってたんです。そのサポートを将什にお願いしていて。そこからモザヰクをヴィジュアル系として再始動する時に、将什にも加入してもらいました。

バンド名もローマ字表記からカタカナ表記に変わりましたね。

「お前にしか頼まれへん」「アスカくんじゃなかったらバンドやってない」|メンバーが集まった理由

——将什さんは、ソロサポートから正式加入することになった時、どういう気持ちだったのですか。

将什:実は、そのソロ活動自体が期間限定で決まってたんですよ。加入を前提にサポートするっていう内容やったんです。元々、アスカくんからいろいろ話を聞いていて。

本格的にヴィジュアル系バンドとしてやっていきたいっていう話になった時に、「お前にしか頼まれへんのや」って言われたんです。

——熱いですね!アスカさんは、なぜ将什さんだったんでしょうか。

アスカ:最初に出会った時から「めっちゃイケてるヴィジュアル系ベーシストおるやん」って思ったんですよ。

もちろんライブ映像とかも見てたんですけど、バンドって実際にやってみないと分からないじゃないですか。相性とかバランスとか。だからソロ活動を一緒にやってみたんです。

僕あんまり衣装の提案とかするタイプじゃないんですけど、「俺は赤使いたいと思ってるんやけど、将什やったらどうする?」みたいな話もして。最初から一緒に組み立てていったんですよね。

その中で周りからも「相性いいですね」って言われてたし、自分でもそう思ったので、じゃあもうこのまま一緒にやろうと。

——実際にやってみて確信に変わったのですね。しょーごさんや一朗さんには、アスカさんからどのように声を掛けられたのでしょうか。

アスカ:僕からしたらシンプルに仲が良かったんですよ。

コロナ前にも一緒に何かやろうとしてたことがあったし、一朗にはサポートしてもらってたし、しょーごにも手伝ってもらってたし。ずっとつるんでるメンバーやったんで。

犬飼しょーご:僕はモザヰクの前にもアスカくんと一緒にやってたんですけど。

僕、歌詞とかメロディーは作らないんですよ。けど、デモを上げた時に、自分が思っているイメージ通りのメロディーと歌詞を入れてくれるんです。だから相性がいいなと思ってました。

Gt.犬飼しょーご

——かなり信頼されていたんですね。

犬飼しょーご:そうですね。アスカくんがやるんやったら僕もやる、という気持ちでした。

正直、アスカくんじゃなかったら今バンドやってないと思います。

アスカ:めちゃ泣けるやん(笑)。

——めちゃくちゃいい話ですね。一朗さんはどうでしたか。

一朗:僕はもっとシンプルですね。昔、一緒に2年くらいやってたんで。どういう人間かも知ってるし、歌唱力も知ってるし、バンドに対する思いも知ってる。

全部知ってたんで、「じゃあやるか」っていう感じです。

——築いてきた信頼が前提にあったんですね。

一朗:そうですね。

「激しく、美しく」|アスカが語るモザヰクのライブ哲学

——ライブで意識していることについても教えてください。先ほども曲作りのお話でライブというキーワードがたくさん出ていましたが、皆さんそれぞれこだわりもあると思います。

アスカ:僕は主に感情と表現のミックスですね。激しくいくところはアグレッシブにいくし、時には美しく見せる。

あと何よりも、僕らだけじゃなくてオーディエンスとの一体感を作ることを大事にしています。

——一体感ですか。

アスカ:はい。最終的に『猿』っていう曲をやるんですけど、そこで毎回ライブが完成するイメージなんですよ。今のところ、ほぼ全公演最後が『猿』なんじゃないかな。

僕の中では、『猿』で一体になれたら「今日は良いライブやったな」って思えるんです。

——ライブ全体を組み立てていって、最後に『猿』で完成させる。そういう曲を持っているのは強いですね。

アスカ:そうですね。『猿』に向かってライブを作っている感覚はあります。こっちから見てても、「やっと猿やん」って思ってる人もいれば、「もう猿かよ」って思ってる人もいて(笑)。

