
2026年4月30日。
4月の終わりにしては少し気温が低く、小雨もあって肌寒く感じられるこの日。
梅田BANGBOOにてヴィジュアル系バンドumbrella ベース・春の生誕祭ワンマンライブ【アマヤドリ-燻-】が行われた。
会場前のモニターは公演情報を映し出し、人通りの多い阪急東通商店街でひときわ目を引く。

梅田BANGBOOの階段を降りた先には、コンクリートの無機質な空間と、緑色のネオン装飾が広がっていた。
フロアに足を踏み入れると、すでに立ち込める熱気。
umbrellaのファン「傘人」たちは思い思いに会話を楽しみながら、開演を待ちわびていた。
入場SE〜開演
やがて、雫が落ちる音が会場に響く。
幕が上がり、SEとともにumbrellaのメンバーが姿を現した。
ステージ背面に掲げられた巨大な「umbrella」のロゴは存在感抜群。
ボーカル・唯が鋭く叫ぶ。
「おいいくぞ大阪!
今日は春の生誕祭、盛り上げていくぞ!」
1曲目|アメイジング
イントロから力強く拳を上げる傘人たち。
エンジンを吹かすように駆け出す、春の疾走感あふれるベース。
「理由もないけど僕は指を立てた」──umbrella『アメイジング』より
ラストサビ前、歌詞に重ねて唯が中指を立てた。
春がフロアに向けて叫ぶ。
「今日は集まってくれてありがとう!最高に盛り上げていくぞ!」
2曲目|非「情」階段
手拍子からスタートし、唯は「もっと」と言わんばかりに手招き。
2番サビ終わりにはマイクを通さず
「大阪!!」
と生声で叫ぶ瞬間も。
激しさを極めるアウトロの中でも、ドラム・将はブレることなく冷静にビートを刻み続ける。

3曲目|orbit
Bメロでは唯のミュートを効かせたギターの音が緊張感を高める。
「巡り巡った数多の日々は
影に隠れてやがて見えなくなった」──umbrella『orbit』より
サビではギター・柊もメロディを口ずさんだ。
全員の緻密な演奏が、寸分の狂いもなく重なり、フロアを惹き込んでいく。
その一方で、唯の歌声は時折やわらかく揺れ、切なさを滲ませる。
「香り始める色づいた季節を
モノクロームの時間を包んだ
僕の絵の具を絶やさない様に」──umbrella『orbit』より
4曲目|シェルター
強烈な赤の照明がフロアを染める。
ヘヴィな音に呼応するように、傘人たちは折り畳み、拳を突き上げた。
4人の息の合ったステージングが、曲の展開をさらに際立たせていく。
5曲目|造花
まさに空間系オルタナティブと呼ぶにふさわしい、唯の奥行きあるギターから幕開け。
「何処へも戻らないと誓った此の夜に」──umbrella『造花』より
歌姫のように繊細な歌声から一転、激しいサウンドのイントロへ。
「窶れた君の腕の深い傷跡見つめ
光の見えない瞳から僕を探した」──umbrella『造花』より
音数を絞ったAメロでは、将の力強いドラムが際立つ。
柊はギターソロでテクニカルな速弾きを叩き込む。
「夕暮れを迎えて
このまま消えてしまえばいい
誤魔化したこの笑顔で君と永久に語ろう」──umbrella『造花』より
春の鳴らすベースの低音が、より深い陰影を与えていくよう。
刻々と変わる展開の中、傘人たちは立ち尽くしたまま、ただステージを見つめていた。
6曲目|内向的声明
そこはかとなく洋楽ライクな骨太グルーヴに、将も上半身を揺らす。
まるで話しかけるような唯の歌い方からは、むき出しのままの生々しい感情が伝わる。
曲終わり、唯が叫ぶ。
「おい大阪!いけんのか!」
その叫びに、傘人たちも声で応えた。
「言ってやれよ」
唯が春に促す。
「大阪!!」
春の一声で、フロアのボルテージがさらに跳ね上がった。
7曲目|dilemma
イントロが鳴った瞬間、歓喜のあまり飛び上がる傘人たちの姿も。
「答えは出ない
捨て去れ時代
さぁ全て白紙の時代へ」──umbrella『dilemma』より
サビに入ると、両手でのチョップが一斉に繰り出される。
軽やかさと激しさが同居するこの曲。

