【インタビュー】umbrellaが語る。初BIGCATワンマンへの意気込み|俺たちは嵐を呼ぶ男になる

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独自の音楽性を貫きながら、ヴィジュアル系シーンの中で唯一無二の立ち位置を築いてきたumbrella。

2026年6月23日、心斎橋BIGCATで主催イベント「路地裏サーチライト」を開催。

有村竜太朗、ザアザア、メリーを迎え、特別な一日を作り上げた。

そのステージの最後に発表されたのが、17周年へと繋がるワンマンツアー「雨天、結構。」と、2027年3月18日に行われる心斎橋BIGCATでのツアーファイナルだ。

本インタビューでは、「路地裏サーチライト」を終えた率直な思い、各地を巡るワンマンツアーの見どころ、BIGCATワンマンへの覚悟、そして16年以上バンドを続けてこられた理由を深掘りした。

目次

路地裏サーチライトを終えて|新たな試み、受けた刺激

——まずは「路地裏サーチライト」お疲れさまでした。改めてライブを振り返ってみて、どのような一日になりましたか。

唯:個人的には、素直にホッとしたなという。

数か月かけていろいろなプロモーションをしたり、対談もしたり、「この日にこうしてやろう」みたいなことも練ったり。グッズ作ったり、おもてなしするために何か考えたりとか、結構この日のためにやることが多くて。

終わった次の日はもう動けなかったっすね(笑)。

色々課題ももちろんあるし、発表もしたし、ここからまた引き締めていかなあかんなという思いはありますけど。ひとまずホッとしたかなというイメージです、私は。

——ライブの中身自体はいかがでしたか。

唯:今回、お客さんも自分が思ってたより残ってくれてたなっていう。

やっぱり、長いライブやと早く帰らなあかん人もいたりするから、トリのバンドになると意外とお客さんが少なくなっている時もたまにあるんですけど。そういうこともあまりなくて、最後まで残ってくれている人が多い印象でした。

こっちも気持ちが高ぶったというか。「楽しいぜ」という気持ちになりましたね。

——そうですね。実際、フロア前方に他バンドのTシャツを着ている方など、umbrellaのファンではなさそうな方も多く居ました。「umbrellaはどんなバンドなんだろう」と興味を持って残られた方も多かったのではないかと思います。

唯:そうなんですね。やっぱり、そのバンドのファンやと分かるようなTシャツは作った方がいいですね(笑)参考にしようかな。

——春さんは「路地裏サーチライト」いかがでしたか。

春:楽しかったというのが一番大きいんですけど、自分らの出番だけじゃなくて、今回唯君が有村さんのステージに出たり、俺がメリーのステージに出たり、メリーのガラさんがうちのステージに出てくださったりっていうこともあって。

イベント全体の盛り上がりっていうのが、去年より意識できたかなというのは思います。結果として、お客さんもすごく楽しんでくれたという感触があったんで。

「路地裏サーチライト」というイベントが、自分たちの認識以上にいいイベントになってきているんじゃないかな、という手応えはありましたね。

——いい意味で、お祭りのような特別感がありました。ほかのアーティストのステージで1曲演奏するのは、今回が初めてだったのでしょうか。

春:そうですね。最後の大セッションで出演者がみんな出てくるということはあったんですけど、今回みたいにほかのアーティストのステージで1曲演奏するのは初めてです。

——ファンの方も喜ばれていたと思います。

春:本当に、自分も有村さんと唯君のステージを観ていて、すごく不思議な感覚でしたね。良かったです。

唯:関係者席で観るメリーで、春が出てくるのおもろかったなあ。

——春さん、しかも突然現れるんですよね。何の紹介もなくスッと。

春:そう、呼び込みをしないことになって。

唯:突然やったよなあれ。

——「待ってた!」と反応が客席から感じられました。

春:個人的にはumbrellaの出番直前なんで、結構umbrellaのことで頭がいっぱいやったんですよ。それでもステージに立てて良かったです。

唯:あの机に足を掛けた人なかなか居いひんよね。私、「すげえ…」と思って。あれ、ガラさんが真ん中じゃなくて横にして、「来いよ!」って言ってたで。

春:メリーの皆さんは、余裕があるなっていう。ステージ上でもすごく絡んでくださって、さすがやなと思いましたね。

——柊さんはいかがでしたか。

柊:今年も無事に開催できたありがたさと、楽しかったという感覚ですね。

癖の強いバンドも多かったので、一緒にライブをしていてもやっぱり楽しかったですし、普段とはまた違う対バンなんで、あの時にしか得られない刺激もありました。一人のギタリストとしても、楽しい一日でしたね。

——特に、どのような部分から刺激を受けましたか。

柊:自分がギタリストなので、どうしてもほかのギタリストの機材や音のアプローチを結構見ちゃうんですけど。

自分のやっている方向性と似ている部分がありながらも、機材の使い方や音の出し方が違っていて。「この方向性の中でも、こういう方法で個性を出せるんやな」と感じる場面がありました。そういう面では、結構勉強になりましたね。

——以前ラジオ(ヴィジュおん)でお話しされていた、新しい機材も使用されたんですよね。

柊:そうですね。セットアップが完了していたので、それを使いました。やっぱりアップデートした分、今までよりもいいサウンドを出せたんじゃないかなと思います。

——将さんはどうでしたか。

将:僕は同時にいろいろなことを考えるのが得意ではないので、とりあえず、この一日を一番umbrellaとしていい形で出すことに集中していました。

あまり周りのことは見られていなかったと思うんですけど、ライブとしては、普段のumbrellaの中でも比較的いい方向に振れたものを出せたんじゃないかなと思います。

終わってから考えていたのは、その日に発表したワンマンツアーと、来年のBIGCATワンマンに向けて、どうしていこうかなということですね。

——発表したことで、改めて実感が湧いた部分もありますか。

将:そうですね。BIGCATでのワンマンは、なかなかハードルが高いので。ここから何をすればいいのか、どうしていけばいいのか。改めて考えているところです。

Drums:将
Drums:将

【雨天、結構。】に込めた想い|「雨なんてへっちゃら」と言える余裕を

——「路地裏サーチライト」の最後には、17周年へ向けたワンマンツアー【雨天、結構。】と、ツアーファイナルとなるBIGCATワンマンが発表されました。まずは、このツアータイトルに込めたテーマやコンセプトを教えてください。

唯: やっぱumbrellaなんで「雨に繋がるもの、何かないかな」ってまず考えて。でもよく使ったんですよね、16年もやってたら(笑)。

——もう出尽くしてしまいますよね(笑)。

唯: 「【雨天決行】ってやったっけ?」みたいな話をメンバーとして。意外とやってなかったんですよね。「でも、このままストレートにやるよりも、漢字を違うものにしてみよう」とふと思いついて。

テーマ的に、大雨とか洪水とかでライブ来られへん時は中止になるかもしれないですけど、そういう気持ちじゃなく「雨な気分でも私たちはへっちゃらだぜ」みたいな。「雨?どうってことねえよ、ライブしようぜ」っていう気持ちで作りました。

——umbrellaさん自身が、雨な気分でもへっちゃらでライブするよという。

唯: 傘ですからね。「雨なんて気にしねぇぜ」「安心して傘差してやるぜ」みたいな気持ちでライブ、かっこいいかなと思って。

ちょっと強気じゃないですか、「結構」っていうのは。余裕を見せたタイトルでもかっこいいかなと思せたんですよね。16年の重みというか。

——他の皆さんは、唯さんからこのタイトル案を聞いた時どう思われましたか。

春:今までは、初期から使ってる【アマヤドリ】っていうタイトルを土台に、例えば【オオアマヤドリ】とかが多かったので、また違う方向性のものができたなと。

挑戦したことがないBIGCATワンマンなだけに、今までの感じで行くのかどうかっていうのは、確かに難しかったんで。これまでと違う方向性でタイトルが決まって、すんなりと入ってきましたね。

