【インタビュー】MeltyCΛltとは|「溶けるような救済」を掲げて。名古屋から世界を目指す、新たな“宗教”

  • URLをコピーしました!

Language

「溶けるような救済」をコンセプトに、名古屋を拠点として活動するヴィジュアル系バンド「MeltyCΛlt」。

平均年齢20歳という若さながら、重く激しいロックサウンドと、聴く人の心情に寄り添う繊細な歌詞やメロディを通して、人々の心に救済の手を差し伸べている。

自らを“教祖”と名乗るVo.響を中心に、御曹司のGt.柊、執事のBa.葵が集い、2026年7月22日には名古屋・HOLIDAY NEXT NAGOYAにて始動主催ツーマンライブを開催。

新たな“宗教”の布教活動をスタートさせた。

今回、ヴィジュアル系百科では、MeltyCΛltのメンバーにインタビューを実施。

現在のメンバーが集まった経緯や、それぞれの音楽ルーツ、実体験から生まれた「MeltyKiss」の制作背景、そしてライブやファンに対する思いについて語ってもらった。

目次

MeltyCΛltとは|「溶けるような救済」を掲げる、名古屋発の宗教

——まずは、MeltyCΛltとはどのようなバンドなのか教えてください。

響: MeltyCΛltは、平均年齢20歳の、皆様の心の拠り所になれるような名古屋発の宗教です。僕が教祖で、葵が執事、柊が御曹司という役職で、一緒に布教活動をしています。

コンセプトは「溶けるような救済を」。

重めのロックサウンドで日常を忘れさせるような救済と、繊細な歌詞やメロディで心を軽くする救済。その両方を表現しています。

——「宗教バンド」ではなく、「宗教」と言い切るのが印象的ですね。そもそも、なぜ宗教というコンセプトなのでしょうか。

柊: 「MeltyCΛlt」の「CΛlt(カルト)」って、教団という意味もあるじゃないですか。僕たちは「救済」を一つのテーマにして活動しているので、そのイメージが自然と宗教につながっています。

悲しいことや嫌なことがあった人に、音楽を通して手を差し伸べたい。その気持ちが根底にあります。

葵: 音楽を使って人に救済を届けたいという思いがあります。

その上で、自分たちを信じてもらい、心の拠り所になれる存在になるには、「宗教」という言葉が一番しっくりきたんです。

響: 僕自身、生きてきた中で、自分一人ではどうにもならないことがたくさんありました。

何かにすがりたくなったり、依存したくなったり。そういう経験をしてきたからこそ、同じような人は世の中にたくさんいると思ったんです。

だったら、自分が教祖になって、その人たちの気持ちを全部受け止めたい。「全部自分が救済する」。

そう思って、このコンセプトを作りました。

——まず「宗教」をやりたいと思ったのでしょうか。それとも、バンドをやりたいという思いが先だったのでしょうか。

響: バンドですね(笑)。

ヴィジュアル系バンドをやりたいという気持ちが先にあって、その中で「自分たちだからこそできるコンセプト」を考えた結果が、宗教でした。

——「溶けるような救済」という言葉にも惹かれます。この「溶ける」という表現には、どのような意味が込められているのでしょうか。

響: 「Melty」という言葉には、「溶ける」という意味だけじゃなくて、「甘い」というイメージもあるじゃないですか。その柔らかくて優しい印象も好きだったんです。

それともう一つ、「僕たちとファンのみんなが溶け合って、一つになれたらいいな」という意味も込めています。ライブでも、音楽でも、最後はみんなで一つになれたら、それが一番幸せだと思うので。

Vo.響

中学生から憧れ続けたヴィジュアル系|MeltyCΛlt結成までの歩み

——MeltyCΛltはどのような経緯で結成されたのでしょうか。現在のメンバーが集まった理由も教えてください。

響: 結論から言うと、僕が全員無理やり集めました(笑)。

僕自身、中学生の頃からヴィジュアル系がすごく好きだったんです。楽曲を聴いたり、メイクを真似したり、派手髪にしたり。「いつかヴィジュアル系をやってみたい」という気持ちはずっとありました。