春のベースソロに合わせて、フロアでは咲きが広がる。
「愛嬌なんて食えない
常、壊滅的青春
人材の墓場で喝采の手」──umbrella『dilemma』より
2番Aメロでは、再び唯の語りかけるような歌唱。
「僕は見えない
もう何も要らない
止まれば全てがグッバイ」──umbrella『dilemma』より
曲が終わり暗転すると、メンバーの名前を呼ぶ傘人たちの声がフロアを包んだ。
8曲目|LoV
「僕の髪を撫でる手は
何よりも優しくて」──umbrella『LoV』より
柔らかく弛緩するようなシーンでも、ベースとドラムが引き締める。
「突然、君が去った夜
この日が来たんだと悟って
繋いだこの手を離すことが
ただ…怖かったんだ」──umbrella『LoV』より
フレーズに重ねるように、唯は静かに手を振る。
春のコーラスが力強く響いた。
「ゆらりゆらりと頬を辿って
君の声にサヨナラを告げて…」──umbrella『LoV』より
Cメロでは、唯が切なさを滲ませながら歌い上げる。
そしてラストサビ。
「永遠を願う恋は
君が教えてくれたこと」──umbrella『LoV』より
フロアを照らす白い光がひときわ強く、視界を満たした。
9曲目|レッドシグナルデイ
ここから唯がギターを置き、歌にすべてを注ぐ。
終始赤のライティングに包まれ、緊張感が途切れない。
音源よりも感情を削ぎ落とした、殺意すら感じさせるサウンド。
唯は天を仰ぎ、解き放つように歌い上げる。
10曲目|Labo
「久々の曲やる。」
唯の宣言と共に始まった、同シングル『ヨルノカーテン』収録曲。
間奏で一瞬の静寂が訪れたのち、唯がシャウトを放った。
フロアでは激しいヘドバンが広がり、柊も頭を振りながら攻撃的にギターを掻き鳴らす。

11曲目|HALO
イントロでは、唯がフロアに手拍子を促す。
「いけ!!」
の一声を合図に、フロアが一斉にジャンプ。
春はベースを弾きながら身体でビートを刻む。
問いかけるように歌う唯の表情には、怒りにも似た鋭さが宿る。
12曲目|Witch?
序盤から柊がギターを後頭部に掲げ、ダイナミックな背面弾きで魅せる。
傘人たちの勢いも衰えず、息のあったジャンプをする姿を見渡す唯。
「完全なる偽善に 飲み尽くされた理性の群れ
腐海では爛れた。処刑は誰から?」──umbrella『Witch?』より
春の攻撃的なベーススラップが、鋭く突き刺さるように鳴り響く。
「感覚の裏側に 眼に映るはアビスとテレサ
隙間から覗いた背徳者よ」──umbrella『Witch?』より
サビに入る瞬間、唯は荒々しく煽る。
「来いよ!」