ワンマンツアーだからこその魅力|「本質が出る」限界への挑戦

——周年や生誕祭とはまた違った、ワンマンツアーだからこその魅力、見どころを教えていただけますか。

唯:ツアーって、色んなところ行くじゃないですか。行ったことあるところに再び行って、久々に挨拶しに行くのもいいですし。今回新しく行くところで、初めて来てくれるその地のお客さんに会えるのも楽しみですし。

あとはその地を楽しむご飯だったり、楽しめることもある。その地の友達にも会えるかもしれないし。

いろんな楽しみができるんですけど、最近思ったのが、ライブハウスって結構いろんな横繋がりがあって。ライブハウスのスタッフさんと仲良くなって、そこでよくライブしてるバンドさんを紹介してもらうこともあるんですよ。「あ、ここよく出てんねや」みたいな感じで、いろんな話を聞けたりするのも楽しいなと。

そこから対バンが増えたりする可能性もあるので、色々実りの多いワンマンツアーになりそうやなと私は思ってるんですよ。

——新しいお客さんや、これまでなかなか大阪まで来られなかったお客さんとの出会いもそうですが、バンドさんとの出会いもあるんですね。

唯:そうですね。あとはライブハウスによって、お客さんの層が違う場合があって。熱量が違ったりするんですよ。「ここは結構聴くタイプの人やな」とか。

——実際、想定していたお客さん層と違って「おっ」となる時はありますか?

唯:私にとっては、新潟が一番自分を変えてくれたライブハウスですね。結構盛り上がってくれたんですよ、メンバーコールをし始めたりして。

それがきっかけで、ファンに対して「一緒に盛り上がろうぜ」みたいな意識を持ち始めて。今のumbrellaの盛り上がりが生まれたのは、そこが大きいかもしれないですね。

——それはちなみにいつ頃のことですか ?

唯:『solitude』の時かな。ツアーの一発目かそこそこの時に、結構声を出してくれる男の子がおって。ちゃんと盛り上がってメリハリつけるライブしたいなって思ったんですよね。

——転機になったというか。やはり同性のファンからの声援は特に嬉しいものですか?

唯:別に女の人がどうだとかはないんですけど、やっぱりヴィジュアル系って男の子のファンが少ないじゃないですか。ちょっと嬉しかったりしますね。やっぱり。

意外と将くんファンとか男の方が多くない?柊くんもギター好きな男の人が来たりとか。

——そうなんですか!今回も、いいきっかけになるようなお客さんとの出会いがあればいいですね。

唯:そうですね。やっぱり行くからにはなんか持って帰りたいですから。

——他の皆さんはどうでしょう?

柊:ライブの本数であったり、スケジュールが詰まってはいくので、やっぱり体力的にも日に日に変わっていきますね。終盤に向けて、プレイヤーの本質が出てくるんじゃないかなと。

楽器の演奏っていうのはスポーツと似ているところもあって、染みついてるものを出している感覚になるんですよ。普段のライブも全力でやってるんですけど、スケジュールが重なっていくことで如実に出てくるんじゃないかなと。

それがバンドのグルーヴになったり、いつもと違う感覚に繋がったり。バンド内の曲に対するアプローチも変わってくるでしょうし、観てくれてる人たちにとっては「なんかいつもと違う」って感じる要因の一つでもあるのかなと思います。

だから、グッとスケジュールが詰まってる時のバンドって面白いんですよね。

唯:ボロボロになっていく姿ね。

柊:今までのワンマンツアーでも、結構感じてるところがあって。1日目も初期衝動として、もちろんいいんですけど。最終日とは違いがあるなっていうのは思いますね。

Guitar:柊
Guitar:柊

——日頃積み重ねてきたことの真価が問われる面もあれば、ボロボロになっていくからこそ観られる新しいumbrellaの姿もあるのですね。

柊:やっぱり、そういう時に出る雰囲気とか疾走感ってあったりするんで。「この曲は元気な時に弾くよりも、盛り上がってみんな体力がだんだんだんだん落ちてきてる時に演奏する方が、なんか映える曲よね」っていうのも実際ありますし。

——その、クタクタの時に輝く曲が何の曲かちょっと気になるんですが。

柊:俺が個人的に思うのは『ヤマアラシの涙』とか。

将:それ言うと思った。

柊:最初の疾走感が勝負になってくるんですよ。『電脳・少年・スピーカーーー。』とかも。元気な時でギリギリできる速さとかフレーズが、そういう状況になってきた時にどうなるですね。

あとは「この曲は1曲目じゃないよね」みたいな、曲が持ってる雰囲気もあると思います。

——いいですね。『ヤマアラシの涙』や『電脳・少年・スピーカーーー。』は、あまり頻繁にはセトリに入っていないですよね?

柊:そうですね。ツアーだからこそいっぱい曲もやれますし。

春:柊くんのその声で、このツアーどっか入ると思いますよ。

——それは楽しみです。

唯:ボーカルも結構大変ですね。

——喉のコンディションを整えるのが大変なんじゃないですか。

唯:生のメンテナンスはなかなかできないので、無理はできないですね。

heidi.とのツーマンツアーを毎年やってるんですけど、ボーカルの義彦と2人で喋っててた時に「後半になって疲れれば疲れるほど、歌モノの曲がめちゃくちゃ大変!」って話になって。どんどん声が出にくくなってくる中で、集中して歌うのがすげえ大変なんですよ。

そうしたら、ギターのナオさんが「そこがいいんだよ!ボロボロになって、それでも歌ってるのがいいんだよ」って。楽器隊と、私らボーカルの差があるんやなと思いましたね(笑)。

——ボーカルさんはもう戦々恐々としてるけども。

唯:本気で辛いっちゃ辛いけど、ウケはいいんやろなって。

——他のメンバーさんからすると、どうですか?「それがいいんだよ」的な感じなのか。それともちょっと心配になったりするんでしょうか。

春:まあ確かに、「そこがいい」みたいなナオさんの意見もすごいわかります。本当に連日やることが多いじゃないですか、ワンマンツアーって。だから、そこに影響しないかっていうのが心配ではありますけど。

でも、終盤のヘロヘロな時の歌がやっぱいい!っていうのはすごいわかりますね。

唯:ヘロヘロ!(笑)

将:それこそさっき柊くんが言ってた、終盤になればなるほど本質が出るみたいな。そういう感じじゃないですか。

——本当の姿というか。外側のいろんなものが剥がれ落ちて、中の方の芯の部分が出てくる感じですかね。

将:それ見たいっていうのは、人間誰しもあると思うんでね。苦しんでるときに見える、その人の本当の部分というか。

春:感動にもなりません?

——そうですね。「こんなにしんどい中、一生懸命振り絞って演奏してる」という姿に元気をもらえたりとか、勇気をもらえたりすることもあると思いますし。感動は確かに生まれますね。

唯:じゃあ頑張りますボロボロで。

——喉のケアだけしていただいて…。

唯:マジでそうですね。この今年は喉の不調を減らしたいな。1年に1回ぐらい、歌えなくなるギリギリの時あるんで、気をつけます。

各地への思い入れや楽しみ|個性的な箱や人との出会い、そしてグルメ

——ツアーで回られる各地域やライブハウスについて、思い入れのある場所やエピソード、楽しみにしていることをお伺いできますか。

唯:まず奈良は、京都から近いからよく行ったりもするし。私が行ってた美容師さんの仲間も、奈良NEVERLAND好きでよくそこで飲んでたりしてたんで。仲間内で結構仲良かったんですよ。

一昨年かな、やっとライブできたね!みたいな感じでまた仲良くなって。今年も行けると思うとちょっと嬉しかったですね。

スタッフが「一番でかい音出すライブハウス」って豪語してました(笑)。まあどんどん出してくれって言うてます。結構ここはリミッター外れた人が多いんで。

——どう外れてるんですか?

唯:みんな人が狂ってるんです、変な奴が集まってるみたいな(笑)いいとこです。

将:NEVERLANDの近くに「まりお流」っていう、多分日本一頭おかしいラーメン屋があるんですよ。その影響あるんかなと思います。

——頭おかしいライブハウスと頭おかしい頭ラーメン屋…(笑)。どういうラーメンなんですか?