でも、どうやって始めたらいいのかも分からないし、自分が本当にやれるなんて夢のまた夢だと思っていました。

高校では軽音部に入っていたんですが、ライブハウスに出演した時、スタッフさんに「ヴィジュアル系が好きなんですよ」って話をしたら、「同じ高校出身のヴィジュアル系バンドマンがいるよ」と紹介していただいたんです。それが、生生世世のDr.汰瑯さんでした。

連絡を取ってみたら、「手伝ってあげるから、一緒にやろうよ」と言ってくださって。

太郎さんは撮影や映像編集もされているので、アーティスト写真やMVを撮っていただいたり、衣装のことまで相談に乗っていただいたり、本当に最初の土台を全部作っていただきました。

そのあと、もともとロックバンドで一緒に活動していた柊に「ヴィジュアル系をやるからついてきて!」と声をかけて。

葵は別のバンドでベースを弾いていたんですけど、「顔がいいな」と思って(笑)。ヴィジュアル系は知らないだろうけど、とりあえず来てくれ!って誘いました。

——始動主催ライブが生生世世とのツーマンだったのも、そういったご縁があったからだったんですね。

響: そうなんです。本当に汰瑯さんにお世話になったので、「最初は絶対に一緒にやりたい」と思っていました。

——柊さんは、響さんから誘われた時、どのようなお気持ちでしたか。

柊: 僕と響は、目指している方向性がずっと一緒だったんです。前のバンドをやっていた頃から、「いつかヴィジュアル系をやりたい」という話も聞いていましたし、響が作ってくる曲も毎回「いいな」と思っていました。

だから、新しくまた一緒に高みを目指して活動できるのは純粋に嬉しかったですね。

ヴィジュアル系をやるなら、もっと顔が良くてギターが上手い人を誘うこともできたと思うんです。それでも「一緒に来てほしい」と言ってくれたことが、本当に嬉しかったです。

——お二人は音楽の好みも似ていたそうですね。

響: そうですね(笑)。

2人とも結構オタクで、BanG Dream!(バンドリ!)が好きだったり、重めの音楽が好きだったり。好きな音楽の方向性がすごく似ていたので、「やっぱり一緒にやろう」と自然になりました。

——葵さんは、誘われた時はいかがでしたか。

葵: もともと別のバンドをやっていて。響と柊がやっていたバンドとも対バンしていたんです。その頃から「すごく見本になるバンドだな」と思っていました。

そんな2人から誘ってもらえたこと自体がすごく嬉しかったです。

僕、結構イエスマン気質というか、「ベース弾いて」って言われたら割と誰にでも「いいよ」って言うタイプなんですけど(笑)。でも今回は、自分から「やりたい」と思って返事をした感覚でした。

「求めてもらえているなら、自分が持っているものを全部渡そう」。そんな前向きな気持ちで加入しました。

東方Project、BanG Dream!、関ジャニ∞|3人それぞれの音楽ルーツ

——皆さんそれぞれの音楽ルーツや、影響を受けたバンド・アーティストを教えてください。

響: 小さい頃はピアノを習っていて、その頃はクラシックしか聴いていませんでした。

自分の中で「音楽って面白いな」と思い始めたのは中学生くらいですね。一番大きかったのは東方Projectでした。うごメモとかをきっかけに知って、本当にずっと聴いていました。

今でも自分が作る曲で、東方Projectのコード進行と全く同じになってしまう時があるくらい影響を受けています(笑)。

その後はBanG Dream!を見て、「ギターを弾きたい」と思うようになって、高校からギターを始めました。当時は周りも邦ロックばかり聴いていたので、自分もアニソンや邦ロックをよく聴いていましたね。

転機になったのは高校3年生の時です。Acid Black Cherryを初めて聴いて、「めちゃくちゃかっこいいな」と思って。

そこからボーカルをやりたいと思うようになって、さらに甘い暴力さんなどヴィジュアル系を本格的に聴くようになりました。

歌詞は、メロディとはまた別と捉えていて。「この言い回し好きだな」とか、「ストーリー性がすごいな」と思う歌詞はずっと頭に残るので、自分が作詞する時もそういう部分には影響を受けています。

——柊さんはいかがでしょうか。

柊: 楽器を始めたきっかけは父親ですね。最初はアコースティックギターを教えてもらって、ゆずとかMr.Childrenを弾いていました。

その後、小中学校の友達にONE OK ROCKを教えてもらって、「ギターってこんなにかっこいいんだ」と思ってエレキギターを始めました。その友達は今でも、自分のエレキギターの師匠だと思っています。