その一声に焚き付けられ、傘人たち、そしてumbrellaメンバー全員がこの日一番の激しさで応える。
かと思えば、ステージ上で将を撮影しているカメラマンに、唯がタックルするというお茶目なシーンも。
アウトロでは、フロア一面に広がる激しいヘドバン。
唯が叫ぶ。
「手を上げろ、大阪!」
13曲目|レヴ
将のキレのあるドラムが際立つ導入。
突き刺すような唯の眼差しそのもののように、鮮烈な赤い光がフロアを照らす。
一斉に頭を振るフロアを、春が見渡す。
「大阪!!」
唯が叫びを放ち、迎えるラストサビ。
「貫いて離さない
もう二度と逃げ出さないわ
革命で蘇る
この時代に旗を掲げよ」──umbrella『レヴ』より
むき出しの感情を叩きつけるような歌声。
終始激しさを保ったまま、MC無しでで駆け抜け、嵐のような本編は幕を閉じた。
アンコール|MC
傘人たちのアンコールの声に応え、umbrellaメンバーがステージに再び姿を現す。
春の手には、「HAPPY BIRTHDAY」と自身の誕生日を祝う風船が。
唯が口を開く。
「今日、マジ誕?」
春が答える。
「マジ誕!」
「おめでとう!」の声と大きな拍手。
唯が続ける。
「今日雨やん?
ここの店長曰く、僕らやる時全部雨らしい。」
“umbrella”というバンド名そのままのエピソードに、和やかな笑いが漏れる。
「すごい良い会場で。ありがとうございます」
と、春が改めて会場への感謝を伝えた。
次いで、柊がステージ背景の巨大ロゴに触れる。
「良いよねこれ。LEDの」
すると唯が、
「こう言う演出できるライブハウスがあって嬉しいですよ。
いろんなもん流せるやん。
春の生い立ちとか」
とハートフルな演出を提案し、傘人たちから笑みが溢れた。
「あとはパワーポイントとか?」
春も負けじとLEDパネルで流す映像の案を出すが、柊がすかさず
「何する気?会議?」
とツッコみ、会場は爆笑に包まれた。
そして、ハッピーバースデーの歌声と共に持ち込まれるバースデーケーキ。
「ありがとう!!」
という春の感謝の声に、会場はさらに拍手で祝福した。
白い生クリームが均一に塗られたケーキを見て唯がぼそりと呟く。
「あれがかまぼこやったらどうしよ。つまみに、とか言うて…」
酒好きの春への贈り物としては有り得なくもない妄想に、傘人たちから笑いが漏れた。
ここで将が提案。
「毎年恒例のアレ行きます?」
誕生日のメンバーへ、他のメンバーから誕生日プレゼントを渡していくというなんとも幸せな恒例行事。
まず将からは、高野山の胡麻豆腐、わさび、そしてわさび用のおろし金という本格派のおつまみセットが贈られる。
そして柊からは
「なんぼあってもいいからね!」
と、大量の楽器用クロスが手渡された。
「おお〜!すごいすべすべしてる。」
その場で早速開封してベースを拭き、レビューする春。
「あぶねー!オリジナルクロス頼むとこやった(笑)」
柊とのカブりを回避した唯からのプレゼントは、レインコート。
「春最近、自転車の権化かってくらい自転車乗ってるから。これで雨凌げるんちゃうか」
さらにサンバイザーと、唯の個人ブランド『路地裏堂』のTシャツも贈られた。
メンバーそれぞれからのプレゼントが手渡されたところで、umbrellaからの発表が。
【umbrella NEW SCHEDULE】
— umbrella.official (@umbrella_DATA) April 30, 2026
2026年7月21日(火)大阪 Live House Anima
umbrella 柊 生誕祭 ONEMAN 【アマヤドリ-Who I am-】
OPEN 17:30 / START 18:00
【チケット料金】
前売り 5,000円 / 当日5.500円
※税込み、ドリンク代別途
【チケット先行抽選受付】
2026年4月30日(木)… pic.twitter.com/yMO8c7ZQzr
2026年7月21日。
LiveHouseANIMA (ライブハウスアニマ)にて、柊 生誕祭ワンマン 【アマヤドリ-Who I am-】が開催されることとなった。
「ANIMAはすごい好きな箱なんで。楽しみにしててください!」
と柊が意気込みを語り、会場は拍手に包まれた。
空気を切り替えるように唯が煽る。
「お祝いの準備はできてるか!!」
アンコール1曲目|Door
メンバー全員の息の合ったイントロ。
本編の重く激しい空気とは異なり、どこか明るいムードに、唯は微笑んでみせた。

「今日は本当にありがとうございました!」
曲終わり、唯が口を開く。
「生きてまた会えれば、おめでとうって言えるんですから。
また会いましょう」
アンコール2曲目|アラン
唯の振るタクトに合わせ、傘人たちがこの日1番の大きな声と拳で応える。
明るい音色の柊のギターリフが、この空間全体を煌めかせているかのよう。
サビではメンバーも傘人も、共に歌い上げるシンガロング。

最後に春が感謝の言葉を伝える。
「今日1日ありがとうございました!
また一緒に、楽しいライブしていきましょう」
祝福のムードに包まれ、公演は幕を閉じた。
まとめ
2026.04.30(木)
— umbrella.official (@umbrella_DATA) April 30, 2026
梅田BANGBOO
umbrella 春 生誕祭 ONEMAN【アマヤドリ-燻-】
ご来場ありがとうございました!
umbrella16年の歴史を感じさせる、新旧入り混じったセットリスト。
あっという間の全15曲でした。
本日誕生日を迎えた春にとって、忘れられない一日となりました。… pic.twitter.com/ZB9qVbuUiS
ベース・春の生誕祭ワンマン【アマヤドリ-燻-】で、まさに燻されるような、熱気に満ちたステージを見せつけたumbrella。
来る7月21日、ギター・柊の生誕祭ワンマン 【アマヤドリ-Who I am-】では、果たしてどんな景色を見せてくれるのか、期待を高めずにはいられない。
また2026年6月23日には、心斎橋BIGCATにて、umbrella presents『路地裏サーチライト』が開催される。
2026年6月23日(火)心斎橋BIGCAT
— umbrella.official (@umbrella_DATA) March 13, 2026
umbrella presents
路地裏サーチライト
OPEN 17:00 / START 17:30
【CAST】
umbrella
有村竜太朗
ザアザア
メリー
【チケット】
前売 6,500円 / 当日 7,000円
(ドリンク代別途600円)
■オフィシャル先行
受付期間:3/14(土)12:00~3/22(日)23:59… pic.twitter.com/qheiYCWLOt
有村竜太朗、ザアザア、メリーを迎えての大型対バンイベントだ。
活動17年目に突入した今。
その確かな実力で、関西からヴィジュアル系シーンを牽引するumbrellaに、今後も注目していきたい。
レポート:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子
写真:おにてん。(X:@nowing_oniten)

