【インタビュー】『世界ヴィジュアル系ガイドブック』著者・水科哲哉氏に聞く|157組の調査で見えた海外ヴィジュアル系の実態

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韓国、中国、インド、ヨーロッパ、南米——。

音楽ライター・水科哲哉氏が157組の海外ヴィジュアル系アーティストを調査し、その成果をまとめたのが『世界ヴィジュアル系ガイドブック:日本発・視覚系ロックのグローバル文化史』だ。

同書では、ヴィジュアル系という日本発祥のカルチャーが世界各地でどのように受け入れられ、それぞれの土地で独自の進化を遂げているのかが紹介されている。

今回、ヴィジュアル系百科では水科氏にインタビューを実施。

水科氏自身がヴィジュアル系とどのように出会ったのか、157組の海外バンドを調査して見えてきた「ヴィジュアル系らしさ」、そして日本と海外のヴィジュアル系シーンの違いについて話を聞いた。

さらに、海外で支持される日本のヴィジュアル系バンドの共通点や、今後10年のシーンの展望についても語っていただいた。

海外のヴィジュアル系バンドに興味があるファンはもちろん、海外進出を視野に入れるバンドマンも、ぜひ最後まで読んでみてほしい。

目次

「女の子が聴く音楽」だと思っていた|水科氏がヴィジュアル系への先入観を手放すまで

水科氏の著書×3冊
左から『デスメタルコリア』(2018年)、『世界ヴィジュアル系ガイドブック:日本発・視覚系ロックのグローバル文化史』(2026年)、『デスメタルインディア』(2023年)

——水科さんご自身は、もともとどのようなヴィジュアル系バンドを聴いていたのでしょうか。また、ヴィジュアル系に興味を持ったきっかけを教えてください。

水科:僕は1972年生まれなので、中高生だった1980年代はちょうどXがバラエティ番組に出演していた時代なんです。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で「ヘビメタ大運動会」とか「やしろ食堂 LIVE」などの体当たり企画をやっていた頃ですね。

高校生になると、同級生の女の子たちがBUCK-TICKや黒夢に夢中になっていました。それまで少年隊などのアイドルを聴いていた子たちが、突然ヴィジュアル系にハマっていくのを見ていたんです。

ただ、僕自身は当時から洋楽メタルを中心に 聴いていました。MetallicaやIron Maiden、Helloweenなどを聴いていて、ヴィジュアル系に対しては少し距離を置いていましたね。

——どのような理由があったのでしょうか。

水科:今振り返ると偏見だったと思うんですが、「ヴィジュアル系は女の子が聴く音楽」という先入観があったんです。

90年代のヴィジュアル系ブームの頃は、LUNA SEAやGLAY、SHAZNAなどをテレビやCMなどで自然と耳にする機会はありました。でも、自分から積極的に聴こうとはしていませんでしたね。

その考え方が変わったのは、40代になって音楽ライターとして活動するようになってからです。『BURRN!』臨時増刊号『METALLION』のガールズ・メタル特集号や『METAL HAMMER JAPAN』などで執筆するようになり、さまざまなアーティストやシーンに触れる中で、少しずつ先入観がなくなっていきました。

実際に会場へ足を運ぶ機会も増えましたし、exist†traceや摩天楼オペラ、NOCTURNAL BLOODLUST、JILUKAなどのライブにも行きました。韓国のヴィジュアル系バンドEVEと接点を持ったことも大きかったですね。

——音楽ライターとして活動する中で、見方が変わっていったのですね。

水科:そうですね。今だから言えますけど、20代や30代の頃の自分だったら、この本の企画を持ちかけられても断っていたかもしれません。

でも50代になって、自分自身の考え方も柔軟になった。長年抱えていた固定観念が取れたからこそ、『世界ヴィジュアル系ガイドブック』とも向き合えたのだと思います。

例えばBABYMETALに対しても、昔ながらのメタルファンの中には「自分たちで演奏していないじゃないか」と否定的な見方をする人もいますよね。でも、先入観を捨てて聴いてみれば案外と好きになるかもしれない。