将:圧力釜を使って、ありえへんぐらい濃いラーメンを作るんです。完食できるかどうか際どいレベル。

春:スープというよりゲルやもん。

将:一番濃いやつはもう、スープの上にレンゲが乗っかってるんですよ。それがネバーランドから車で5分ぐらいかな。

春:すごい昔から有名店ですね。俺が20年以上前に行った時に、駐車場に消費者金融のATMみたいな機械があって。まりお流が「サラ金の客が停めたらしばく」って張り紙してるんですね。すごいいいなと思って。

——(笑)1万円罰金とかじゃなくて、しばくやったらまだ優しい方かもしれないですね。

唯:しばかれて済むんやな。

——確かにちょっとちょっとクレイジーな。なるほど面白いですね。

春:次は小倉か。

唯:小倉はいいよね、大好き。

——どこが好きですか?

春:ライブハウスの音楽に向き合う姿勢とかもすごいいいよね。めちゃくちゃ音いい。

唯:結構こだわるよね、あの人。

将:公演の前に、当日のセットリストとか、音源のデータとか、歌詞とか資料を送るんですけど。いざ当日入ってみたら、その資料をちゃんと聴いてくれてて「この音やったら、ドラムのマイクはこれがいいかな」って選んで、その日使ってくれたりするんですよ。

唯:合わせてくれるんよね。

——一番いい音出せるようにベストを尽くしてくれるという。めっちゃいいライブハウスですね。

将:そうですね。

唯:だって私ら、好きすぎて小倉で満足して、福岡行かず帰っちゃうもん(笑)。全然福岡行けてなかったんですが、ようやく14日に。

——福岡は対バンも含め結構レアなんですよね。 どうですか福岡への印象は?

春:福岡大好きですよ。人間が元気!やっぱ、祭り文化があるからかアツい。

柊:九州男児とかね。声がでかい土地な気がしますね、ライブ会場の。

——確かに福岡の人はパワフルなイメージがありますね。福岡で行ってみたいところはありますか ?

春:いっぱある!

唯:大体ご飯やな。ラーメン屋!屋台も行ってみたいけど。

春:去年CRUSH(CRUSH OF MODE-HYPER HOT SUMMER’25-)で行ったな。みんなで前乗りして。

一同:ああー!

春:めっちゃ楽しかった!

唯:やっぱラーソーメンですよ。

——ラーソーメン?

柊:ざる中華っていうジャンルになんのかな。

唯:素麺をラーメンの汁で食ってんねやったっけ?不思議よなあれ。タレが甘くて美味しいんですよね。

将:九州醤油がちょっと甘いからかな?

唯:そうそう。九州醤油も買いたいんよね。

——お土産にいいですね。

唯:最近売ってるけど、やっぱり本場で買いたいよね。
昔、朝方にスーパー行って、春とテレビの取材を受けたっけ。

——えっ、そうなんですか ?

春:そう。放送日も聞いてたんですけど、道路が陥没したことあったじゃないですか。それで確か放送が延期になったんやな。

唯:そう。で、延期になって、最終回私らやったんやね。

——最終回飾ったんですか。

唯:なんか、春がリアクション強烈で。「しょんしょん」やったかな?調味料か何か。

「しょんしょんって知ってますか?」って言われたら、春がめっちゃすんげえリアクションで「しょんしょん!?」って。大袈裟すぎるやろ!!みたいな(笑)。

——テレビ用のリアクションしたんですね(笑)。

唯:こいつ慣れてんなと思いながら。面白かったです。

——さすがですね(笑)。そして福岡の次が松山。

春:松山楽しみやね。自分たちの企画で行くのは初めて。

唯:感慨深いな、ここ来るの。

——それはなぜ?

春:DEAD WESTっていう、年間通したオーディション企画があったんですよ。西日本のツアーもそのイベントに組み込まれてて。そこで松山に年間3回ぐらい行ったよね。

唯:やたらサロンキティ行ってたよな。

春:サロンティと結構深い関係ができたような。すごい評価してくれて、いい会場なんすよめちゃくちゃ。

柊:ロックって感じだね。

唯:横が川やったよね確か。そこだけ覚えてるなんか。綺麗だなーと思ってずっとポカンと川眺めてた。

——「会場がロック」というのはどのあたりから感じるんですか ?

柊:「音楽好きな人がやってんやろうな」みたいな感覚ですね。

きっと、今と比べて情報がないときにライブハウスを始めたと思うんですよ。自分の憧れるロックであったり、音楽っていうものを体現してる。

都会に比べると、その色が如実に出たロックなサウンドっていうのが感覚としてありますね。

——その人たちの好きな音楽への思いが現れているんですね。

唯:独特やもんね。箱の作り自体かっこいいし、ステージ高くて。ご飯はめっちゃ美味しいとこ行ってなかったっけ?

春:洋食屋みたいなとこ行ったよね。

唯:そうそう!やっぱそこやんな、ワンプレートの。

柊:昔ながらのね。

春:「レストラン 野咲」や。

唯:何食ったんやろ?

春:Aランチとかそんなんちゃう?めちゃくちゃ美味かったで。

唯:(写真を見返し)ハンバーグと揚げ物とオムレツと、ひゃー美味しそう!

——ザ・洋食屋ですね。

春:当時、松山は日帰りやったから、ゆっくりできてへんねんな。

唯:やだ美味しそう。行きましょう!こういうのも楽しみたいよね。

春:ワンマンツアーなんでね。お客さんも含め、その土地ちゃんと楽しむっていうのも大事やなっていう。

現地の人からしたら嬉しいじゃないですか。自分も神戸の人間やったから、あんまりバンドのツアーで組み込まれることがない土地なんで。清春さんとかが来て、神戸を好きと一言言ってくれるだけで、やっぱ嬉しかった。

唯:その地の話もしたいもんね。

私も嬉しかったもん、バンドが来て、自分の知ってる好きなところを褒めてくれるとか、おもろいことあった話してくれるとか。

——そして松山の次が、前回のインタビューで教えていただいた岡山PEPPERLAND。

柊:素晴らしいライブハウスですね。日本屈指の歴史あるライブハウスで、まだライブハウスって言葉がない時代からやってるところなんで。

昔は喫茶店で、雉(きじ)肉のカレーを出してたって聞いたことある。

唯:コーヒー出してくれたら、みたいなん言ってなかったっけ。なんか飲み物出してくれたら売れるみたいな。

将:そうそう。

春:ジンクスがあって。終演後に、機材を搬出したり精算をしたりして「お疲れでした」って世間話とかもするんですけど、その時にオーナーの奥さんがコーヒーを出してくれると、ちょっとバンドが調子良くなるみたいな。噂で聞いたことある。

柊:そこでカレーが出てくると、メジャーデビューするっていうのもあるらしい。噂では某Gバンドが…とか。

——それは信憑性高めですね!

唯:ほんまかわかりませんが。はよカレー出して欲しいっすね!お腹すいたなーちょっと言ってみよかな(笑)。

将:僕らってコーヒーもらったことなかったっけ?

春:コーヒーはあるよな。

——おお!

柊:砂糖5個入れる?って聞かれた。

——(笑)

唯:5個からなんや。と思うよな、あれ。

——5個単位なんですね。なぜなんでしょう。

柊:いやわかんないです。誰に聞いても5個スタートなんです。

——いいですね、温かいライブハウスで。次は何が出てくるのか楽しみです。新潟はどうでしょう?

唯:大好きですねここは。多分ね、新潟一番私ら遊んでない?

柊:新潟は絶対泊まりやからね、距離的に。

唯:そういうこともあって、めちゃくちゃ楽しんで帰ってる記憶がある。

——どういう所へ行かれるんですか ?