そこからONE OK ROCKのToruさんに憧れて、ずっと練習していました。BanG Dream!のRoseliaにもすごく影響を受けましたね。

ただ、今の自分を一番形成しているのは、BanG Dream!の新しいシリーズです。

高校卒業前、進路を考えていた頃に一度BanG Dream!から離れていたんですが、『It’s MyGO!!!!!』を観て、「今までのバンドリより面白い」と衝撃を受けたんです。

最終話で流れたAve Mujicaの「Ave Mujica」を聴いて、「バンドリでこんなゴシックメタルをやるんだ」とさらに衝撃を受けました。その勢いで7弦ギターを衝動買いして(笑)。TAB譜を見ながら全曲コピーするくらいハマりました。

そこからはJILUKAやSABLE HILLSといったヴィジュアル系やメタルもたくさん聴くようになって、今のギターに繋がっています。

——響さんとは共通の趣味も多いそうですね。

柊: そうなんです(笑)。僕はゆっくり実況が好きで、そこから東方Projectを知ったんです。

好きなものも、曲の好みもすごく近いので、話していても全部通じますし、曲も作りやすいですね。だからMeltyCΛltに誘われた時は、断る理由がありませんでした。

——葵さんはいかがでしょうか。

葵: 自分は父がピアノの調律師なので、小さい頃から自然と音楽に触れる環境で育ちました。

でも、バンドを始めるきっかけになったのは関ジャニ∞なんです。小学校6年生の時にライブ映像を観て、バンド演奏をしている姿がすごくかっこよくて。「自分も人前で演奏したい」と思ってベースを始めました。

中学生の頃は周りにバンドをやる人もいなかったので、一人でずっと弾いていましたね。

高校ではジャズの部活に入って、ベースの弾き方だけじゃなく、「どう曲に乗るか」という部分もすごく勉強しました。今でもベースを弾く時は、その経験が活きています。

ライブのパフォーマンスも、ジャニーズの影響が大きいです。「どう見せたらお客さんに楽しんでもらえるか」という部分は、男性アイドルの立ち回りから学んだことが多いですね。

ヴィジュアル系がルーツというよりは、どちらかというとポップス寄りの音楽から影響を受けてきました。

ただ、中学生の頃は家にあったX JAPANのバンドスコアを見ながら練習していました。父が80〜90年代の音楽が好きだったので、その影響でTAIJIさんのベースをずっとコピーしていたんです。

今思えば、その頃の経験も自分のベースに繋がっているのかなと思います。

「この人に刺さる言葉」を届けたい|MeltyCΛltの楽曲制作

——MeltyCΛltの楽曲は、どのような流れで制作されているのでしょうか。作詞・作曲で大切にしていることも教えてください。

響: 作詞・作曲は全部僕です。まず自分がデモを作って、最初にドラムへ渡します。そのあとギターとベースにも同じタイミングくらいで渡して、「好きなようにやって」とお願いしています。

ギターも最初はコードしか入れていませんし、細かいフレーズは全部メンバーに任せています。専門の人に任せた方が、絶対にいいものになると思っているので。

僕自身が曲作りで一番大切にしているのは、耳に残るメロディですね。「また聴きたい」と思ってもらえないと次には繋がらないと思うので、キャッチーなメロディはすごく意識しています。

——ライブを想像しながら曲を作ることもありますか。

響: ありますね。「ヒエロフィリア」という曲は、「モッシュさせたいな」というところから作り始めました。

ヘドバンだけじゃなくて、左右に動いた方が楽しいかなとか、「このくらいのBPMなら動きやすいかな」と考えながらフレーズを組み立てていきました。

——歌詞では特に意識していることはありますか。

響: 歌詞は、ターゲットをちゃんと絞って書いていますね。「この人に向けて書く」という相手を頭に思い浮かべながら、その人ならどう考えるかなとか、どういう言葉を掛けてもらえたら嬉しいかなとか。その人の気持ちになりきって書くようにしています。

