
ハロウィンムードが高まり始めた、2026年10月19日。
大阪・心斎橋にあるライブハウス、心斎橋CLAPPERにて「Zeke Deux Halloween TOUR 大阪編」が開催された。
この日のトッパーが、名古屋を拠点に活動するMeltyCΛlt(メルティカルト)。
ハロウィン公演ということで、メンバーたちは警察官をモチーフにした衣装を身にまとい、普段とは一味違った姿を披露するという。
開演前の会場には、幻想的な映画の幕開けを思わせる、華やかでどこか不気味なBGMが流れていた。
入場〜開演
やがて、ステージを覆う幕がゆっくりと開いていく。
そこに姿を現したのは、警察官をモチーフにした衣装を身にまとったMeltyCΛltのメンバーたち。
ボーカル・響、ギター・柊、ベース・葵、そしてサポートドラム・Rui。
妖しげな空気の中、いよいよMeltyCΛltのステージが幕を開けた。
1曲目|MeltyKiss
演奏が始まると、華奢なルックスからは想像もつかないほどの、重厚なバンドサウンドが押し寄せる。
「キスしてよ口が寂しいの
満たされて消えて
重ねた体重ねた嘘
釣り合ってゆくのでしょう」──MeltyCΛlt『MeltyKiss』より
甘美でありながら、歪んだ愛情を感じさせる歌詞。
響は一言一言に感情を込め、艶やかな歌声でその詞世界を紡いでいく。
切実な言葉に重なるのは、厚みのあるヘヴィなサウンド。
華奢な4人の姿と、そこから放たれる迫力満点の演奏のギャップに、思わず耳を奪われる。
2曲目|勧誘
「あなたは、神を信じますか?」
響の問いかけと共に、ファンたちは激しく頭を振る。
赤色を基調とした照明がステージを不気味に染め上げ、怪しげな宗教儀式を思わせる。
間奏では、柊と葵が向かい合い、息の合ったプレイを披露。
華麗なギターフレーズと、しなやかにうねるベースラインが絡み合う。
終盤では、響がフロアをじっくりと見渡す。
目の前の観客たちへ視線を送りながら、妖しくも力強い歌声を届けた。
3曲目|ヒエロフィリア
間髪入れずに次曲へ。
イントロからファンたちは上下に激しくモッシュし、楽しげに身体を揺らす。
「何かに依存して失敗して繰り返し
私の中に来る 真実のパラノイア」──MeltyCΛlt『ヒエロフィリア』より
重厚なバンドサウンドに乗せ、響は感情を込めて歌い上げる。
「壊れたって構わない
溺れたって構わない
揺さぶられた元の形はもうないの」──MeltyCΛlt『ヒエロフィリア』より
一斉に、激しい折りたたみヘドバンが炸裂。
柊のギターソロが鋭く切り込む傍らでは、響が葵の頭を優しく撫でる一幕も。
MC
「溶けるような救済を。
MeltyCΛlt、名古屋から来ました。よろしくお願いします。」
響が改めて挨拶をする。
「今日は愛知県警として大阪に参りました(笑)」
と、この日の警察官をモチーフにした衣装に触れ、ユーモアを交えながら話す。
「Zeke Deuxさんには本当によくしていただいて。
今日は呼んでくれて、ありがとうございます!」
主催のZeke Deuxへ感謝を伝えると、話題は名古屋ならではの文化へ。
「名古屋には、社交ステップっていう文化があるんですよ。
みんなで一緒にやろうかなと思うんで、お付き合いください。」
そう言うと、響は優雅に片手を上げ、左右へステップを踏んで見せる。
「それでは次の曲、一緒に踊りましょう。『idolize』」
4曲目|idolize
響が手本を見せると、ファンたちも優雅に左右へステップを踏む。
まるで舞踏会を思わせる、耽美的な光景が広がった。
「祈り縋る信者の声
呼吸をする意味を問う
今日も世界は私を拒む」──MeltyCΛlt『idolize』より
ファンたちは祈るように両手を組み、そのまま折りたたみヘドバン。
響の澄み切った歌声は、重厚なバンドサウンドの中、壮大な広がりを見せる。
「Mercy… Curse me
どうかこの罪深き魂へ
救済の鉄槌を」──MeltyCΛlt『idolize』より
柊と葵は同じフレーズを奏でながら、身体の動きまでぴったりと揃え、息の合ったアンサンブルを見せた。
5曲目|MeltyCΛlt
「お前ら、これで最後の曲だ! 一緒に暴れてください!」
響の叫びと共に、重厚かつ疾走感あふれるサウンドが押し寄せる。
「慟哭の連鎖が祈りへ変わり
奈落の果てでゆらめく影が」──MeltyCΛlt『MeltyCΛlt』より
Ruiの力強いドラムに、柊の鋭いギターと葵のベースが重なり、勢いを増していく。
「破滅の風に身を委ねて
聖域に足を踏み入れたなら
溺れるほどの信仰で
痛みをすべて忘却せよ」──MeltyCΛlt『MeltyCΛlt』より
響の凶暴なデスボイスが炸裂。
しかしサビでは、どこかあどけない少年を思わせる、繊細で真っ直ぐな歌声へ。
「崇めよ 新たなメシアを
理性が蕩け落ち
アカーシャの頁にもない世界へ」──MeltyCΛlt『MeltyCΛlt』より
リバーブのかかった、渋みのあるギターの音色が独特の陰影を添える。
葵は柵に足を掛け、身を乗り出しながらベースを掻き鳴らした。
そして、響が喉を振り絞るような凄まじいシャウトを放つクライマックス。
演奏を終えると、メンバー一人ひとりが丁寧なお辞儀をし、ステージを後にした。
まとめ
ハロウィンならではの警察官姿で、心斎橋CLAPPERのトップバッターを飾ったMeltyCΛlt。
囁くような繊細な歌声から、凶暴なデスボイスまで自在に操る響。
柊の技巧的なギターと、葵のしなやかで存在感のあるベース、そしてRuiの力強いドラムが重なり、わずか5曲ながらも濃密なステージを繰り広げた。
甘美でありながら、どこか危うい。
そんな相反する要素を巧みに織り交ぜながら、観客を自分たちの世界へと誘っていくMeltyCΛlt。
今後どのような音楽を生み出し、どんなステージを見せてくれるのか。
名古屋から全国へと活動の場を広げていくであろう彼らの、これからの歩みに期待したい。
レポート:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子
Instagram:@meltycalt