でも最後に一体になれてたら、僕はもう満足ですね。

——音楽性としてはミクスチャーロックで、ブラックミュージックなどの要素もありますが、「激しく、美しく」という考え方はすごくヴィジュアル系らしいですね。

楽しんでないと伝わらない|将什が見るライブの景色

——将什さんはライブで意識していることはありますか。

将什:基本的に楽しむことですね。笑顔になっちゃいけない曲で笑顔になったりもするし、良くないかもしれないですけどんですけど(笑)。

でも僕らが楽しんでなかったら、お客さんも楽しめないと思うんですよ。だからまずは自分が楽しむ。それは結構大事にしてます。

Ba.将什

——ライブ中、すごく余裕のある表情をされている印象があったんですが。

将什:余裕じゃないです。ただ楽しんでるだけです(笑)。

あと、興味を持ってくれている人はちゃんと見るようにしてます。照明で全然見えない日もあるんですけど、見える日は後ろまで見ます。例えば全然動いてなくても、表情とか、ちょっと体が揺れてるとか。「あ、この人好きなんちゃうかな」って分かる時があるんですよ。

そういう人を見つけながらライブしてます。

——すごい観察力ですね。

将什:結構見てます(笑)。

お客さんが楽しむのが一番|犬飼しょーごのライブ観

——しょーごさんはいかがですか。

犬飼しょーご:僕はやっぱり、お客さんが楽しいのが一番ですね。お金を払って来てくれてるので。それが一番大事かなと思ってます。

——曲作りの時からお客さんのことを考えているとおっしゃっていましたもんね。

犬飼しょーご:そうですね。

あと、将什が言ったみたいに、初めて見て興味を持ってくれてる子とかがもっと意識的に見えるように、僕は演奏をできるだけきっちりしたいと思ってます。アレンジを入れるというよりは、結構音源に忠実なタイプだと思います。

CLAPPER前はモスバーガー|一朗流のルーティン

——一朗さんはどうでしょう。

一朗:ライブ中というより、ライブまでの準備ですね。

僕、その日のコンディションを結構大事にしてるんですよ。人間なんで、眠い日もあるし、寝不足の日もあるし。ライブハウス入りしてから本番まで長い日もあるじゃないですか。だから本番までにどう集中力を作るかを意識してます。

——具体的にはどんなことを?

一朗:楽屋であんまり喋らないです。なんか最近気付いたんですけど、喋りすぎた日のライブってあんまり良くないんですよ(笑)。だから結構静かにしてます。

あとルーティンもあって、クラッパー(心斎橋​​​​CLAPPER)の日は昼ご飯にモスバーガー食べます。なんかそれでライブがうまくいったので、それ以降ずっとやってます。

——ゲン担ぎみたいなものですね。そこまで準備して、本番ではかなりアレンジも入れられるんですよね。

一朗:そうですね。モザヰクって結構しんどい曲多いんですよ、激しいし。最近MCも減らして、曲数増やしてるんで。他のバンドが5曲のところを7曲やったりとか。

だから体力温存せずに出し切る。しんどくてもやり切る。イベントの日は特にそれを意識してますね。

関西はまだ終わってない|モザヰクが『関西集結』に懸ける想い

——8月12日・13日に開催される『関西集結』についてお聞きしたいと思います。開催を決めた経緯や、このイベントに懸ける想いを教えてください。

アスカ:まず、関西のヴィジュアル系シーンって勢いなくなったよね、みたいなことを言われることが多いんですよ。もちろん関西バンドとして活動している以上、僕らもそういう話は耳にしますし。

じゃあ関西バンドが関西で何をできるんやろうって考えた時に、バンドが主体になって大きいフェスみたいなイベントをやるのも面白いんちゃうかな、って思ったんです。

それをメンバーに相談したら、「じゃあやろう」ってなって。いろんなバンドさんに「関西盛り上げたいので一緒にやりませんか」って声を掛けて、実現した感じですね。

「誰かがやってくれないかな」ではなくて、自分たちでやろうと。あとこれは今年だけじゃなくて、毎年やっていきたいんです。

——すごいですね、毎年ですか。

アスカ:はい。「毎年関西集結あるしな」っていうイベントになったら、関西バンドが関西を盛り上げようとしている熱量がもっと分かりやすく伝わると思うんですよ。それで一緒に盛り上げてくれる関西バンドとかも増えていったらいいなって。関西はまだ終わってないよ、っていうのを見せたいですね。

あと、ロックバンドで言うとSiMの『DEAD POP FESTiVAL』とか、10-FEETの『京都大作戦』とかあるじゃないですか。ヴィジュアル系でバンド主催の大きいイベントって、僕が思いつくのはBugLugさんの『バグサミ』くらいなんですよ。

だから将来的には、関西のヴィジュアル系シーンを代表するようなイベントになっていったらいいなと思ってます。

——素晴らしい熱意です。他のメンバーの皆さんは、この話を聞いた時どう思われましたか。

一朗:絶対無理やと思いました(笑)。

一同:(笑)

