ナキリ「水無月バックドロップ」THE LIVE HOUSE soma公演 ライブレポート

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6月8日、心斎橋。

THE LIVE HOUSE somaにて開催された対バンイベント、Planet CHILD Music presents 『水無月バックドロップ』には、総勢8組ものヴィジュアル系バンドが集った。

中でも注目を集めていたのがナキリ。

ソロプロジェクト妖-Ayakashi-から、5人組のバンドへと進化した彼らがどんなステージを見せてくれるのか。

somaには期待感と熱気が立ち込めていた。

目次

入場〜開演

厳かなSEが鳴り響くと、和製ホラーの世界のような、ひんやりとした空気がsomaを包み込む。

観客達の手拍子に迎えられステージに姿を現したのは、上手ギター・ミナ、下手ギター・風輝 、ベース・ウル、ドラム・ひたぎの4人。

そしてオーラのような気迫を纏ったボーカル・痕が登場し、ナキリのステージは幕を開けた。

1曲目|気炎万丈

イントロからメタル全開の激しいサウンド。

「この瞬間に全てを

預けよう 共に

生き耐え抜いた先へ」──ナキリ『気炎万丈』より

サビでは痕だけでなく、弦楽器隊も全員お立ち台に登り、その存在感を見せつける。

全身を使ったステージングで楽曲の世界を表現する痕。

「声出せるか!!」

の呼びかけに応え、大きな声を上げるナキリのファン・番(つがい)たち。

「今日はいい表情の人間どもが多数見えますね…

俺たちが殺気立ってるってことは、お前たちも殺気立ってないと死んじゃうぜ!?」

2曲目|悉皆

番たちはジャンプしながら、高らかに拳を突き上げる。

髪を振り乱しながら重厚なビートを叩きつけ、フロアを揺らすひたぎ。

風輝はステージ上を縦横無尽に動き回る。

「後どのくらい?足掻けばいい?

己が醜さで腐ってくみたい

受け入れない?わかってるよ

鳴呼、星に願いを」──ナキリ『悉皆』より

ウルは一つひとつの音に意思を込めるかのごとく、繊細にベースを奏でる。

3曲目|カミソリ

「お手を拝借」

痕が促し、観客達が手拍子をしたのも束の間。

「キ・ツ・ネ・ノ・カ・ミ・ソ・リ」──ナキリ『カミソリ』より

の言葉を合図に、フロアは一斉に拳ヘドバン。

「見劣りする赫が咲き誇る

笑顔も全て 嘘だった

嘲笑う言葉は種子となり

六の命と共に髪切り」──ナキリ『カミソリ』より

疾走感あるサウンドながら、切ないコード進行とメロディ。

一人一人に届けようとする痕の眼差しは真っ直ぐだ。

ミナ、風輝のギターアンサンブルが、楽曲の美しくも絶望的な情景をさらに鮮やかに描く。

4曲目|月華

真っ暗なステージ上で照らされたのは、ウル。

彼の背後にはまるで後光が差しているかのように、大きな黄金の扇子が。

思わず息を呑む演出の後、フロアは激しいモッシュの波へ。

「他人と同じ

じゃ 意味がないの

私だけの特別を

さぁ 頂戴?」──ナキリ『月華』より

和の旋律を取り入れたギターソロを巧みに奏でる風輝。

痕が観客たちと目を合わせながら、言葉を紡ぐ。

「あなた達一人ひとりの1日に、ナキリがありますように」

ラスト|痕

激しいヘドバンで力を振り絞る番たち。

ミナ、風輝のギター2人も頭を振りながらギターを掻き鳴らす。

「離さず 掴んでいよう

僕は輝けないけど

眩しく照らしてくれる

貴女が居る居場所を」──ナキリ『痕』より

痕はその歌声だけでなく、表情、手振り──全身全てを使って楽曲の世界を表現する。

「何もせずに突っ立てるだけなら死と同じだよ!!」

渾身の叫びにハッとさせられる。

「結ぼう解けぬ様に

満たし満たされよう

水泡の絵空事

だとしても」──ナキリ『痕』より

現実と非現実を行き来するような感覚。

全5曲、somaの観客達をその不思議な世界へと誘い、そして魅了し、ナキリのステージは幕を下ろした。

まとめ

THE LIVE HOUSE somaの空間を瞬く間に神社・仏閣のごとき「和」の世界へと変えてしまったナキリ。

儀式のような厳かさがありながらも、激しいメタルサウンドに乗って体を存分に動かせる彼らのライブは、和風ヴィジュアル系バンドとしての新境地と言える。

7月7日には、ナキリ初単独公演「混」が巣鴨獅子王にて開催される。

一体、どのような世界へ誘い、何を魅せてくれるのか。

ナキリの「番」となり、ぜひ目撃してほしい。

レポート:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子

ナキリ

公式サイト:https://nakiri.ryzm.jp

Instagram:@nakiri_official

X:@NAKIRI_OFFICIAL

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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