それはヴィジュアル系にも同じことが言えると思うんです。

Versaillesや摩天楼オペラみたいにメロディック・スピードメタル路線のバンドもいますし、NOCTURNAL BLOODLUSTやDEVILOOFはデスコア、JILUKAはDjentの要素も強い。メタルファンが思っている以上に、ヴィジュアル系とヘヴィミュージックは近い場所にあるんですよ。

だからこそ、これまでヴィジュアル系を聴いてこなかった人にも、先入観なく一度触れてみてほしいですね。

ツインボーカルや多言語楽曲も|海外ヴィジュアル系バンドは自由な発想で進化している

——これまで海外のヴィジュアル系バンドを数多く聴いてこられた中で、日本のバンドとの違いを感じたことはありますか。

水科:157組を調査する中で感じたのは、海外のヴィジュアル系バンドのほうが「こうあるべき」というフォーマットに縛られていないということですね。

わかりやすい例でいうと、ツインボーカルのバンドです。日本のヴィジュアル系ではあまり見かけませんが、海外には男性と女性のツインボーカルを採用しているバンドや、クリーンボイスとグロウルを分担するツインボーカル編成のバンドが存在します。

例えばオーストリアの「Lolita KompleX」や、韓国の「Daylotus」ですね。特にDaylotusは男性2人のツインボーカルで、片方のTOAがクリーンボイス、もう片方のankimoという女形がグロウルを担当しています。日本だと、こうしたスタイルのヴィジュアル系バンドはかなり珍しいと思います。

——たしかに日本ではあまり見かけませんね。

水科:海外のバンドはヴィジュアル系という文化をリスペクトしながらも、自由な解釈を加えている印象があります。

一方で面白いのは、ヴィジュアル系が日本発祥の文化であることへの敬意も強く感じることです。日本人風のステージネームを名乗ったり、日本語で楽曲を制作したりする海外バンドも少なくありません。実際に『世界ヴィジュアル系ガイドブック』に載っている157組のうち、少なくとも38 組(約24.2%)が歌詞の一部または全部が日本語の曲をプレイしています。

これは単なる模倣ではなく、「ヴィジュアル系は日本から生まれた文化である」という認識があるからこそだと思います。

——海外のバンドならではの特徴的な例はありますか。

水科:韓国のMadmans Espritは象徴的な存在ですね。

楽曲によって英語、韓国語、日本語、さらにはドイツ語まで使い分けています。リーダーの叫號(Kyuho)がドイツで暮らしていた経験を持っていることもあり、曲調や響きに合わせて言語を選んでいるそうです。

——音楽性についてはいかがでしょうか。

水科:海外のヴィジュアル系バンドが影響を受けている日本のバンドとしては、やはりDIR EN GREYとthe GazettEの存在が大きいですね。

ほかにもD’espairsRay、Versailles、MALICE MIZERなどの名前は頻繁に挙がります。

特にMALICE MIZERは外国人にとって見た目のインパクトが非常に大きかったと思います。あの独特な世界観や耽美なビジュアルは、海外のミュージシャンから見ても唯一無二だったのでしょう。

また、地域によって好みが異なるのも興味深いですね。

ヨーロッパではメタル色の強いバンドが支持される傾向がありますが、南米のミュージシャンやファンはもっとマニアックです。キズ、deadman、Azavanaとかをチェックしていたり、GACKTさんのYellow Fried ChickenzやSHAZNAの南米ツアーも盛況だったようです。もちろん、日本のヴィジュアル系シーンの動向を驚くほど細かく追いかけている海外ファンは南米だけに限りませんけど。

157組を調査する中で感じたのは、海外のヴィジュアル系シーンは単なる「日本のコピー」ではないということです。

日本のヴィジュアル系から影響を受けながらも、それぞれの国や文化の価値観を取り込み、独自の進化を遂げている。その自由さこそが、海外ヴィジュアル系シーンの大きな魅力だと思います。

