
少し涼しい風が吹き始めた、9月14日。
OSAKA RUIDOにて、ヤミテラ TOUR 2026 SUMMER 『九龍強襲』が開催された。

地下1階へ降りると、広々としたフロアに多くのヤミテラギャたちが集結していた。
結成9周年を祝う公演を皮切りに、全国を周ってきたこのツアー。
そのセミファイナルでもある本公演で、新曲を提げたヤミテラがどのようなステージを見せるのか、期待感に満ち溢れていた。
入場〜開演
鋭く、重厚なSEと共にステージ上に姿を表すヤミテラメンバーたち。
赤や青、ピンクに光る腕輪を身につけ、ヤミテラギャたちが彼らを迎える。
そしてそのまま、なだれ込むように1曲目へ。
1曲目|IN MY DARK
重々しいサウンドが、RUIDOを一気に闇の世界へと引き摺り込む。
「頭の中今も虫が這って気が狂ウ
飼い殺しの豚が餌に塗れ死んでく」──ヤミテラ『IN MY DARK』より
ボーカル・RiNaの、ダーティーで迫力あるラップが意表を突く。
ヤミテラの新たな挑戦と覚悟を象徴するかのようなこの曲。
真剣な眼差しでフレーズを奏でるギター・蘭樹。
RiNaが叫ぶ。
「大阪!やろうぜ、いいか!!」
2曲目|玉砕メーデー
上手、下手を行き来する激しいモッシュ。
「先生は教えちゃくれないんだ
メーデー ほら吐き出せ全てここで」──ヤミテラ『玉砕メーデー』より
ベース・湊叶はRiNaのすぐ隣に寄り、ヤミテラギャと共に折り畳みヘドバンを見せる。
「ああ残したこの迷いは
ただ君が欲しいから」──ヤミテラ『玉砕メーデー』より
歌詞に合わせてフロアを指差し、高らかに歌うRiNa。
3曲目|フィクション
深い紫色の照明に照らされ、ヤミテラメンバーたちのシルエットが浮かび上がる。
「堪えてた涙が溢れ出す
叶わぬ恋 側にいたい」──ヤミテラ『フィクション』より
ShuKaと蘭樹、ふたりの織りなすギターアンサンブルが、胸を締め付けるような詞世界をより一層鮮やかに描いた。
RiNaは情感たっぷりに身振りを交え、歌声を響かせる。
4曲目|鬱な世界
硬質でありながらもしなやかな、湊叶のベースソロから始まるこの曲。
暗い歌詞とは対照的な色とりどりの明かりが、心の浮き沈みを際立たせる。
「鬱な世界… 僕はもうこりごりで
全てが終わるまでに心中しよう」──ヤミテラ『鬱な世界』より
右手でバイバイをするような振り付け。
力強く、時に切なくRiNaは歌い上げた。
MC
「ヤミテラです、よろしくお願いします!
