umbrella「KANSAI ROCK SUMMIT’26」心斎橋BIGCAT公演 ライブレポート

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2026年6月7日に大阪・心斎橋で行われた、関西最大規模のヴィジュアル系サーキットイベント、「KANSAI ROCK SUMMIT’26」通称・ロクサミ。

6つの会場で並行してライブ・イベントが行われるこのロクサミで、最も大きな規模のライブハウスが心斎橋BIGCATだ。

そこで今年、トリを務めたバンドがumbrella。

ロクサミというイベントが始まった当初から毎年欠かさず出演してきた彼らが、ついにこの大役を担うこととなった。

フロアでは、一日中ライブを楽しんできた観客たちがどこか落ち着いた様子で開演を待つ。

次のステージで今年のロクサミは終わり。

少し寂しく、名残惜しい気持ちも滲んでいるように思えた。

目次

入場〜開演

開演の刻となり、BIGCATに響いたのは、『アマヤドリ』…ではなく。

触れれば火傷をしそうな、火花の如きベースソロ。

そこにドラム、ギターが重なりゆき、燃えたぎる炎のように瞬く間に会場の温度を上げていく。

幕が開くと、ステージにはすでにドラム・将、ベース・春、ギター・柊の姿が。

暗いステージ上で、彼らの姿だけが暖色系のスポットライトに照らされている。

そして下手から姿を表すギター&ボーカル・唯。

普段のライブでは、後半〜終盤でギターを置くスタイルとなることが多い彼が、今日は序盤から身一つでライブに臨む。

1曲目|黒猫が通る。

イントロから拳を高らかに上げるumbrellaのファン「傘人」たち。

「絵に描いた様な

薄っぺらい世界だ

言葉は酸性 誓いは苦悩」──umbrella『黒猫が通る。』より

唯の歌声はよく通るが決して鋭すぎず、しなやかだ。

BIGCATの広いステージを上手へ下手へと自由に行き来しながら、その声を存分に響かせる。

「そうやって何時も

空の隙間見上げて

ずっと手を伸ばして

少しだけ笑って」──umbrella『黒猫が通る。』より

赤銅色のボディが目をひく、Sago New Material Guitarsのギターで柊が奏でる音色は、程よい乾きと重みを両立していて、ウッディな香りが漂うようだ。

「3、2、1──来いよ」

唯が煽り、間奏に突入するとフロアは激しい折り畳み。

赤色と紫色の光が空間を彩る。

「影すら見えない

絶望の世界で

何を語っているんだ」──umbrella『黒猫が通る。』より

楽曲の世界に入り込み全身でベースを奏でる春。

「壊れて捩れて塞いで

もっと閉ざして

笑って刻んで離れて

そっと逃がして」──umbrella『黒猫が通る。』より

唯は観客に訴えかけるように一言一言を投げかけていく。

曲終わり、

「どうも、umbrellaです。トリを務めさせていただきます」

歌声とのギャップを感じさせる、ふわふわとした声色で少しぶっきらぼうに自己紹介をしたかと思いきや。

「かかってこい大阪!いけんのか!!」

もはや怒号ともいえるほど荒々しくフロアを煽る。

その表情は気迫に満ちており、観客たちは手と声を上げてその熱量に応えた。

2曲目|Witch?