157組を調査して見えた共通点|ヴィジュアル系は「音楽とビジュアルによる自己表現」

——157組もの海外ヴィジュアル系アーティストを調査した今、あらためて感じる「ヴィジュアル系らしさ」とは何でしょうか。

水科:まず大前提として、どのバンドにも共通しているのは「音楽とビジュアルを一体のものとして考えている」ということだと思います。

ヴィジュアル系という名前の通り、音楽だけではなく見た目も含めて自己表現を行う。その美学へのこだわりは、日本でも海外でも共通しています。

ジャンルで定義するのは難しいんですよね。実際、掲載した157組のバンドも音楽性は本当にさまざまです。メタル寄りのバンドもいれば、ロック色の強いバンドもいる。だから「こういう音楽だからヴィジュアル系」という説明はできないと思うんです。

むしろ、自分たちの表現したい世界観を音楽とビジュアルの両方で作り上げようとする姿勢こそが、ヴィジュアル系らしさなのではないでしょうか。

——海外ならではの特徴はありましたか。

水科:海外の場合は、ゴシック&ロリータ文化との距離の近さを感じましたね。

日本でもゴスロリとヴィジュアル系は相性が良い文化だと思いますが、海外ではその境界線がさらに曖昧になっている印象があります。

今回調査した中には男女混成バンドも一定数いて、157組のうち少なくとも26 組(約16.5%)は男女混成またはメンバー全員が女性でした。そうしたバンドのヴィジュアルを見ると、ヴィジュアル系というよりゴシックカルチャーとの融合に近いケースもあります。

日本のヴィジュアル系ファンにもゴスロリファッションを好む方は多いですし、もともと親和性の高い文化ではありますよね。

——たしかに日本でも共通点は多いですね。

水科:また、日本との違いとして感じたのはジェンダーに対する考え方ですね。

海外のヴィジュアル系バンドマンは女性メンバーがいることや男女混成であることを、それほど特別視していないのでは?という印象を受けます。たとえば、去る5月15日に『世界ヴィジュアル系ガイドブック』に登場したUz:MEの主催イベントを観に行ったんです。このUz:MEもスウェーデン人のギタリスト2人が、日本の女性声優の田中理恵さんをボーカルに迎えて活動しているんですが、ごく自然に受け入れられていました。

日本のヴィジュアル系シーンでは、今でも男性のみで構成されたバンドが大半です。女性メンバーが1人いるだけでも珍しい存在として見られることが多いですよね。

そうした違いを見ると、海外のヴィジュアル系は日本のフォーマットを踏襲しながらも、それぞれの国や文化の価値観を取り込みながら発展しているのだと感じます。

韓国・中国・インドなど…|水科氏が「日本で見てみたい」と語る海外ヴィジュアル系アーティスト

——『世界ヴィジュアル系ガイドブック』に掲載された海外バンドの中で、今後日本でライブを行った場合、日本のヴィジュアル系バンドにとって刺激や脅威となり得る存在はいますか。

水科:まず真っ先に名前が挙がるのは、韓国のMadmans Espritですね。

実は彼ら、日本初上陸というわけではなくて、2018年から来日ライブをコンスタントにやっているんです。今年3月に池袋でのライブを久々に観たんですが、驚いたのはお客さんの半分近くが海外から来ていたことでした。

——そんなに海外ファンが多いんですね。

水科:そうなんです。しかもumbrella、emmurée、ZIZ、gibkiy gibkiyといった日本のヴィジュアル系バンドとの対バンも積極的に行っていますし、DAMNED、MUNIMUNI、NETH PRIERE CAINなどを韓国へ呼んでイベントを開催するなど、両国のシーンを繋ぐ存在にもなっています。

ちょうど今年6月にはDEVILOOFが大阪で主催したイベントにも出演しました。今後、日本と海外のヴィジュアル系シーンを語る上で欠かせない存在になるのではないでしょうか。

——ほかにも気になるバンドはいますか。

水科:中国のScarlet Horizonは一度生で観てみたいですね。

彼らの2nd EP『7』(2019 年)には、NOCTURNAL BLOODLUSTの元メンバーがゲスト参加していて、音楽性もNOCTURNAL BLOODLUSTにかなり近いものがあります。激しいサウンドが好きな人には刺さると思います。