柊:バスセンターのカレー食べて、ピアBandai行って。で、なぜか仲良くなったYoutuber兼料理人の店に飲みに行ってとかですね。

唯:ライブハウスとめっちゃ近いんですよ。その人目当てで私らが行くみたいな感じやったから。来たよーみたいな。

——面白い人がいるんですね。

春:これが各地に行く楽しみでもあるし。

唯:いろんな人や仲間に会いに行けるっていうのもね。しょっちゅう行けるもんじゃないから、いいことですよ。楽器屋もあるしね。

——新潟にですか ?

唯:そうなんですよ。ハードオフというね。

柊:新潟のハードオフは楽器館なんでね、だいぶ品揃えのいい。

唯:ちょっとマニアックなものもあるもんね。私それ使ってますもん、今でも。新潟のハードオフで買ったエフェクター、現役で普通にエフェクターボードに置いてます。

——そういう出会いもあるんですね。

唯:はい、いいもん買っちゃったっすね。

——では、富山はどうでしょう。

将:富山は初めてなんですよ。だから個人的には一番楽しみですね。

唯:何が美味しいんでしょうね?

——富山ブラックとかよく聞きますけどね。

唯:ラーメンか。

春:あとは海鮮がうまい。やっぱエビとかじゃない?

柊:春さんから聞いたんですけど、SoulPowerが不思議なところで。

春:ああ。ホームページに載ってたんですけど、「貧乏バンドマンのために、ツアーで回ってきたらオーナーの家に泊めますよ」みたいな。

——ええっ。

唯:嬉しいよな。そういうのって、一番バンドマンって大変やんか。

春:あえてそこチャレンジしてみんのもありやな。

柊:面白そうね。

——貧乏バンドではないと思いますけども…!

柊:12月の富山の百姓宅なんか、もう寒くて仕方ないやろ。いや面白そうやなあ。

唯:石油ストーブ炊いてそうやね。

——いいですね。そうやってバンドマンに寄り添ってくれるというか。

唯:いや、ほんまにいいっすよね。

——地方ならではの温かさみたいなものを感じます。そして最後、滋賀へようこそ。

春:滋賀U★STONEは、2025年の1月に初めて。だから2年ぶりになるのかな。

唯:もうそんなになるんや。

春:U★STONEが出来立ての頃に、俺が滋賀県でバンドやってて、何回か出たことがあって。今のオーナーさんとかも、その時から働いてはったんですよ。

umbrellaで初めて出た時に、「昔からいませんか?」って。なんか、顔覚えてたんですよ俺。それで嬉しくなってライン交換して、じゃあワンマンやりましょうみたいな。

——嬉しい再会ですね。お互い長く活動されて。滋賀のグルメの方はどうでしょう?

春:滋賀であれ食べたことないな、ふな寿司。

唯:今あれでしたっけ。ブルーギルとかブラックバスも食べるんですよね。ブラックバス釣ったらリリースせんとお店に持って行って。

——外来魚ですからね。

唯:私滋賀県はよう行きますよ、憩いの場なんで。

——近江牛とか近江米もありますよ。

唯:近江牛ってあれでしょ、日本の3大和牛じゃないですか。ほぼ食べ物の話してるけど(笑)。でもツアーってそうなるんですよ、やっぱ美味しいもの探して。

——そうですね、新たな発見もあるかもしれないですし。ファンの方もせっかくなので、いろんなところへ行ってみていただけたら楽しいですね。

柊:逆に教えてもらったりもしたいですね。

春:大橋豆腐店っていう豆腐屋のおっちゃんのおかげで、俺と柊君、今の楽器のSagoというメーカーさん紹介してもらったんですよ。

すごく音楽関係者ともコネクションが強くて、人柄がよくて。俺らが困った時にSagoの社長に繋いでくれて、楽器作ってもらったっていう流れやったんです。Sagoも行きたいな。

柊:行きたいね。

ファイナルBIGCAT公演を決断した理由|このまま維持ではなく、一歩踏み出したい

——ツアーで各地を回ったあとは、いよいよファイナルですね。BIGCATで 17周年記念ワンマンライブですが、ここでやると決めた理由をお聞かせいただけますか。

唯:大きい景色を見せた後に、「やっぱり自分らのワンマンでこの景色を作りたい」っていう気持ちがあって。前々回に味園ユニバースっていうところで路地裏サーチライトをやった時に、「次、ここでワンマンをします」って言ったんですよ。今回もBIGCATで大きなイベントをした後に、うちのファンの人たちには挑戦してる姿見せたいなっていう気持ちがありました。

「無謀って言われるかもしれんけど、16年もやってるから、そろそろBIGCATでやりたい」って話をして、私のわがままが叶った感じです。

——では、唯さんがまず発案されたと。

唯:私がずっと希望してたのがここやったので。「ここでやらせてくれ」という感じで、熱望したのもあってBIGCATになりました。

——なるほど。唯さんが発案されて「じゃあやりましょう」と決めるまでには、おそらく話し合いなどもされたと思うのですが、印象残ってるエピソードなどあれば教えていただけますか。

唯:長いことやってて、自分らが「やろう」と思ったらどこでもできるじゃないですか。けど、自分の中で「ここはちょっとまだ無理ちゃう?」みたいな。そういう一つグッと負荷がかかる場所って、なかなか足踏み出せないじゃないですか。

——はい。

唯:もう一段階上に行こうと思った時に、まあやっぱり踏みとどまる人が多い。そんな中で、ずっとこのままいるのも良くないし、自分的にもあと一歩前に行きたいなと思ったんですよね。

いつ終わるかわからないじゃないですか、人間って。今後ずっと続けられるとは限らない。どうなるかわからへん状態でずっとこのまま、平均的に維持するというのはできるかもしれないけど、あと一歩踏み出せない状態でいるのは良くないかなと思って。

1回勇気出してみようかなと、私がちょっと気合いを入れたような感じで気持ちを伝えたら、それが伝わって、オッケーしてもらった感じですね。

——皆さんはそれを聞かれた時、実際どうでしたか?すんなり「じゃあやろう」という感じだったのか、「いやー…」みたいなところもあったのか。

将:じゃ、やるかって感じですね。やりたいのはやりたいし、っていうすごいシンプルな感じで。

柊:そうですね。実際、(BIGCATで)主催もしてるわけですし。大阪にいる身としてBIGCATってやっぱ大きな壁ではありますけど、今まで周りで活動してる大阪バンドたちもそこでやっていて、目標でもあるので。

「BIGCATでやりたい」っていう意見があるなら、全面的にオッケーですし、前向きに取り組んでいきたいなと。

——いずれやりたいとは思われいてて、このタイミング唯さんからの発案もあったので、今回「やるか」と決断できたと。

柊:そうですね。

春:BIGCATって、関西で(バンドを)やってたら絶対目指すところであって。やっぱり、同じキャパの他の会場と比べても、特別なもんなんですね。キャパがあの規模やからすごいとかじゃなくて、「BIGCATやから価値がある」っていうとこがあって。

だから正直、「とりあえず記念にやった」みたいな人もたくさん見てきてるんですよね。「この人らでできんねや」「単発で金払っただけやろう」っていう見られ方になるのは、絶対ダサいから嫌やなと。

自分たちの音楽とかライブの実績を作って、路地裏サーチライトも2回やったっていう実績ができたから、挑めた部分はありますね。なので、このタイミングはすごく良かったと自分は思います。

——一つ、関西の中でも敷居が高いライブハウスというか。

春:そうですね。バンドやってる身からしても特別やし、個人的にみんな思い出はそれぞれあると思いますから。

俺も初めて行ったライブハウスはBIGCATなんで、中学の時に。そこはすごい嬉しいですね。

——そうなんですね!ちなみに、私も初めて行ったライブハウスはBIGCATです。MIYAVIさんを観に行きましたね。

将:僕も自分のお金で初めて観に行ったライブでいうと、凛として時雨のBIGCAT公演でした。

——本当ですか!みんなの初めての箱。そういうのもあって、BIGCATに出られるっていうことは相当なことなのですね。

春:やる側が、そういう風に気持ちを持っていってるということなんですよね。すごい大事なとこなんやぞっていう。

——そんなBIGCATでのワンマンを路地裏サーチライトで発表された時、唯さんが言われた一言が印象に残っています。「俺ら覚悟決めてるんで」と。その覚悟というのは、umbrellaにとってどういうものなんでしょうか。