——率直ですね(笑)。

一朗:いや、本当に。昔やったらもっとバンドもいたじゃなかったじゃないですか。でも今はみんな東京行っちゃってるし。

その中でやるって聞いた時は、「いや無理やろ」って思いました。

——確かに前代未聞ですよね。

一朗:そうですね。でもとりあえず開催まで来られました。

終わった時に、自分たちも「やって良かったな」って思えて、出演してくれたバンドさんも「このイベント出て良かったな」って思えて、お客さんも含めて良いイベントになったらいいなと思ってます。

——出演される皆さんも、関西を盛り上げたいという部分に共感してくれたんでしょうか。

アスカ:そうですね。「面白いことやろうとしてるバンドがおるな」「俺らで良かったら力貸すよ」みたいな感じで言ってくれる方が多くて。本当にありがたいです。

——モザヰクを知るきっかけになる人もかなり多そうですよね。

アスカ:そうなんですよ。だから僕、1曲目で全部決まると思ってるんです。

「このイベントの主催バンドらしいやん、ちょっと見てみようかな」って人、絶対いると思うんですよ。その人たちに1曲目で「うわっ」って思わせないといけない。もう1曲目から猿やろうかな(笑)。

一同:(笑)

——まさかの(笑)。

アスカ:曲がかっこいいだけじゃあかんと思うんですよ、主催バンドって。だから最初から全部ひっくり返してやるのも面白いかなって。

一朗:でもありやと思いますよ。普段は最後に『猿』やるから、そこでテンション上がって終わるじゃないですか。だったら逆に最初に持ってきてしまったら、緊張とかも全部吹っ飛ぶかもしれないですし。

アスカ:そうなんですよ。

——気になりますね(笑)。当日、本当に『猿』から始まるのか。

アスカ:いや、全然違う曲かもしれないですけどね(笑)。それは来てからのお楽しみです。

ファンは心臓|モザヰクとオーディエンスの関係

——モザヰクの皆さんにとってファンの方はどのような存在でしょうか。また、これからどのような関係を築いていきたいですか。

アスカ:僕にとっては、一心同体というか。心臓にあたる部分かなと思ってます。

——心臓。

アスカ:たまに曲を作ってる時とかに考えるんですよ。もしファンの人が一人もいなくなったらどうなるんやろうって。そうしたら、多分曲作る意味もなくなるし、活動も止まると思うんです。だからどっちが上とか下とかじゃなくて。一心同体であることがふさわしい存在で居続けられたらいいなと思ってます。

まあ僕ら不器用なんで、できてない部分もあると思うんですけど(笑)。でも本当に、ファンは心臓ですね。

——なくてはならない存在というか。心臓が動くから血液が巡るように、活動も続いていくということですよね。

アスカ:そうです。

——ファンの方にとっても、モザヰクが生活の一部になっている方は多いと思います。お互いにそういう存在でいられたら素敵ですよね。しょーごさんはどうでしょうか。

犬飼しょーご:僕も一心同体っていうイメージが近いですね。曲を作る時も、お客さんがどう暴れてるかとか、どう楽しんでるかを思い浮かべながら作ることが多いんです。

やっぱりお客さんが居てこそのライブやし、居てこそのモザヰクやと思うので。

——お客さんが暴れている姿まで含めてライブが完成する、ということですよね。それはファンの方からすると嬉しいと思います。曲を作る段階から自分たちの姿が想定されているわけですもんね。

犬飼しょーご:そうですね。

——将什さんはいかがですか。

将什:難しいな(笑)。でも、モザヰクを必要としてくれてる人たちやと思うんですよ。だからそのままでいてほしいなって思います。

ライブって、見る場所によって景色が変わるじゃないですか。例えば一番後ろから見た時って、ステージだけじゃなくてオーディエンスも含めてライブの景色になると思うんですよ。だからメンバーとまでは言わないですけど。メンバーみたいなものかなって思います。

多分オーディエンスも、僕らにもっと良い景色見てほしいって思ってくれてると思うんですよ。逆に僕らも、お客さんにもっと良い景色を見せたいと思ってる。だから同じ方向を向いてる存在なんじゃないかなって。