——かなり具体的に相手を思い浮かべながら書かれているんですね。

響: そうですね。特別誰かに教わったわけではないんですけど、世の中の会社も「誰に届けるか」を考えて商品を作るじゃないですか。それと同じ感覚です。

優しい曲なら、その曲が刺さる人に向けて書きますし、それ以外の曲でもMeltyCΛltは「救済」がコンセプトなので、「救済」という言葉は歌詞にもよく出てきます。

やっぱり僕たちはカルト教団なので(笑)。最終的には、僕たちを絶対的に信頼してもらえる存在になりたいんです。

僕、神様という存在がすごく好きなんですよ。何かあった時に祈れる存在がいるって、人は救われるじゃないですか。

だから自分も、誰かにとってそういう存在になりたい。「神になってやろう」という気持ちはあります。

——救いたい相手に向けての言葉なのですね。柊さんは、ギターアレンジで意識していることはありますか。

柊: 僕は激しい曲が好きなので、重めの曲ならデスボイスやシャウトが似合うようなギターフレーズを考えます。

逆に「MeltyKiss」みたいなキャッチーな曲だったら、ちゃんとリファレンスになる曲を聴いて、「こういう音がいいな」「こういう雰囲気が合うな」と研究しながら作っています。

曲ごとに求められるものが違うので、その世界観に合わせることを意識していますね。

——なるほど。葵さんがベースアレンジでこだわっていることも教えてください。

葵: 自分は物語性を一番大事にしています。歌詞や世界観を何度も聴きながら、「この場面ではベースに何が求められているんだろう」と考えるんです。

もちろんドラムとのグルーヴやリズムも大切なんですけど、それ以上に、この場面では疾走感を出した方がいいのか、それとも落ち着かせた方がいいのか。曲のストーリーに合わせて弾き方を変えています。

実体験から生まれた『MeltyKiss』|共感を呼ぶ切ないラブソング

——MVも公開されている「MeltyKiss」は、どのような楽曲なのでしょうか。ぜひ注目してほしいポイントも教えてください。

響: 「MeltyKiss」は、めちゃくちゃ裏話があって……ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。高校生の頃から知っている女の子がいて、その子の心情を考えて作った曲なんです。

自分はその気持ちに応えられなかったんですけど、「あの時、相手はこう思ってくれていたんだろうな」とか、「好きって言えなかったのには、こういう理由があったんだろうな」と想像しながら歌詞を書きました。

実体験をもとにしているので、結構リアリティはあると思います。

実際、ライブでも「分かる」って言ってくださる方が多いですし、以前Instagramのストーリーで「好きな歌詞はどれですか?」と聞いた時も、9割くらいが「MeltyKiss」の歌詞を選んでくれていました。

やっぱり実体験だからこそ、同じような気持ちを経験した人に共感してもらえているのかなと思います。

——響さん自身の経験を元にしたストーリーなのですね。柊さんは、ギタリストとして注目してほしいポイントはありますか。

柊: 一番最後のサビで弾いているリードフレーズは、ぜひ聴いてほしいですね。

個人的には、ラスサビ前のCメロが一番好きです。コード進行が変わったり、少し展開が変わるところがすごく好きなので。

そういう「おっ」と思える部分を楽しんでもらえたら嬉しいです。

——葵さんはいかがでしょうか。

葵: 自分も一番好きなのはCメロです。

歌詞も、過去を振り返りながら今を見ているような内容だと解釈していて、その感情の揺れをベースでも表現したいと思いました。

オクターブを使って急に高い音へ行ったり、また低音へ戻ったり。ストーリーが進むにつれて感情がぐちゃぐちゃに揺れ動いていく様子を、ベースラインでも表現しています。

Aメロ、Bメロ、サビ、それぞれ少しずつ弾き方も変えているので、注目して聴いていただけたら嬉しいですね。

「救済」と唱えてステージへ|MeltyCΛltがライブで意識していること

——先日、始動主催ツーマンライブを終えられましたが、ライブではどのようなことを意識していますか。

響: 僕は教祖なので、どっしり構えていたいですね。笑顔で盛り上げるというよりは、「この人がいるから安心できる」と思ってもらえるような存在でいたいです。

そういう安心感が伝わるステージングを目指しています。

——実際、初ライブはいかがでしたか。

響: 当たり前のように緊張しました(笑)。

楽屋でもずっと「救済、救済……」って唱えていました。自己暗示みたいなものですね。

でもアンコールは全然緊張しなくて、もう好き勝手やって。やっと救済されました(笑)。

——そうだったんですね(笑)。柊さんと葵さんはいかがでしたか。

柊: 程よい緊張はありましたけど、そこまでではなかったですね。

ライブでは、棒立ちで弾かないことを意識しています。せっかく激しい曲も感情的な曲もあるので、ちゃんと動いて、その曲の熱量を見せたいです。ヴィジュアル系なので、演奏だけじゃなくてパフォーマンスも表現の一つだと思っています。