唯:別にネガティブにするつもりもないんですけど、自分の歌詞にもたまにあるように、いつまでできるかがわからないですね。一番歳上でもあるから。いつまでも歌っていけたいけど、やっぱり生ものなんで、ボーカルっていうのは。

そのまま身の丈に合ったことばっかりずっとやってたら、いつまでたっても私は多分ものは叶わへんやろうな、っていうのが最近わかってきたから。あと1段階上行くためには、もうちょっときつく、自分に厳しくいかなあかんのちゃうかなと思った上での話っていうか。

メンバーにそれを押し付けるのは申し訳ないなと思うんですけど、バンドやってる以上、私一人で動くわけにもいかんから。誰かが引っ張らなあかんし、誰かがこれを言わないと動かへんねやったら、私は一人でも悪者なったろうかなっていう気持ちでいるし。好き勝手言って掻き回すのは悪いけど、言わなあかんなと思って言った言葉でもあります。

あと、最近は「いつまでずっとキャリアっていうのを背負っていかなあかんのやろう」っていうのが多くて。いろんな若手さんがいるじゃないですか。

——はい。

唯:すごいバンドさんもいるし。ただただキャリアを重ねて背負っていくだけで堂々として、ってあんまり私好きじゃないんですよ。かっこがつかへんなっていうの、最近わかったんで。

やっぱ目に見えるような結果を出したいんですよね。みんな演奏力すごいとか、歌かっこいいとか、曲がいいとか言ってくれるんですけど、目に見えるものが欲しいんで、私は。

なので、ちゃんとした結果を出していくためには、もうちょっと一歩踏み出す勇気みたいなものがいるんちゃうかなと思って。そういう気持ちで「覚悟」っていう言葉を使ってます。

Vocal / Guitarl:唯
Vocal / Guitarl:唯

——実際、「身の丈に合ってたことばっかりやってても変われないな」と感じた出来事はありましたか。

唯:やっぱり活動がすごい保守的なんで。バンドを守ろうとしてくれてるというか。

いい意味で無理をしないとか、メンバーに負担をかけないようにするっていうのはすごいいいことやと思うし、私もそれはすごい助かってるから続いてるんやと思うけど。

ただ、やっぱり大きいニュースになったり結果残してるバンドが大きいイベント呼ばれたりするんやろうなって。

「私らここ出たかったな」「呼ばれんかったな」みたいなの、あるじゃないですか。そういうところに出られる、目につくような活動をしてないんかな、とか。自分の中でコンプレックスがすごくあって。

私結構欲張りなんで、もうちょっと目立ちたいですね(笑)。メインストリートのところにもぶつけられるような印象が欲しいなっていう。ボーカルとしても、バンドとしてもアイコン的な存在にならなあかんのちゃうかなと思って。

だからといって、別に売れ線狙うとかそういうのではないんですけど。大きいラインナップの方に、ちょっとでも入れるような立場になっていかなあかんのちゃうかな。 16年以上やってるバンドなのに、っていう。

——他の皆さんはどうでしょうか。

春:BIGCATワンマンを決めたからといって、別にバンドの存続がどうにかなる、っていうようなことでもないんですよね。関西の会場なんで。

でも、もちろんその攻めの姿勢っていうのは大事で。俺の立場としては、メンバーの負担、特にボーカルの喉とかのことをやっぱ一番考えないとダメなんで、スケジュールも組み方もやっぱ慎重にはなるし。メンタルの部分でブレが出たら、どうしてもお客さんにも伝播してしまいますし。

みんながいいパフォーマンスできる状態で回っていきたいなっていうのは、常にありますね。やっぱりお客さんを引っ張っていくのは、俺ら4人なんで。そこで空気が悪くなってしまったら、もう一瞬で人って離れてしまう。だから、空気感だけはちゃんと守った上でやっていきたいなっていうのはあります。

集団の中で俺自身がどういう風に振る舞うかっていうのは、すごくみんなの空気に影響するとこだと思うんで。メンバーやスタッフに対して、どういう風に接して、どういう風に取り組んでいくか、気をつけながらやっていきたいですね。

——きっと普段から気を配られているとは思うんですが、これまで以上に、より一層気を配って。

春:絶対大きな動きの時ほど神経質になるんで、人って。そういう時の 3週間ぐらい前から、ほんまにピリついた空気にもなってしまう可能性あるし。

そこはちゃんと気をつけてやってかなあかんな、っていうのは思います。

——いい空気で当日を迎えられるように、ですね。メンバーさんもですし、お客さんも含めて。

春:そう。ステージに上がる瞬間に「この4人でステージ上がれてよかったな」って思いたいんです。

——本当にそうですね。

春:よく俺は柊君をいじったりするんです。柊くんはそういうの(弱いところ)をあまり見せないタイプなんですが。

——そうなんですか?

柊:そんなことはないけど…。傷つくときは傷つくし。

春:そこらへんも、気を遣いながらやっていきたいなっていうのはあります。

——普段あんまり弱音を吐かないメンバーさんに対しても、ちゃんと気づいてあげられるようにというか。

春:柊くんが弱音吐いたら、ちょっと面白いから。

——本当にあんまりそういうこと言わないんですか?柊さんは。

柊:いやわかんないです。自覚はない。

——皆さんから見て、あまりそういうことを言ってないイメージですか?

春:強がって、なんか自分の凄さをいつもアピールしてる。

——(笑)強がってる裏で、ちょっとしんどくなってたりするかもしれないですもんね。

春:それはもう柊人のみんなが慰めてあげてください。

——しゅうじん…?各メンバーさんのファンは「なんとか人」なんですか ?

柊:勝手に春さんが言うてるだけです。

唯:根付いてはないです。

柊:自分から言ってる人もいるけど、別に許可した覚えはないです。

——春さんが勝手に?(笑)非公式の二次創作みたいな感じなんですかね。

柊:そうですね。

——春さんは春さんで、チワワみたいな呼び名がありませんでしたっけ。

春:チワワーズ。

——チワワーズ。将さんとかは何か(ファンネーム)あるんですか?

将:ないっすよね。

——ない。将人(しょうじん)とかないんですか。

春:女将(おかみ)!女将(おんな・しょう)やから。

——(笑)

将:女将かー(笑)。

——いいじゃないですか。

将:僕が世話してもらう立場になんのか、それは?

——唯さんは何かあるんですか?

唯:ないっすね私は。言ってないもんね、umbrellaでは。…多分ないです。

——それぞれなんですね(笑)。

BIGCATワンマンに向けて挑戦したいこと|演奏の精度向上から、哲学まで

——本題に戻りますが、BIGCATワンマンというこの大きなチャレンジを成功させるために力を入れていきたいことや、新たに挑戦したいことがあれば教えていただけますか。

唯:個人的には演奏技術をもっと上げたいなという。私も結構精度が悪いんで、ライブの。

——そうですか?