このツアー、大阪は初なので。
ぶち上げて行きます!」
RiNaが、気合いの入った声でそう告げる。
「(全国ツアーで)8日間、旅に出っぱなしで(笑)。
今日、いいライブして帰ったら、やっとおうちのベッドで寝られます。
ぐっすり寝かせてくれよ、いいか!?」
5曲目|調教カルティズム
まだまだ、ヤミテラとヤミテラギャたちの夜は終わらない。
重低音が轟く導入、くっきりとした輪郭を保った湊叶のベースの音が響く。
「だから歪んだ感情 情緒不安定
縋って愛情 絶対絶命」──ヤミテラ『調教カルティズム』より
サポートドラム・ISMが打ち鳴らす、安定感抜群のビートをバックに、ShuKa、そして蘭樹が華麗なギターソロを奏でた。
6曲目|#V系カレシ
「SPARK
狩り取るぞ その首
制裁」──ヤミテラ『#V系カレシ』より
過激な歌詞を呼応するように激しく暴れ、後方まで揃ったヘドバンを見せつけるヤミテラギャたち。
ShuKaの歪んだギターの音色が、凶暴性に拍車をかけていく。
7曲目|CLOWN
「大阪、頼む。
俺に力を貸してくれ!!」
そうRiNaが叫ぶと、高らかに拳を上げながらジャンプするヤミテラギャたち。
「毒を制す程の猛毒で
抗う日々に 彷徨ってまた深い傷が痛む」──ヤミテラ『CLOWN』より
ISMの力強いキックが、RUIDOを揺らす。
ヤミテラメンバー全員がステージ上で個性あふれるステージングを披露しながらも、その視線の先には同じ景色を見ているような、一体感が溢れていた。
RiNaが再び口を開く。
「俺は、お前らが100%を超える、
その瞬間を見るのが好きなんだよ!!」
8曲目|BLACK OUT
RiNaの伸びやかな歌声、そして一言一言を噛み締めるような熱いラップ。
「Already know(Hey)
焼け付く 愚のイメージ
噛み砕く 為のdrive」──ヤミテラ『CLOWN』より
ヒーアップしていくステージ、そしてフロア。
「最高だぜお前ら!」
RiNaがそう告げると、割れんばかりの大きなメンバーコールがRUIDOを満たした。
MC
「煽って、声デカくなると、
バンドマンとして嬉しいよ。
みんな目がイキイキしてていいね!」
ヤミテラギャたちを褒めるRiNa。
「あなたの笑顔が一つ引き出せただけで、
心が潤います。ありがとう。」
はにかむヤミテラギャたちに、続けて言葉をかける。
「…“好きな理由”とかは、どうでもよくて。
来てよかったなって思ってもらえれば、俺らは幸せだし。
必要としてくれる人が目の前にいてくれるなら、
このメンバーで汗を流して、やっていきたいと思えました。」
自分たちのエゴではなく、必要としている人たちのために。
バンドとしての変化や挑戦を経て気づいたこと、そして今の率直な想いを語る。
「だからこの曲は、あなたに届けたいなと思います。
聴いてください。『理由』」
9曲目|理由
切なくも、力をもらえるようなメロディを、蘭樹もギターを弾きながら口ずさむ。
ステージを真っ直ぐに見つめ、拳を上げるヤミテラギャたち。
真剣な表情でShuKaが奏でるギターソロは、悲しみを孕みながらも、前を向くエネルギーを与えてくれた。
曲終わり、RiNaがフロアへ呼びかける。
「センキュー!まだまだ行こうぜ!!」
10曲目|夕闇
全曲の哀愁漂う空気から転じて、ヤミテラギャたちは勢いよくジャンプ。
「とにかく楽しんで帰ってくれ、いいか!」
そうRiNaがフロアに呼びかける。
「夕闇が滲む空 見上げてあの日の自分に問い掛ける
灰色の夢 抱いて今宵心中」──ヤミテラ『夕闇』より
温かみと仄暗さを感じさせる、歪んだ音色で蘭樹が鳴らすギターは、まさに夕闇の空を想起させた。
11曲目|くだらね世界
「これからもこのメンバーで馬鹿騒ぎするんで、
よろしくお願いします!」
RiNaがそう宣言し、アップテンポなこの曲へ。
思わず体が揺れるようなビートに乗り、踊り狂うヤミテラギャたち。
「なーー
なめんなバカ
なーー
涙を拭いて」──ヤミテラ『夕闇』より
RiNaは、無邪気でどこかあどけない笑顔を見せる。
ラスト|仇花
「時計の針は止まり 無意味な夜を越え
目蓋の裏過ぎるはあの日見せた涙」──ヤミテラ『仇花』より
ヤミテラメンバーたちの鳴らすバンドサウンドが、RUIDOを燃えたぎるマグマのように熱していく。
重く、そして疾走感も絶やさない。
「大阪ありがとう!ヤミテラでした!」
大きな声で、何度も感謝の言葉を述べ、ヤミテラはステージを後にした。
アンコール|MC
グッズTシャツを身にまとい、再び登場したヤミテラメンバーたち。
「みんな、アンコールありがとね!
