
近年のヴィジュアル系シーンでは、デスコア/メタルコア由来の重低音やブレイクダウン、シャウトを取り入れたメタル系のバンドが数多く存在する。
海外リスナーからも支持を集めるバンドが次々と登場し、その活躍は目覚ましい。
この記事では、現在のヴィジュアル系シーンで注目されている、メタル要素の強いバンドを厳選して紹介。
「激しいV系が好き」「ラウド・メタル系からV系に興味を持った」「最近のV系シーンを知りたい」
そんな人は、ぜひ最後までチェックしてほしい。
JILUKA
2013年に結成され、2015年より本格始動した4人組バンド。
EGM(Electro Gothic Metal)という独自のコンセプトを掲げる。
強烈なヘヴィネスとエレクトロ、そしてメロディアスな旋律を融合させたサウンドが特徴だ。
サウンド解説
JILUKAのサウンドは、一言で言えば容赦ない重低音と、デジタルな派手さの融合だ。
全楽曲の作詞・作曲、コンセプトワークを担当するギター兼リーダーのSenaは、7弦ギターを使用。
ベースBoogieは5弦ベースを駆使し、ダウンチューニング・サウンドを響かせる。
そしてドラムZyeanによるエクストリーム・メタル譲りのブラストビートは、メタルコアやジェントからの影響が強く感じられる。
さらにボーカルRickoによる、シャウトやグロウルからV系らしい突き抜けるようなハイトーンまでの圧倒的振り幅。
EDMやダブステップなどシンセサイザーの大胆導入で、サイバーで近未来的世界感を演出している。
DEVILOOF
2015年に大阪で結成された4人組のデスコアバンド。
その音楽性はヴィジュアル系という枠を超え、デスコアやグラインドコアといった極めて過激なジャンルを基盤にしている。
DEVILOOFというバンド名は、Devil’s Proof(悪魔の証明)という言葉に由来して作られた造語だ。
サウンド解説
強烈なダウンチューニングのギター、ブラストビートを多用するドラムと重低音のベースが重なり、圧倒的な音圧を生み出す。
そして、なんといってもボーカル桂佑の人間離れした多彩なデスボイス(グロウル、ピッグスクィールなど)の表現力は筆舌に尽くしがたい。
単なるデスコアに留まらない幅広いアプローチも魅力だ。
極端にテンポを落として重厚感を強調する「ブレイクダウン」や「スラミング」の要素、そして「和」の旋律を取り入れ、日本のバンドとしてのアイデンティティも忘れていない。
DEXCORE
2016年より、名古屋を拠点に活動するV系メタルコアバンド。
バンド名には、ラテン語で右側を意味する「dex」と心臓を意味する「core」を合わせ、「もうひとつの心臓」と言えるほど大事な存在でありたいというファンへの想いが込められている。
サウンド解説
内臓に響くようなダウンチューニングされた重低音ギターと高速なツーバス。
そして強烈なブレイクダウンとキャッチーなメロディを融合させた「デクスサウンド」を武器にヴィジュアル系シーンをリード。
また、ボーカル架神-kagami-の激烈なグロウルやスクリーム、クリーンで透明感のあるハイトーンボイスの対比はバンドのアイデンティティとなっている。
2025年リリースのアルバム『WE WERE HERE』では、EDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)の要素を巧みに取り入れ、新境地を開拓した。
DAMNED
DAMNEDは、2024年に現体制となったヴィジュアル系メタルコアバンド。
重厚なメタルサウンドと美旋律を融合させた破壊的な世界観と、高い演奏力が魅力だ。
2025年4月には初の韓国公演をソールドアウトさせるなど、結成から短期間で海外へも進出している。
サウンド解説
重厚なメタルコアを柱に、ヴィジュアル系特有の耽美な旋律を融合させたV系ラウドサウンド。
ギターKou.と酔花によるダウンチューニングされた重低音リフ、ドラムMasayaのブラストビートを交えた破壊的なドラミングが特徴だ。
ボーカル一音による咆哮するシャウトと、対極にある艶やかな歌唱の切り替えが楽曲に劇的な緩急を与える。
激しさの中に日本的な情緒やキャッチーさを残した、中毒性の高いサウンドデザインが魅力。

EUPHOBIA
「良いことや幸せなことの後には、必ず悪いことが起きる」と恐怖してしまう精神症状を意味する単語、EUPHOBIA。
そんなバンド名をもつヴィジュアル系ブラックメタル界の新鋭は、2025年6月13日の金曜日にデビューした。
ヴィジュアル系の持つ耽美なドラマ性を、ブラックメタルで塗りつぶすかのようなサウンドが特徴だ。
サウンド解説
Black Metal/Blackened Deathcoreをコンセプトに掲げ、海外ブラックメタル由来のコープス・ペイントを施した彼ら。
様式美と邪悪さを継承しつつ、日本の和の要素を取り入れた独自の世界観を展開している。
空間を侵食するような重さ、オカルト的な空気感。
そして不協和音の巧みな配置により、不安感や圧迫感といった底なしの恐怖を生々しく演出している。
そして、その世界観を決定づけているのがボーカル亡憑-Natsuの声の多彩さだ。
グロウル・スクリーム・ピッグスクィールといった叫び、そして無機質な語り。
それらが全て融合され、非日常の恐怖感が形成されている。
OPHELIA
ボーカルの煉華(れんか)によるソロプロジェクトとして、2025年8月に始動。
もともとバンドとして活動する予定だったが、理想のメンバー探しに妥協せず、自身の表現を止めないためにソロプロジェクトとしてスタートした。
サウンド解説
グロウルとシャウト、そして妖艶で艶のあるクリーンボイスをシームレスに行き来する煉華の歌声。
メタルコアを基盤とした重厚で激しいサウンド。
さらに叙情的で耽美なメロディのコントラストが、楽曲にドラマチックな展開を生んでいる。
1stシングル「薄明」では、OPHELIAの音楽的アイデンティティを提示。
2ndシングル「蒼炎が残す刻印」では、前作の路線を継承しつつ、心情の移ろいを表すかのような構成がドラマチックだ。
まとめ
ブレイクダウンの導入や、7弦・8弦ギターによるダウンチューニング、多彩なボーカルテクニック、そしてブラストビートを駆使したドラムのスピードと重圧感。
これらが融合したサウンドは、もはや海外シーンと遜色ないレベルへと進化している。
近年活躍するヴィジュアル系メタルバンドたちに共通しているのは、国内のみならず、海外でも高い評価を得ているということ。
興味のある方は、音楽配信サービスやYoutube、ライブなどでぜひ触れてみてほしい。
この記事の監修者編集長
関西在住。大学では法哲学を専攻し、「ヴィジュアル系における自由と規律」をテーマに研究。音楽を通じた表現と社会的規範の関係性に関心を持ち、ヴィジュアル系という文化現象を美学・社会構造・言語の観点から読み解いてきた。現在はメディア運営者・ライターとして、執筆を通じてバンドの世界観を言語化し、ヴィジュアル系の魅力を広く伝える活動をしている。