韓国のEVEも気になる存在です。長年活動しているベテランバンドで、日本でいうGLAYのような立ち位置に近いかもしれません。

僕自身、ボーカルのキム・セホンさんとは10年以上交流がありますが、映像では何度も観ているものの、まだ生のライブは体験できていないんです。

だからこそ、一度日本でライブを観てみたいですね。

水科氏が所持する、EveのCDとグッズ

——中国や韓国以外ではいかがでしょうか。

水科:インドのArogyaはかなり面白い存在だと思います。「インドに初めてヴィジュアル系の要素を持ち込んだバンド」とも言われていて、見た目は被り物をしたコスプレ系みたいですけど、音楽はゴシックロックやインダストリアルロックの要素が強い。それに音だけ聴くとヨーロッパのバンドだと勘違いする人もいるかもしれません。それくらい曲が洗練されていてカッコいいです。

また、フィンランドのDIE/MAYの今後にも注目しています。ボーカルのTSUOMASU(トーマス)が日本とフィンランドで2拠点生活をしていて、日本での活動にも意欲を見せています。

——海外バンド側も日本で活動したいと考えているのでしょうか。

水科:そうでしょうね。実際、さっき話したUz:MEのパトリック・レオンハートとシモン・アンダンテはスウェーデンから来日して活動しているギタリストです。逆に日本のヴィジュアル系バンドにも、外国人メンバーが在籍している例がいくつかありますよね。今後は「日本のバンド」「海外のバンド」と単純に分けられなくなっていくかもしれません。

国境を越えてメンバーが集まり、対バンし、影響を与え合う。そうした交流が増えることで、日本のヴィジュアル系シーンにも新しい刺激が生まれていくのではないでしょうか。

DIR EN GREYやthe GazettEが海外で支持される理由|言葉の壁を越えて届くヴィジュアル系の魅力

——海外で支持される日本のヴィジュアル系バンドには、どのような特徴や共通点があると思いますか。

水科:まず、DIR EN GREYやthe GazettEなどは、ヴィジュアル系の枠を越えて海外のメタルファンにも受け入れられていますね。特にDIR EN GREYは、ドイツで例年夏に開催されている世界最大級のメタルフェス「Wacken Open Air」に2度出演したことがあります。

ほかにも「Wacken Open Air」には、D’espairsRayやMUCC、ギルガメッシュなども出演しました。海外ではヘヴィメタルとヴィジュアル系の境界が日本よりも緩やかなのかもしれませんね。

——やはり海外ではメタル色の強いバンドが人気なのでしょうか。

水科:そうですね。ただ、それだけではありません。今回取材した海外のヴィジュアル系アーティストの中には、LUNA SEAから影響を受けたという人も非常に多かったんです。

例えばブラジルのヴィジュアル系ミュージシャン、ヒカルド・マルティンスは、LUNA SEAの結成35周年の東京ドーム公演を観るために来日していました。彼は代々木第一体育館で行われたLUNA SEAの25周年ライブの時も来日していたそうです。しかもLUNA SEAだけではなく、Plastic TreeやROUAGEのようなバンドまで知っている。本当に熱心ですよね。

海外の人達は、日本人が思っている以上に日本のヴィジュアル系を深く掘り下げていると感じます。

——海外ファンは歌詞の意味まで理解して聴いているのでしょうか。

水科:熱心な人たちは調べていますね。実際、ブラジルには日本のヴィジュアル系バンドの歌詞をポルトガル語へ翻訳して発信している方もいます。

——日本語のままでも海外進出は可能なのでしょうか。

水科:僕は十分可能だと思います。

もちろん昔から「海外進出するなら英語が必要だ」という考え方はあります。実際、LoudnessやSHOW-YAなども海外進出を目指す中で、そうした課題と向き合ってきました。

ただ、今の時代を見ると必ずしもそうとは言い切れません。例えばドイツのRammsteinはドイツ語で、イタリアのMåneskinはイタリア語の曲を演奏していますが、どちらも世界的な成功を収めています。歌詞の意味がすべて伝わらなくても、音楽そのものや世界観に魅力があれば、人は惹きつけられるんでしょうね。

DIR EN GREYが世界中で支持されているのも、その代表例だと思います。

——海外進出を目指すバンドにとって大切なことは何でしょうか。

水科:現実的な話をすると、人と人との繋がりだと思います。

例えば韓国のMadmans Espritは、日本のDAMNEDなどと3マンライブを行っていますし、以前から交流を重ねてきました。そうした関係性があるからこそ、お互いの国でイベントを開催できるんです。