8月6日から始まったツアーで、
短いスパンで全国行ったのでハードだったんですけど。
素敵な時間でした、ありがとうございます!」
ツアーを振り返り、改めて感謝を伝えるRiNa。
そして話題は、昨日のインストアイベント後の過ごし方に。
蘭樹はご飯を抜いて引きこもるというストイック(?)っぷり。
湊叶は、フルメイク衣装着用のまま、TikTokで自ら配信を行ったという。
「15人も観てくれてた!」
と喜ぶ湊叶を、
「めげんなって。まだまだこっからですね…」
と慰めるRiNa。
二人の温度差に、思わずフロアから笑いが起こった。
そしてShuKaはラーメンを食べに行ったと言うが、RiNaは
「同じビルの1FでShuKaがパチンコ打ってて、俺がサウナ入ってたんだよね(笑)」
と暴露。
「そんなこんなで楽しくツアー周ってるわけなんですけども、
来月からは『関西制圧』始まります!
各地でライブすることで、もっと関西が好きになる瞬間もあるので。
11月11日、カレンダーに入れておいてください!!」
アンコール1曲目|超ドキアップデート
ここで、意外性あるタイトルの新曲。
スピーディーにハートを作る振り付けを湊叶がレクチャーし、いざ本番へ。
「恋焦がれ秘密のメッセージ
理性は崩壊寸前」──ヤミテラ『超ドキアップデート』より
コロコロと変わる曲調、不敵な笑みを浮かべるヤミテラメンバーたち。
すでに慣れた様子のヤミテラギャたちも、見よう見まねの人も、笑顔で振り付けを楽しんだ。
アンコール2曲目|反逆の豚
凄まじい轟音がRUIDOを貫く。
身体を揺らしながらベースを鳴らす湊叶。
「不器用な私はこんなやり方だけど
貴方思い綴る 愛の形です」──ヤミテラ『反逆の豚』より
ボーカルソロでは、スポットライトを浴びながら歌うRiNaに咲くヤミテラギャたち。
アンコール3曲目|火花
イントロのフレーズが鳴った瞬間、ヤミテラギャたちは即座に扇子を取り出し、優雅に舞う。
「数えきれない蝉の鳴き声
逸る気持ちが踊りだす」──ヤミテラ『火花』より
頭上ではミラーボールが輝き、一気に華やぐフロア。
「幸せでした、ありがとう!!」
RiNaの叫びと呼応するように、エモーショナルなShuKaのギターソロが響いた。
アンコール4曲目|わっしょい!! 天界道中記
「お祭りしようぜ、いいか!!」
そうRiNaが煽ると、明るくも骨太なサウンドが炸裂。
祭りは祭りでも、海外の夏フェスのようなスケール感だ。
「狙いを定め(波)
天狗の如意棒くらえバコーン
わっしょい!」──ヤミテラ『わっしょい!! 天界道中記』より
底抜けに明るい歌詞が、時に夏の太陽を思わせる。
アンコール5曲目|前線敬礼歌
「ラストいこう、大阪!!」
全員で敬礼のポーズをし、最後の曲へ。
ヤミテラの真骨頂とも言える、とてつもない音圧が押し寄せた。
「餌付く空見上げれば青空は笑ってる
御別れの時間だ懺悔と後悔、嫌嫌嫌」──ヤミテラ『前線敬礼歌』より
ステージ上をヤミテラメンバーたちは縦横無尽に駆け回る。
「ありがとう大阪、めちゃくちゃ楽しかった!」
そうRiNaが告げる。
大きな歓声と拍手に溢れるRUIDO。
こうして、濃密な時間となった『九龍強襲』OSAKA RUIDO公演は幕を閉じた。
まとめ
最後に、RiNaがこう言った。
「俺ら、(来年)10周年なんすよ。
気持ちはまだ1年目のつもりで頑張っていきます!」
大きな節目に向け、日本全国を駆け巡り、その存在感を大きくしてきたヤミテラ。
10周年を迎えるその時、果たしてどんな姿で、どのような音を鳴らしているのか。
ヤミテラギャたちと共に、彼らを引き続き追い続けたい。
レポート:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子