あと、かっこつけたいですね(笑)。アーティスト写真では結構怖そうな雰囲気なんですけど、ライブでは「意外とかわいいですね」ってよく言われるんですよ。

最初はギャップがあるなと思っていたんですけど、最近は「それはそれでいいか」と思っています(笑)。

葵: 自分は執事という役割なので、まずは教祖である響を引き立てることを意識しています。もともと全身でリズムを取るタイプなんですけど、その動きも執事らしく優雅に見えるようには考えていますね。

前回のライブでも、その部分を見てくださった方が結構いて、伝わったのかなと思いました。

それと、ライブに来てくださる方は時間を使って来てくださっているので、その時間を特別なものにしたいです。ライブでしか味わえない空気や体験を届けたいと思っています。

Ba.葵

—いいですね。ちなみに、教祖・執事・御曹司という役職は、どのように決まったのでしょうか。

響: 全部僕が決めました(笑)。

葵は絶対メガネが似合うと思ったんですよ。メガネが好きな人って一定数いるじゃないですか。それで伊達メガネを渡して、「今日からこれでいこう」って。

そこから『黒執事』のイメージもあって、「執事だな」と思いました。

葵: 普段はコンタクトなんですけどね(笑)。まさかメガネをかけることになるとは思っていませんでした。

響: 柊は顔がお坊ちゃまっぽかったので(笑)。髪型も含めて、「御曹司しかないな」と思いました。

柊: 後付けではあるんですけど、ちょうど父が会社を立ち上げた時期でもあったので、「じゃあ御曹司でいいか」と(笑)。結果的にしっくりきています。

「全部委ねてくれたら救済する」|ファンと築きたい関係

——これからファンの皆さんと、どのような関係を築いていきたいですか。

響: やっぱり宗教なので、教祖と信者という関係ですよね。

もちろんそれが一番なんですけど、それだけじゃなくて、対バンイベントに出た時も、自分たちのお客さんが他のバンドさんのお客さんとも揉めたりせず、どこへ行っても変わらずいい関係を築いていけたらいいなと思っています。

——信者の皆さんには、どんな存在でいてほしいですか。

響: とりあえず、自分だけを見てくれたらいいです。全部委ねてくれたら、最後まで救済します。

——頼もしいですね。柊さんはいかがでしょうか。

柊: 基本的には響が言ってくれた通りなんですけど、僕がヴィジュアル系をやるって決まった時に少し心配していたことがあって。

昔から「バンギャは怖い」とか、「トラブルが多い」とか、そういうイメージを耳にすることあったんです。でも始動ライブでは、本当に温かい方ばかりで、そういうことも全然ありませんでした。

だから、この雰囲気をずっと続けていきたいですね。

もちろん最低限のマナーは大事ですけど、「ヴィジュアル系だから怖い」というイメージじゃなくて、もっと気軽にライブへ来てもらえる存在になりたいです。

曲を知らなくてもいいし、振り付けが分からなくてもいい。「ちょっと気になるから来てみた」くらいの気持ちで遊びに来てもらえたら嬉しいです。

——それぞれが思いやりを持って、過ごせたら理想ですね。葵さんはいかがでしょうか。

葵: やっぱり僕たちの音楽を聴いて救われてもらえたら一番嬉しいです。

でも、それだけじゃなくて、せっかくライブへ来てくださるなら、「この曲が好きなんです」とか、直接お話もしたいですね。

SNSももちろん大切なんですけど、やっぱりライブや物販で直接会える時間はもっと大切だと思っています。

そういう場所で、「こういう思いで聴いていました」とか、「この曲に救われました」と聞けると、本当に嬉しいです。

ファンの皆さんにももっと僕たちを好きになっていただきたいですし、僕たちも皆さんのことを知って、一緒に歩んでいける関係になれたらいいなと思っています。

世界中へ”救済”を届けたい|MeltyCΛltが描く未来

——今後の展望や目指していることを教えてください。

響: 世界中に信者を増やして、MeltyCΛltというカルト教団を本気で確立させたいです。まずは自分たちの憧れのバンドを対バンで呼べるくらいまで成長したいですね。