海外進出というと大げさに聞こえるかもしれませんが、まずは対バンや交流から始まるケースが多い。

コロナ禍も落ち着いて、人の行き来が再び活発になっています。これからは日本のバンドと海外のヴィジュアル系バンドが交流する機会も増えていくでしょうし、その中から新しい可能性が生まれていくのではないかと思います。

ヴィジュアル系は次の10年でどう変わる?|水科哲哉氏が語るシーンの可能性

——今後10年で、ヴィジュアル系シーンはどのように変化していくと予想されていますか。

水科:海外のヴィジュアル系シーンは今後さらに広がっていくと思います。

新型コロナウイルスの影響も落ち着き、日本のバンドが再び海外へ進出する動きが増えていますよね。去年1~2 月にはNIGHTMAREが初のヨーロッパツアーをやって、今年2~3月にはGACKTさん率いるYELLOWFRIED CHICKENzやSHAZNAが南米でツアーしました。今年7月にはKAMIJOさんのアメリカ単独公演も控えています。

そうした先輩たちの活動を見て、海外でヴィジュアル系に興味を持つ人や、ヴィジュアル系バンドを始める人もさらに増えていくのではないでしょうか。

今回の調査では157組の海外ヴィジュアル系アーティストを確認できましたが、10年後にはもっと多くのバンドが活動している可能性も十分あると思います。

——海外のヴィジュアル系バンドが増えることで、日本のシーンにも影響はありそうでしょうか。

水科:あると思いますね。

海外のヴィジュアル系バンドって、よく例えるなら「カリフォルニアロール」のような存在だと思うんです。お寿司は日本の国民食ですが、海外で独自のアレンジが加えられた結果、カリフォルニアロールが生まれました。最初は日本人からすると違和感があったかもしれませんが、今では普通に受け入れられていますよね。

海外ヴィジュアル系も同じです。日本で生まれたヴィジュアル系という文化をベースにしながら、それぞれの国の音楽や価値観が加わることで、日本にはなかった表現が生まれているんです。

実際、今回調査した中にも男女混成バンドやツインボーカルのバンド、多言語で楽曲を制作しているバンドなど、日本ではあまり見られないスタイルがありました。

——日本と海外が互いに影響を与え合う未来になりそうですね。

水科:そうですね。

日本のヴィジュアル系が海外へ影響を与え、その影響を受けた海外のバンドが新しい解釈を生み出し、今度はそれが日本へ返ってくる。そうした交流が活発になれば、ヴィジュアル系シーン全体がもっと面白くなっていくと思うんです。

バンドにとっても新しい刺激になりますし、ファンにとってもこれまで見たことのない表現に出会える機会が増えるはずです。

まとめ|世界中にヴィジュアル系を愛するファンがいる

今回のインタビューを通じて見えてきたのは、ヴィジュアル系は日本だけの文化ではなくなりつつあるということだ。

韓国、中国、ヨーロッパ、南米など世界各地には、日本のヴィジュアル系に影響を受けたバンドやファンが存在する。

日本のヴィジュアル系ファンは、ぜひこの機会に海外のヴィジュアル系バンドにも触れてみてほしい。

日本とは異なる解釈や表現の中に、新たな発見があったり、お気に入りのバンドが見つかったりするかもしれない。

また、今応援しているバンドが海外公演を行う日も、決して遠い未来の話ではないだろう。

そして日本のヴィジュアル系バンドマンにとっても、まずは海外のヴィジュアル系バンドを知り、交流を持つことが、新たなフェーズへの第一歩になる可能性もある。

世界ヴィジュアル系ガイドブック』は、そんな世界へ広がるヴィジュアル系シーンの現在地を知ることができる一冊だ。

本記事が、国内外を問わず新たな音楽との出会いや活動のきっかけになれば幸いである。

インタビュー:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子

『世界ヴィジュアル系ガイドブック:日本発・視覚系ロックのグローバル文化史』 
  • 著者:水科 哲哉
  • 発行:パブリブ 
  • 発売日:2026年3月10日
  • 価格:2,750 円(税込)

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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