唯:まだまだ全然、自分の歌と演奏の納得できない部分がすごいあって。何回やっても納得できないんで、その成功率をもっと高くしたいなと。

いつものことなんですけども、さらに意識高く持った方がいいかなと思ってますね。見合うようなライブができるようにしたいな、という感じです。

——実際に、成功率がブレてしまう時はあるんですか。

唯:最近、気合いが入りすぎてアホみたいなことをやってるイメージはないけど、もうちょっと堂々とできるんちゃうかなと思ってます。余裕のあるライブができたら、もっといいかもしれんなって。

「会場に呑まれる」ってあるじゃないですか、ライブって。何年やっててもそれは絶対あるし、場所によって、「あれ、この人たちいつもと空気が違いますな」みたいなこともある。

そういう時の対応力とか、気にせずできるようなメンタル、マインドを持っていければなと。

——BIGCATでのワンマンというハードルの高いことだからこそ、その会場でも呑まれないような対応力を。

唯:そうですね。お客さんとして私が見ても「かっこいい」と思えるようなライブができてるかどうかを客観的に考えて、そこに似合うような人になりたいな、というのが来年までの目標です。難しいですけどね。

——他のバンドさんも、課題に感じられてる方いらっしゃると思います。

唯:みんな多分そうやと思うんです、永遠のテーマなんでしょうけど。おっきいとこが似合うように、意識高く持ってこうかなって。あとは体調ですね。

——他の皆さんはどうでしょうか。BIGCATワンマンに向けて挑戦したいこと。

春:いい機会なんで個人的に挑戦したいのは、メンバーのそれぞれのパーソナルな部分を見せるようなことを、ペアで何かやりたいですね。

唯:何?

春:最近、そういうの見れてないんちゃうかなと思って。インストアイベントとかも結構減ってるんで。

それはオンライン上でやるのもいいですし、何かしらBIGCATに向けて、音楽以外のことでもね。パーソナルな部分を見れるような何か、できたらなっていうのはちょっと思ってます。

——いいですね。YouTubeとかぜひ。

春:お客さんが、当日を楽しみに待ってくれる一つのきっかけを作りたいなっていうのはありますね。

——やっぱりお客さんは、当日にかっこいいライブを見たり、ヘトヘトな姿を見たりして楽しみたいとは思いますが、「大きい目標に向けてどうやって頑張ってるのかな」「実際とかどんな準備してるのかな」というのも気になると思うので。そういう姿を見られると、すごく喜ばれるんじゃないかと思います。

春:まあ一案ですけども。

——いいですね!YouTube 1日密着やりましょう。

春:やりましょう(笑)。どっかのワンマンとかで、将くんの機材搬入から。ドラム機材めっちゃ多いんで。

—— 一個一個搬入していく様子をね。

唯:長そう。

将:なるべく早く終わらせます。

——umbrellaさんはヴィジュアル系の中でも特に音楽に強いこだわりを持たれていて、いい音を出すために努力されているので。その中身を見てみたいなとか、裏側を見てみたいなという方は多いのでは。機材の話なんかも面白いと思います。

唯:やりましょう。1日密着かー、どんな景色なんやろな。ずっと撮られてるってことですよね。

——リハから何から。チェキ撮ってるとこ後ろから撮ったりとか。

唯:面白い。あんまそんなことないからいいっすね。そういう動画とかも、春がさっき言ってたようなコンテンツにしてね。

さっきペアって言ってたから、どういうことかと思ってたけど(笑)そういう企画なんやったら全然いいかなと。

——メンバーさん同士で喋ってる動画とかでも面白いと思いますし。

唯:もっとそうやって賑わしていきたいよね。

——パーソナルな部分、人としての魅力みたいな部分をもっと知ってもらって、さらに音楽にも興味を持ってもらえるといいですね。他に何か、BIGCATワンマンに向けてチャレンジしたいことはありますか。

春:やっぱ柊くんの YouTube個人チャンネル開設じゃないですか。

柊:やらへんよそんなん。

——柊さんいいじゃないですか。個人チャンネルに上げるんですか?

柊:何も上げることないです。

——ファンの方…柊人の方は、一個一個機材について語ってるところとか、弦張り替えてるところとか、楽器メンテ行ってるところとか見たいのでは。

柊:見てもね、あんま面白くない。

春:全然俺はやりたい。賛成、大賛成。

柊:俺は別にやりたいと言ってないよ(笑)。

——(笑)実際どうですか、柊さんは。これ頑張ろうと思ってる、とかはありますか?

柊:パッと思いつくのは、もうちょっと演奏力を個人的にあげたいなっていうところですかね。できてないこともたくさんあるんで。

気になる部分はライブであるので、そこをもうちょっと改善していけたらなとは思ってます。

——日頃気になっているところを、克服していくというか。

柊:そうですね。もうちょっと詰めれるところは、たくさんあるかなっていう感じなんで。

——ツアーを通して成長して、ファイナルの時には進化した柊さんが見られるかもしれないですね。

柊:そうですね。あとは、もっと楽曲に対して音の差異をつけていった方がいいのかなって感じです。

今はある程度、限りある中で音のアプローチをしてるんで、もうちょっと増やしていこうかなと。

——いいですね。それは聴いている側もすごく楽しみが増えそうです。

柊:そうですね。せっかく曲たくさんあるんでね。アプローチもちょっと変えていった方がいいのかなって最近思うようになってきて。

——将さんはどうでしょう、BIGCATワンマンに向けて。

将:これね、BIGCATワンマンに繋がるかとか全くわからないですし、むしろ繋がらない可能性の方が高いような気がするんですけど。

そもそもライブをするとはどういう意味かとか、ライブの価値は何かとか。そういうところを一から考え直して、しっかり定義していきたいなっていう。それで自分なりに、深いところで答えを持っていきたいなと。今はそんなことを考えていますね。

——哲学的な問いですね。

将:そうですね。最近よく考えてるのが、生きるってなんやろうとか、人は何のために生きるかとか。じゃあ、自分にとって音楽をやるとは何かとか。その先にライブは何かとか、発展させていって。

根本的に、この自分の中のよくわからない部分をちゃんと明らかにして、取り組んでいきたいですね。

Drums:将
Drums:将

——自分の中の一番内面的な部分を解像度を上げるというか。

将:そうですね。これはまあ、BIGCATワンマンにどう繋がるのかって言ったら、わからないです。

——BIGCATワンマンのみならず、その後にも繋がりそうですね。音楽人生全体を良くしてくれそうなことではあると思います。

将:そうですね。

春:BIGCATワンマンがいいきっかけや!

将:かもしれん。あとは楽器のスキルはいつまでも追求してるんで。それは変わらず継続するとして、って感じですね。

なぜ16年以上バンドを続けられているのか|自然な役割分担と、絶妙なバランス感覚

——17周年を迎えるumbrellaさんですが、解散したり活動休止したりされるバンドさんも多くいらっしゃる中、一つのバンドを16年以上も続けるというのは、簡単なことではないと思っています。これまできっと意見が合わないことやぶつかり合うこともあったのではないかと思うのですが、どのようにしてすり合わせながら続けてこられたのか。どうしてバラバラにならずに、一つのumbrellaという存在として続けてこられたと思いますか。

春:すり合わせが要らない状態にしてる、というのはあるんじゃないすか。

4人いて、もしかしたら誰かはモヤるとこを残したまま続けてくれてる可能性とかももちろんありますけど。やっぱりumbrellaっていうバンド、音楽が好きやっていうので最終的にはやれてるとこって絶対あると思うんで。

俺自身も、多分umbrellaじゃなかったらやれてないんかなって思いますしね。

——ではあまり普段から、わかりやすく意見のぶつかり合いみたいなものはなく。「umbrellaやから」というのは、このメンバーだからということでしょうか。

春:方向性を決めるのは、唯君と俺が話しあうことが多いんで。

「これはできる」「これはできない」というのを、もちろん言うことはありますよ。お互い最終的に納得したかどうかも謎ですけど、それは結局お客さんのために決断してることやから。自分のためとかやったらダメですけど、お客さんのために意見が違うっていうのは、俺は悪いことじゃないと思うんですよね。

大人やし、仕事上の意見が合わないことと、個人のことは分けて考えるじゃないですか。「こいつ意見合わんから」「プライベートでムかつくわ」とか、そんなもん無いじゃないですかもう。そういう時代でもないですし。

2人で意見を決めて、柊くん将くんに「こういう意見で」っていうのを伝えて。で、その2人からちょっと鋭い意見が出たら、「確かにな」ということもある。見落としも絶対あるんでね、俺も。