その先には海外ツアーも目標としてあります。

今、自分たちの周りってヴィジュアル系を知っている人が本当に少ないんです。高校の時なんて、学年400人いてヴィジュアル系が好きなのは2人くらいでした。

でも始動ライブでは、高校生くらいの子や、ヴィジュアル系をあまり知らなさそうな子も来てくれていて。振り付けは分からなくても、体を動かして楽しんでくれていたんです。

だから、自分たちの力で「ヴィジュアル系って楽しい」と思ってくれる人をもっと増やしたいですね。ヴィジュアル系をもっと身近な存在にしていきたいです。

——海外にも興味を持ってくださっている方が多いそうですね。

響: 実はSNSのフォロワーも半分以上が海外の方なんです。

グッズも海外へ発送していますし、始動ライブの写真がスペインのメディアに取り上げられたり、多言語でインタビューしたいというお話もいただいています。

——世界での活躍も楽しみです。柊さんはいかがでしょうか。

柊: バンドとしてはいろんな場所へ行ってライブをしたいですし、フェスにも出演したいです。

個人的には、自分が憧れてきた人たちと同じイベントに出演して、楽屋で写真を撮ったり、「あなたのおかげで今の僕があります」と直接伝えられるようになりたいですね。

あと、ヴィジュアル系だけにこだわり過ぎたくないという思いもあります。JILUKAみたいに、海外のメタルフェスへ出演したり、ジャンルを超えて活動できるバンドになれたらすごく理想です。

もっとヴィジュアル系をポピュラーな存在にしていきたいですね。

Gt.柊

——素晴らしい目標です。葵さんはいかがでしょうか。

葵: 自分も海外を含め、もっとたくさんの方に直接お会いできる規模で活動できるようになりたいです。

日本だけじゃなく、海外で僕たちの音楽を待ってくださる方にも会いに行けたら、「バンドをやっていて良かった」と心から思えると思います。

個人としては、ベーシストとしてももっと成長して、自分のベースをいろいろな場所で聴いていただけるようになりたいですね。

読者へのメッセージ|「辛い時は僕たちを思い出してください」

——最後に、この記事を読んでくださった皆さんへメッセージをお願いします。

響: 辛いことや悲しいことがあったら、僕たちを思い出してください。僕が必ず、あなたを救済します。

柊: 気軽にライブへ遊びに来てください。

サブスクやYouTubeでもたくさん曲を聴いていただけたら嬉しいですし、これからもっと皆さんの身近に寄り添える機会も増えていくと思います。

ぜひMeltyCΛltを推していただけたら嬉しいです。

葵: 今後はライブも増えていきますし、いろいろなメディアへ出させていただく機会も増えていくと思います。ぜひ情報を逃さずチェックしていただきたいです。

日常の中で辛いことや大変なことがあった時、僕たちのことを思い出してもらえたら嬉しいです。そして、これからもMeltyCΛltを愛していただけたら幸せです。

まとめ|”溶けるような救済”を届ける、新たな「宗教」の始まり

「平均年齢20歳の、名古屋発の宗教」。

初めてそう聞けば、驚く人もいるかもしれない。

しかし、インタビューを通して見えてきたMeltyCΛltは、奇抜なコンセプトだけで注目を集めようとするバンドではなかった。

自分自身が「何かにすがりたい」と思った経験があるからこそ、今度は自分たちが誰かの心の拠り所になりたい。

「全部自分が受け止めよう」「全部救済しよう」という響の言葉には、そんな覚悟が込められていた。

異なる音楽ルーツを持つ3人が、それぞれの個性を持ち寄りながら、一つの世界を作り上げている。

始動ライブを終えたばかりのMeltyCΛltだが、その視線はすでに日本だけではなく海外にも向いている。

「ヴィジュアル系をもっと身近な存在にしたい」「世界中に信者を増やしたい」

そんな大きな夢を掲げる、彼らの”布教活動”は、始まったばかりだ。

インタビュー:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子

MeltyCΛlt

X:@MeltyCAlt

Instagram:@meltycalt

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

目次