イントロから、ギターを首の後ろに回し華麗なパフォーマンスを魅せる柊。

先ほどの唯の煽りに呼応するかのごとく、怒りの炎に炙られたように、ギターの音。

バリバリとした歪みが、この曲の不穏さを引き立てる。

サビでは、後方の観客たちまで一斉にジャンプ。

「心濡らして流して

僕に全てを気付かせたい」──umbrella『Witch?』より

歌いながらくるくると回る唯も、心なしかいつもより跳んでいるよう。

将は姿勢を崩さず、芯の強い安定したビートを刻む。

「感覚の裏側に 眼に映るはアビスとテレサ

隙間から覗いた 背徳者よ」──umbrella『Witch?』より

2番では唯が原曲より1オクターブあげて歌う場面も。

春は観客と共に、間奏では激しく折り畳み、サビではジャンプして一体感を生み出す。

「特別製の夜さ「オボロヅキ」の夜さ」──umbrella『Witch?』より

ラストサビは柊も歌詞を口ずさみ、ヘドバンしながらギターを掻き鳴らすアウトロへ。

「ありがと。」

曲終わり、唯はそう呟くと、アイボリーカラーが印象的なMary Guitarsのギターを肩に掛ける。

「大阪。もっとくれ!!」

3曲目|兵隊さん

「寄って集って絡まって

選りすぐりの部隊を従えて」──umbrella『兵隊さん』より

春の奏でるベースのフレーズが、この曲の軽快でありながら不気味な空気感を一層引き立てる。

「退屈な規則性から飛び出そうよ

恋してる様に心がどうかしちゃうよ」──umbrella『兵隊さん』より

サビでは音に合わせて体を揺らす観客たちを見て柊が頷く。

「声出せ!!」

唯が煽ると、フロアは拳と共に声を上げ、緊張感を保ったまま高揚感が増していった。

「常識の壁を叩き割る若気の至り

大切な時は今だ今だ」──umbrella『兵隊さん』より

歌うというより訴えかけるように唯が言葉を投げかける。

「飛べよ!!」

拳を上げながらジャンプする傘人たち。

曲終わり、メンバーの名前を呼ぶ熱い声にBIGCAT中が包まれた。

4曲目|solitude

繊細な唯のギターフレーズから始まるこの曲。

かと思うと一気に重厚なバンドサウンドが押し寄せ、思わず鳥肌が立つ。

「揺らいでた

灯火そっと

消えないように

私はここに居るわ」──umbrella『solitude』より

柊のギターソロは力強くも切ない。

「男泣き」という言葉が脳裏をよぎる。

「何を願いこの涙を

流して佇む

朽ち果てたかった」──umbrella『solitude』より

その歌唱力の高さと隙の無さから、ステージ上ではややクールに見える唯。

ここでは、感情の起伏を声の強弱で見事に表現する。

「ありがとう」

穏やかに告げるが、それだけでは終わらない。

「…見せてもらおうか。

おい!ちゃんと生きてるか大阪!!」

5曲目|dilemma

5曲目は、打って変わってアップテンポなこの曲。

「僕は見えない

もう何も要らない

止まれば全てがグッバイ」──umbrella『dilemma』より

サビでは柊がお立ち台に足を掛け、ギターを唸らせながら観客を見渡した。

色とりどりの灯りが、鮮やかにフロアを照らす。

「答えはいらない

捨て去れ時代

さあ全て白紙の世界へ」──umbrella『dilemma』より

ラストサビ、唯は飾ることなく、等身大の声色で言葉を紡いだ。

6曲目|アメイジング

「大阪!ちゃんと素晴らしい景色見せてくれてありがと。

もっと素晴らしい日にしよう。いいか?」

傘人たちは勿論、今日umbrellaを初めて見たと思しき後方の観客たちも、唯の呼びかけに声で応える。

「ここに残ったこと、誇れるようにしてやるよ。

いいか!!」

6曲目『アメイジング』でさらに激しさはピークに。

「勝手にやっておくれよMonday

アイモカワラズ年中悲愴マインド」──umbrella『アメイジング』より

柊と唯、二人のギターの息が合ったプレイ。

「僕らにとって誇りに変わるなら

Its amazingなHateday」──umbrella『アメイジング』より

「誇り」という言葉にはっとさせられる。

序盤で聴かせた繊細な歌声とは異なり、やや荒っぽく、時に叩きつけるような歌い方。

唯の中性的な外見とギャップがあり、一層ミステリアスな印象を際立たせる。

「前列詮索どうだい?型破りなglorydays