——方向性の大枠を春さん、唯さんが決められて、という役割分担ができているのと、「お客さんのために」というところですね。

春:それは全員、お客さんの方に気持ち向いてるなと思うんで心配ないです。

唯:私も結構、発案をしないと始まらへんから結構ザクザクした大きいものを言うじゃないですか。それを春がザルみたいなもんでちゃんとフィルターをかけて、綺麗にしてしてくれてるみたいな感じです。

それで多分長いこともってるんじゃないかなと思います。

——なるほど。

唯:だって、メンバー4人もいて。人それぞれの人生なんでやっぱり嫌なこともあるし、「それどうなんやろな?」みたいなことも、やらなあかん時はある。

そこで、やだやだって言ってやめてしまったら、どこへ行っても続かへん人やと思うから。これで16年やってきて、大体みんなその塩梅を知ってるんじゃないかなとは思います。いいバランスではあるから、16年続いてるんやろうなと。

——そうですね。

唯:良きフィルターがあって良かったです。

——方向性を決められているお二人の中でも、役割がさらにうまく分担できていて、良いバランスが取れているんですね。

春:俺は会場とかとやり取りすることが多いんで。具体的な処理を俺がするみたいな感じですかね。

どうしようも無理な時があるじゃないですか、例えば期限とか。今からこれはできんな、っていう場合は、「もうしゃあないそういうもんやし」っていうスタンスで。

唯:そう。「あ、それあかんの。じゃあこれどう?」みたいなディスカッションをして、着地点が見つかったら初めて「こういうことになったけど、みんなどう思う?」って言って回す感じです。

umbrellaを襲った「雨天」|10周年でぶつかったコロナ禍を乗り越えられた理由

——「雨天、結構。」というタイトルにちなみ、これまでの活動の中でumbrellaにとって「雨天」だった出来事があれば教えていただけますか。

唯:一番でかいのはコロナなんじゃないですかね、やっぱり。ちょうど 10周年の時やったから。色んなやろうしてたことを1回バラすみたいなのが多かったし。あと自分の個人的な体調のこともあって、しんどい時期やったかな。

緊急事態宣言なったの、ほんま数日前やんな?

春:本当に。3月14日、10周年記念ライブで味園ユニバースを押さえてたけど、緊急事態宣言が出たのが3月10日前後でしたね。

唯:10周年はきついよねメンタル的に。どうしようもないけど。すごく区切りのいい、大事な年やのにできんかったっていうのは、すごくどんよりした。節目がねえ…ついてねえなあ、とは思ってたんですけど。

でもそっからコロナから脱却した時に、どうスタート切るかと。そこで立ち止まって解散するバンドもいたから、乗り切れたのはすごいかなと思います。

——それはどう乗り切れたと思いますか、今振り返ってみて。

唯:メンバーそれぞれの、いつかできるまでの間の準備とかもあったやろうし。

さっき言ってた、いい意味で保守的なんですけど、ちゃんと我慢して守れたからこそ、無茶しないでスタートできたんちゃうかなっていう。スロースタートやったけど、順調にそこから加速してライブもできたし。リリースもうまいこと決められて。

コロナの時やったっけ、『愚問』やったのも。umbrellaがもうちょっと攻めの姿勢になろうかみたいな、1つギアを上げた動きになったのが、前向きやったんちゃうかなと思います。

——保守的な部分が、いい方に働いたと。

唯:全部バンドを守ってくれるためのものやから、悪くはないんですけど。

特にコロナの時は、本当にお客さんのこともちゃんとみんなで考えて動いてたし、「あえて無理にライブする必要はない」とかも考えてたんやろうし。私らは、すごくそこは強く守ってたんちゃうかなと思います。

いい保守的やと思います、その辺は。

——それがあったから乗り切れて、今があるというところですね。他には何か、これまでで辛かったタイミングありましたか。

春:あの、雨天ってお天気の話やと思ったんすけど。

——お天気の話でもいいですよ(笑)。逆にすごくお天気の悪かったエピソード気になります。

春:それはありますよね。

柊:多分、一番最初にサポートで入った時のライブが東京やったんですけど。大雨やった気がするんですよね、行く時。で、その後また大雨で、大阪まで帰ってこれへんかったみたいな。

——すごいスタートしましたね。

将:それこそ天気の話で言ったら、冬に千葉から新潟移動するときにタイヤがノーマルやって、「スタッドレス履いてないと高速乗られへん」みたいな状況になって。新潟に行かれへんかもしれへん!とか。

柊:Route Fourteenの店長のお父さんにタイヤ借りて履き替えて、東京向かったっていうころもありましたね。

——助けてもらったんですね。

柊:そう。ほんまの雨天ですね。

これから先に待ち受ける「雨天」とは|「俺たちが嵐を呼ぶかもしれない」

——これまでのことをお聞きしたのですが、これから先のumbrellaにどのような「雨天」が待ち受けていると思いますか。そして、それに対してどう向き合っていきたいですか。

唯:ここ最近、結構大きいイベントにたまにこうひょろっとね、umbrellaの名前が出てくることがあるから。こういうとこでいい結果を出せるようにしなあかん。

天気で言うと、荒れた天気になりそうやなっていう感覚じゃないですかね。

——前向きな荒天ですね。

唯:そうそう。大きいイベントに出られるチャンスが増えてきてるから。そこをどういい結果にできるかっていう感じの思い、雲行きですね。

春:それはある。

唯:大嵐の中、私たちがどう立ち向かえるかって感じじゃないですか。

柊:俺たちが嵐を呼ぶかもしれませんしね。

春:おおっ!

——いいじゃないですか!

柊:嵐を呼ぶ男になるかもしれませんしね。

春:いいやん。今日の柊くんのインタビュー、もうそれだけいい。

唯:今撮れ高すごかった。

春:他全部カットでいい。

——それ見出しにしましょうか。

春:俺が嵐を呼ぶ男になる。俺が嵐だ。——柊

柊:俺がとはいうてへんがな(笑)。

——(笑)

春:今後どんな雨天が待ってるかって、ポジティブではないこと、困難とかっていうことですよね。

確かに唯君と俺も近くて、やっぱり認知も上がっていくにつれて、刺さるか刺さらないかはっきりしてくるバンドだと思うんですよ、umbrellaって。今のヴィジュアル系シーンど真ん中の音楽性ではないですし。応援してくれる人が多くなればなるほど、刺さらない人は絶対存在して。

業界の偉いさんとかそういう立場のある方で、ひどい言葉を投げかける人もいるって聞きますんで。だからそういう場面に、絶対いつかは直面するんだろうなっていう。

どう乗り越えるかって、いちいち気にしない。誰が言われてもね。メンバー 4人いて、もしかしたら俺が言われるかもしれないし。いちいち引きずらずに、「うんなるほどな」と思うことがあれば、そこを取り入れたらいいし。「お客さんが楽しんでくれるいいライブをやるぞ」という気持ちを忘れないことかな。

——そうですよね。力のあるような方から言われたら、ちょっと食らってしまうこともあるかもしれないですけど。

春:そうそう。でも結局音楽って、好き嫌いの話だから。たまたまその人に刺さらんかっただけ、っていうことは往々にしてあるんで。今後umbrellaがぶつかっていくことやろな、っていうのは思います。

——たくさん知られて、大きなところに出ていけば行くほど、そういう場面もあるかもしれないですけど、それ以上にたくさん応援している方がいらっしゃいますからね。

春:はい、そこにたどり着いていくってことは応援してくれる人がいる証拠なんで。

Bass:春
Bass:春

ファンと共に見たい景色|堂々とした姿で、特別な1日を楽しめるように

——では【雨天、結構。】ツアー、 17周年ワンマンまでの一連の流れを通して、ファンの皆さんと一緒にどのような景色を見たいか。そしてその景色の先にどういう未来を目指しているか、教えていただけますか。

唯:もちろん、一人でも多くの人に知ってもらって、最終的にBIGCATでのツアーファイナルにみんなが来てくれることは、願いとしてあるんですけど。

なんかね、いつもいい景色ではあるんですよ。ライブってそうで。もっと素直に自分が、「すげえ楽しいな」っていうライブをやっていけたらなっていう。「どうライブしなあかん」と考えながらライブすることってあるじゃないですか。そうじゃなくて、素直に楽しめるライブもあると思うんで、そういう景色をみんなに見せたいなと。