——すごく素敵な考え方ですね。アスカさんたちがおっしゃっていた一心同体とも繋がる気がします。

将什:あと僕らもライブの時って、何かしら持ってステージに上がってるんですよ。怒りとか、苦しみとか、悲しみとか。もちろん楽しい気持ちも含めて。

だからオーディエンスの人たちも、何かしら持ってライブに来てくれたらいいなって思います。それをライブハウスでぶつけ合えたらいいなって。そういう関係で居たいですね。

——一朗さんはいかがでしょうか。

一朗:ほとんど言われました(笑)。でもそうですね、メンバーみたいなもんやと思います。それとは別に、自分をレベルアップさせてくれる存在でもありますね。

やっぱり見られてるじゃないですか。ライブもそうやし、SNSもそうやし。それに「モザヰク良いよ」って広めてくれる人もいるし、「今度友達連れて行くね」って言ってくれる人もいる。そうなった時に、前回よりかっこよくないとあかんと思うんですよ。

だからもっと練習しなあかんなとか、もっと良いフレーズ考えなあかんなとか。そういう気持ちになるんです。

——ファンの方がいるから、さらに上を目指そうと思える。

一朗:そうですね。もし誰も見てなかったら、ある程度叩けたらええかで終わると思うんですよ。

でも見てくれる人がいるから、もっと上手くなりたいし、もっとかっこよくなりたい。だからレベルアップさせてくれる存在ですね。

Dr.一朗

心の行き場のない人のヒーローになりたい|モザヰクが目指す未来

——モザヰクがこの先どんな景色を目指しているのか、バンドとしての目標や挑戦したいことを教えてください。

アスカ:最初にも言ったんですけど、唯一無二のバンドなんで。それをもっといろんな人に分かってもらえるようになりたいですね。誰しもが認めざるを得ない境地というか。そこは目指したいです。

でも別に、圧倒的な動員数とか、何万人集めたいとか。そういうことではなくて。なんか、一つの宗教みたいになれたらいいなと思ってて。

——宗教。

アスカ:もちろん変な意味じゃないですよ(笑)。でもその中にいる人たちが支え合える場所というか。

僕、結構DMもらうんですよ。「仕事しんどいです」とか、「恋愛しんどいです」とか。色々来るんですけど、その中で「モザヰクのライブがあるから頑張れます」って言ってもらえることもあって。そういう人たちが、モザヰクの中だけは支え合える。絶対的な居場所みたいになれたらいいなって思うんです。それが広がった先に、大きい会場もあるんじゃないかなと思ってます。

心の行き場のない人たちのヒーローになりたいんです。僕ら自身も、救われると思うので。

読者の皆さまへ|モザヰクからのメッセージ

——では最後に、お一人ずつ読者の皆さまへメッセージをお願いいたします。

一朗:モザヰクはこれからも色々なことに挑戦していきます。このメンバーで、まだ見ぬ景色を見に行きたいと思ってます。「ついてきてください」というよりは、見ていてください、ですかね。

応援よろしくお願いします。

将什:モザヰクはこれからどんどん大きくなるバンドやと思ってます。

メンバーの僕が言うのもあれなんですけど、本当にどこに出しても恥ずかしくない、自慢のバンドなんですよ。ボーカルの歌唱力もそうですし、歌詞のワードセンスもそう。MCでの言葉の選び方も。唯一無二のボーカリストが描く世界観を、僕らが形にしてるバンドやと思ってるので。

今後の動向も楽しみにしていてください。

犬飼しょーご:モザヰクの今後を楽しみにしていてください。

アスカ:モザヰクという存在は、得体の知れない物体というか物質というか。まだ僕ら自身も、最終的にどんな形になるか分かってないんですよ。だから科学者になったつもりで観察したり、研究したりしてみてください。

多分すごく面白いことになると思います。

——次回に続く、みたいな終わり方ですね。

アスカ:記事っぽいでしょ(笑)。

まとめ|唯一無二の存在であり、ヒーローであるために

「辛辣な歌詞で、幅広い楽曲をやっている唯一無二のヴィジュアル系ミクスチャーロックバンド」。

インタビュー冒頭でアスカが即興で口にしたその言葉は、今回の取材を終える頃には不思議なほどしっくりきていた。

また、メンバー全員が口を揃えて語ったのは、ファンとの関係性の深さだ。

「一心同体」

「心臓」

「メンバーみたいなもの」

表現こそ違えど、その根底には「ライブはステージの上だけで完成するものではない」という想いが見えた。

そして2026年8月12日・13日。

モザヰクは『関西集結』という大きな挑戦に踏み出す。

彼らは、果たしてこれからどんな形へ変化していくのか。

『関西集結』で、その答えの一端に触れてみてはいかがだろうか。

インタビュー:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子

モザヰク

公式サイト:http://mosaicer.net

X:@mosaic__mosaic

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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