愛Hate U 浮遊前途 遂行したいや」──umbrella『アメイジング』より

2番サビ終わり、将が立ち上がり飛び跳ねながらドラムを叩くという妙技を見せる。

同時に柊も背面でギターをアクロバティックに弾き、一瞬ステージ上がカオスな空間となった。

そしてラストサビ前、春が口を開く。

「KANSAI ROCK SUMMIT、BIGCAT集まってくれてありがとうございます!」

そして唯が、歌い終わりと同時に叫ぶ。

「悔いだけは残すな!!」

ギターを置き、強気なトーンで話し始める。

「KANSAI ROCK SUMMITになる前の京都ROCK SUMMITから出てますからね!

俺らが解散するか、このイベントがなくなるか。

どっちが先か、勝負やな!」

7曲目|HALO

ラストは『HALO』。

「馬鹿にしてんの?today

いつも遮るのはmine

知らん訳ないさ」──umbrella『HALO』より

ベースを奏でながらジャンプし、フロアの傘人たちへ促す春。

「期待すべきもんは微塵もない

マバラバラHALO HALO

僕はまだ眠れないや

ネオンなHALO HALO HALO」──umbrella『HALO』より

観客一人一人に語りかけるように歌う唯。

音に合わせ体を動かす者もいれば、聴き入る者も。

曲終わり、唯が言う。

「いろいろあったバンドの中で、ここ選んでくれた人、ありがと。

いろんな人に協力してもらってやってるんですけど、

6月23日、またここで主催イベント打ちますんで。

来てください。よろしくお願いします!

今日はほんとにありがとうございました!!」

umbrellaメンバーたちを拍手とメンバーコールで温かく見送り、本編は幕を閉じた。

アンコール|アラン

傘人たちの手拍子とアンコールの声に応え、umbrellaメンバーたちが再度登場。

「アンコールなかったんやで!」

唯が言うと、えー!と驚きの声が上がる。

「BIGCATの優しさに、あなたたちの声が届きました。

ありがとうございます」

ラストはumbrellaのライブの締めとしてお馴染みの『アラン』。

「もーっと声出せ!!」

拳と声を上げる傘人たちを、唯が煽る。

「飛び出した

追いかけなかった

大切なものに背を向けた」──umbrella『アラン』より

爽やかなサウンドの中で映える、低く艶のある歌声。

サビのコーラスは春、柊も傘人たちと共に歌う。

「退屈な灰色に広がるこの世界からさようなら」──umbrella『アラン』より

前方から後ろまで、見渡す限りの観客が手を上げ、音に合わせて体を揺らしていた。

別れを惜しむように柊のギターの音が切なく響く。

「また、ここで会えるよな」

ぽつりとこぼす唯。

そしてラストサビ。

「掴み取れ

君の声はいつか届くから。」──umbrella『アラン』より

唯が叫ぶ。

「振り絞ってこい!!」

この場所でumbrellaと共に過ごすことを選んだ傘人たちが、今日一番の大きな声で歌い、KANSAI ROCK SUMMIT’26 心斎橋BIGCATの長い1日は幕を閉じた。

まとめ

KANSAI ROCK SUMMIT出演14回目にして、心斎橋BIGCATのステージを見事に飾ったumbrella。

オルタナティブ・ロックという、ヴィジュアル系では異端ともいえる音楽性を武器に、着実に実力を伸ばし、その存在を関西から全国へと知らしめている。

2026年6月23日には同じBIGCATにて、主催イベント『路地裏サーチライト』を開催する。

有村竜太朗、メリー、ザアザアを迎え、この空間でどんな景色を見せてくれるのか。

その答えは、ぜひ実際にその目と耳で確かめてほしい。

レポート:ヴィジュアル系百科 編集長 太田翔子
写真:おにてん。(X:@nowing_oniten

umbrella

公式サイト:https://xxumbrellaxx.com

X:@umbrella_DATA

Instagram:@umbrella_official_

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この記事を書いた人

関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

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