気張らずに堂々とできる。そんなライブを来年のBIGCATまでには仕上げたいなと思ってますね。

——そこに繋がってくるんですね。演奏力だったりを上げて。

唯:そう。全部上げた状態で、堂々と楽にライブをしてる状態を見せられる方が、今後のumbrellaでも先が見えるんちゃうかなっていう。

——自信をつけてというか。

唯:うん。一番それがいいんじゃないですかね。自信つけるって今後にすごく影響すると思うし、どこへ出ても、堂々とできるバンドになれたらいいんじゃないかな。

Vocal / Guitar:唯
Vocal / Guitar:唯

——他に、こういう景色を見たい、その先にこういう未来へたどり着けたら、というのはありますか。

柊:長年やってると、周りの仲間たちもいなくなってくるっていうのも実感しますし、それって実はバンドだけじゃなくて応援してくれてる人たちもそうで。いろんな事情があって、来れなくなったり。「今日が事実最後のライブだ」って人が、きっとどっかにいるんですよね。

その人のファイナルっていうのは、俺たちのファイナルと別に関係なくて。そういうとこに立ち会った時に、「今日来てよかったな」って思えるようなライブをしたいですね。

ライブっていうのは特別なもんなんだなっていうのを、最近よく思うんです。もちろん今までもこの認識はありましたし、大事にしてないわけではないんですけど。最近よりそれを思うようになって。「誰かのための特別な1日だ」っていうのを、改めて感じながらライブしていきたいなっていう感じですね。

常にその時が一番いい状態、一番かっこいい状態を目指せるようにはしていきたいです。

——常にベストを見せる。素晴らしいですね。春さんはどうでしょうか。

春:ツアーが長期間になるんで、お客さんも向き合う期間が長いというか。ツアーファイナルBIGCATが始まったら、涙が出るんじゃないかなという感覚もあるんです。

自分も結構柔道観戦とか好きで、常に選手のこと調べたりとか、密着見たりとかするんですよ。やっぱりオリンピック本番で涙を流してしまうこともあるんで。

そうやってよりumbrella4人のことを好きになってほしいですし、そう思ってくれる人をどんどん増やしたい。やっぱり、人が増えるといろんなことが変わってくる。俺らの音楽を聴いてくれる人がどんどん増えてくるんで。ファイナルBIGCATワンマンは、もう俺らのことが好きでたまらない人たちで埋め尽くしたいなっていうのはあります。

もう存分ににきゃーきゃー言うてほしいですね。

——キャーキャー黄色い声援で埋め尽くしていただいて。

春:いや、やっぱね、昔からSADSのライブとか行ってましたけどかっこいいですもん。俺は叫んでほしいです。

——将さんはいかがでしょう。

将:未来とは全く関係ないかもしれないですけど、エーリッヒ・フロムが出した『自由からの逃走』っていう本があるんですよ。

もともとは戦時中に、ナチスによって支配されたユダヤ人の精神状態を描く本なんですけど。人っていうのは、自分が自分であることに耐えられないっていうんですよね。独立した自分であるっていうのはすごく辛い状態であって。

で、そういう辛さを軽減するために、バンドとかこういう娯楽があると思うんですよね。

——ほう。

将:だから、できればなるべく広い範囲のいろんな人に対して、そういう辛さから逃げる場所であってほしいなっていう。umbrellaという存在が。

——1回目のインタビューでも「居場所」みたいなお話あったと思うんですけど、そういう辛さから逃れられる場所でありたいっていうところですかね。

将:そうですね。

傘人、読者へのメッセージ|人生を変えるきっかけ、そして居場所となり、求め合いたい

——では最後に読者の方、そしていつも応援してくださっている傘人の皆さんへ、メッセージをいただけますか。

柊:常に一番いい状態、ベストな状態でライブを届けられるようにしたいとは思ってるんで。

あと、長く続けてる一つのポリシーとして、「見たいと思った時に、俺たちがいる」っていうのはすごく大事なことだと思うんですね。見たいと思った時にバンドがいなかったら、やっぱライブが見れないんで。

だから、どこでも気軽に来れるような状態を作りたいなとは思ってます。これからもどこかで行く機会があれば、応援してもらえたら嬉しいです。

将:僕らがおってみんながおるっていう。その関係さえ続けていければ、楽しい時間が過ごせると思ってます。

人が1人存在することと、バンドっていう4人、5人の集合体がそのまま存在するっていうことを比べると、多分バンドが存在する方が難しいと思うんで。その存在するコストをなるべく頑張って払い続けて、頑張って存続させて。楽しい場所をこれからもずっと作れるように、頑張っていきたいなと思ってます。

春:このヴィジュアル系百科という、すごい頑張ってるWEBメディアでこうやってインタビューしてもらえて、本当にありがとうございます。

自分もヴィジュアル系バンド好きだったり、ロックバンド好きだったり、その知るきっかけってやっぱりメディアだったり。ライブで知るっていうことももちろんありましたけど、黒夢をテレビで見たり、いろんなバンドをラジオとか雑誌とかで知って、それで自分の人生選択が変わって、今バンドっていうのやってて。

だから、このヴィジュアル系百科のインタビュー記事が触れるきっかけになって、それで何か人生がいいように変わるきっかけになってもらったらすごく嬉しいんで。ぜひライブに足を運んでほしいなと思います。

いつも応援してくれてる皆さんは、なんかのきっかけで多分人生が変わって今応援してくれてるわけなんで。人生を狂わせた我々としては、絶対幸せにするんでついてきてください。

唯:ヴィジュアル系百科っていう急に現れて、急に頭角を現し始めた、今後大きくなるんやろうなって思うメディアが、umbrellaに目をつけてくれたことがすげえ嬉しいし。できるんなら私らも一緒に大きくなっていきたいなと思うので、お付き合いのほどよろしくお願いします。

長くやってたら、当然のようにファンがいるっていう安心感を持ってるところも、他のバンドとかはあるかもしれない。当然のようにファンがいて、俺たちは与え続けてるんだ、みたいな。

そんな傲慢なことは私は全く思ってないんやけど、やっぱりどっちも必要としてもらいたいんですよね。僕もファンは必要やし、ファンもumbrellaがめっちゃ必要やって思ってもらえるような。需要と供給というか。どっちも求め合えるような関係図でいつもいたいなっていう。

私あんまり命の話する感じではなかったんですけど、年を重ねていくごとにライブっていうのは行きづらくなったりする場合も多分あると思う。環境が変わってとかあると思うんですけど、私らも別にね、終わるために始めてるわけじゃないから。ずっとできるならやりたいけど、やっぱりお互いどうなるかわからへん。

いつもライブを貴重なものとして、私もしっかり1日1日のライブをしていくので。気軽に来てもらってもいいんですけど、貴重なライブをみんなで刻めればなと。記憶に刻めるようなライブをお互い共有できればなと思うので、今後ともumbrellaっていう貴重な音楽をよろしくお願いします。

まとめ|umbrellaと共に、雨雲を抜けた先の景色へ

17周年記念BIGCATワンマンという、新たな挑戦を決意したumbrella。

彼らの言葉から見えてきたのは、真っ直ぐに音楽へ向き合い、自分たちができる最高のライブを追求し続ける謙虚な姿勢だった。

困難に直面した時にも、自分たちらしさを忘れず乗り越えてきた彼らだからこそ、今回の新たなチャレンジの中で荒天に見舞われてもきっと「雨?どうってことねえよ」と笑ってみせてくれるのだろう。

2027年3月18日、果たしてどんな景色が広がっているのか。

umbrellaが歩む道のりを、今後も追い続けていきたい。

インタビュー:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子
写真:おにてん。(X:@nowing_oniten

umbrella

公式サイト:https://xxumbrellaxx.com

X:@umbrella_DATA

Instagram:@umbrella_official_

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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